実は同じじゃないコールカレンダーとプットカレンダー
カレンダースプレッドはストライクが同じならコールで組んでもプットで組んでも同じだと思っていませんか?実はかなり違います。
教科書通りのオプション価値
カレンダースプレッドでショートしてる期近のオプションの満期が近づいてくると、スプレッドの価値はこんな感じになるって教科書で見ますよね。
こんな感じで左右はほぼ対称で、価値は必ず正の値を取ります。なぜ正の値をとるかというと、長期のオプションのほうが短期のオプションより必ず時間的価値が大きいからと書いてあるはずです。でも、実際はこうならないんです。
現実のオプション価値
実際に取引してみるとこうなります。
違いは3つあります。
コール(青)とプット(橙)で価値が異なる
左右は対称じゃない
プットの価値はマイナスになる
こうなる理由は簡単で、現在は金利が5%と高いためです。金利が高いときはDITMのプットの時間的価値はマイナスになり、残存が長いほど大きなマイナスになります。DITMのコールではこれが逆に残存が長いほど大きくプラスになります。FOTMのコールやプットは価値がほぼゼロになりますが、残存が長いほど大きくはなります。
一番注意しないといけないのは、プットカレンダーは実は損失限定ではなく金利が上昇していくと最大損失が限りなく大きくなる可能性があることです。当然エントリー時に払ったプレミアムより大きな損失を被る可能性があります。コールの場合は金利がマイナスにならなければこうはなりません。
でも損益は同じだよね
上のグラフは単に上下に平行移動しただけなので、損益の出方だけを見ると同じなんじゃない?実際グリークスは全部同じだよね。って思うじゃないですか。もちろんそれも違います。
これはとあるカレンダースプレッドのチャートなんですが、コールカレンダーとプットカレンダーを並べて表示しています。左端がプラマイゼロになるようにオフセットしています。青い線でコールとプットの差を示しています。
全然違うチャートをしていることがわかるでしょう。特に2023年5月のFOMC以降のコールカレンダーの利益はかなりのものになります。なぜこうなるのか?実は答えはすでに上に書いてあります。
このチャートを見てると、FOMC後に発生するトレンドに乗れるかが今年の収益を大きく変えそうですね。
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