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マルクスの再評価の動きについて


 最近、環境問題、格差問題などで、資本主義の限界が指摘され、マルクスが再評価されている。興味深い動きだ。そして、その批判点が資本主義が目指す絶えざる経済成長志向に向けられているように思える。

 ここで、その批判点が資本主義思想なのか、市場の経済学なのかが気になる点である。シュンペータが指摘したように、近代経済学つまり一般均衡理論、新古典派経済学は、資本主義社会を描く理論ではない。それは、市場の経済理論である。したがって、資本主義の動きを説明する経済発展理論はないので、シュンペータは動学的な理論が必要であり、イノベーションという言葉を使ってがんばったが、完全なものは作れなかった。

 確かに、資本主義に問題があるが、資本主義の理論と市場の経済学は異なっており、理論的には市場の効率性は完全に否定できないのではないか?マルクスを志向する場合、この市場による資源配分の効率性もすべて無視されるのだろうか。やはり市場は有効であり、必要だと思われる。

 私の場合、新制度派経済学者なので、つまり正統派経済学ではないので、市場の一元論者ではない。市場とともに、組織、そして市場と組織の中間といったシステムもまた効率的であり、それらが併存する社会が効率的だという多元論を支持しているのだが・・・・


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