いやんズレてる
ワトソン「殺人事件の現場って、やっぱり慣れないですね。」
ホームズ「ところで、ワトソンくん。何か臭わないか?」
ワトソン「あっ! バレちゃいました? 昨日から、お腹を下してまして・・・。」
ホームズ「そんな気がしたが、そっちじゃなくて、事件についてなんだが・・・。」
ワトソン「いやんズレてる!」
ホームズ「よく見てくれ。ヤッコさん、おかしな倒れ方をしていると思うんだが・・・。」
ワトソン「えっ? 被害者の名前は、ヤッコなんですか?」
ホームズ「名前が分からないから、とりあえず、そう呼んだのだが・・・。」
ワトソン「いやんズレてる!」
ホームズ「とにかく、後頭部から、血が出ているにも関わらず、仰向けに倒れているのは、不自然じゃないか?」
ワトソン「そうか! 被害者は、三河武士なんですよ。彼らは、うつ伏せに倒れるのは、恥だと考えている連中ですからね。」
ホームズ「ここは、ロンドンで、被害者は、ヨーロッパ人なんだが・・・。」
ワトソン「いやんズレてる!」
ホームズ「殺害したあと、犯人が、遺体を動かしたのかもしれないな。それとも、他の誰かが・・・。」
ワトソン「被害者自身が、体勢を変えたんじゃないですかね。遺体だけに、痛いと思って・・・。」
ホームズ「痛みを感じていたのなら、わざわざ、傷を負った方を床に付けるとは思えないが・・・。」
ワトソン「いやんズレてる!」
ホームズ「それに、ヤッコさん、カツラを被っているようだな。」
ワトソン「えっ? いやんズレてる!」