2022/11/22(火) 画面から飛びだしてくる
今日がスタッフ見せ、ということはもう今週末は本番。
初めて本番のスペースで、カメラをバトンに取り付け、スクリーンにリアルタイムで真俯瞰から捉えた映像をプロジェクター投影していく。
彼女は身体で柄をつくっている、と思った。今までダンス作品を見てそんなことを感じたことはなかったが、彼女は確実に心地よい柄をつくりにいっている。
そして、体験として「すごく画面から飛びだしてくる感じのある作品に仕上がったな」と思った。
良くも悪くも、どう見えたいか、どういう感想を持って帰ってほしいかということろを出発点には考えてはいないのだろうなと思う。だけれども結果として、観客の視点は画面からリアルへ、と徐々に映ってくるような流れとなっていて、その体験は2次元の映像のいいところと、リアルの身体の息遣いのどちらの特異点もいい調和で見せることに成功しているようだ。作品が立ち上がっていく現場に立ち会ったようで心躍ってしまった。
これを感覚でやっているのだろうか、南さんの言動からは推しはかることができない。「人の意見すぐ聞いちゃうから」と言っていたが、その言葉を聞きながら「最後は自分で決める」という強い意思を感じた。
スタッフ見せの時は、ちょっとピリッとした空気で他の出演者の作品と見比べてしまったり(私はよく)するが、今日は、作り方も違えばアプローチも全然異なる作品の集合に嬉しくなってしまった。戦い方は一つじゃない。
南さんのやり方も本当に答えと道筋のないところでやってきたと思うが、それゆえの強さがあるように思って、ちょっと頼もしかった。
これまで稽古場では散々、舞台作品としての仕上げ作業、「見た感」の創出に手こずっているようだったが、現場での音圧と空間のせいだろうか。とても見た感ができているように思う。seeではなくlookしたくなる時間の流れ方があったし、この変化はなんなんだろうか。楽しみだ。
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