私は生きる事に執着していたんだ。
まだ頭が働かない。
昨日の竹内結子さんの訃報から
ボーッとしてしまう。
初めて彼女をテレビで観たのは『あすか』だった。
その外見の可愛らしさはもちろん、あふれる笑顔にとても惹きつけられた。
同年代で一番憧れていた方だ。
バラエティに出た時などの受け答えも好感が持てた。
特にシングルマザーになってからは
「ちびがいるので…」と何も気にせずサラッと口にする姿は
何となく女性としてカッコいいと思った。
一人での子育てを隠す事もなく必要以上に表に出す事もなく
私はシングルマザーです感を常に漂わせるわけでもない姿を見て
心から素敵な方だと思っていた。
恥ずかしながら服装や髪型を真似た事もある。
ショートにする時はお手本にした。
ストロベリーナイトで持っていた赤のバーキンは
今でも憧れでいつか持つ事が出来たらいいな
なんて未だに夢見ている。
本当に勝手に好きになって勝手に憧れて。
同世代だからと勝手に親近感を持っていた。
きっと女優さんの中では私にとって特別な存在だった。
だから信じられないというか、受け入れられないというか
そういう事を私が思うのもなんか違う気がしてしまって…。
とにかく呆然としてしまった。
一日中、ニュースで続報がないかチェックしていた。
何か知りたい訳でもないのに…。
事実は変わらないのに…。
追悼コメントを目にして泣きそうにもなった。
私と同じように感じている人も沢山いると思った。
理由を教えてくれるのなら知りたい。
でもそれはもう不可能だ。
何を期待してニュースをチェックしていたのか自分でも分からないが
とにかく彼女の記事に触れていたかった。
どんな内容でもいい。
手のひらからこぼれ落ちていくものを必死に掴もうとしていた。
朝の第一報で目が覚めたので
殆ど寝ていなかった。
そのせいだと思う。
夕方、リビングで横になっても眠れない自分が辛くてたまらなくなった。
少しパニック気味でしんどそうにしている私を両親が心配して
母は頭を冷やしてくれて父はタオルケットをかけてくれた。
気付いたら眠りに落ちていた。
目が覚めてからも食欲はない。
でも、買ってきてくれた紅鮭のおにぎりがあるのを知っていたので
それと暖かい緑茶をお願いした。
そして半沢直樹の最終回を観た。
その時間はドラマの世界の中に入っていたので
いつもと同じように過ごすことが出来たが
上戸彩さんのセリフ、堺雅人さんのセリフ
至る所に今の世の中に対しての素敵な言葉たちが散らばっていた。
生きているだけでいい。
そんなセリフがこんなに心を打たれる時代になるとは…。
その後も又、ニュースのチェックばかりしていた。
藤岡弘、さんのコメントを読みながら涙が流れてしまった。
コンフィデンスマンJPの映画が遺作と表示されるのが嫌だった。
まだ公表されてない新しい作品はないのか。
まだ観たことのない彼女が観たくてたまらない。
でも、出産された事などを思うと
お仕事はセーブされていただろうし
やはりコンフィデンスマンJPが遺作になってしまうのだと実感した。
私はクローズドノートという映画が大好きだ。
邦画では一番かもしれない。
世間では沢尻エリカさんの「別に」発言の時の映画となってしまっているが
日本映画の雰囲気で素晴らしい内容だと思っている。
でも、この作品に関わっていた方には色んな出来事があり
そのうち観られなくなるんじゃないかと不安にもなる。
だからHDDにはWOWWOWで録画したものをずっと残している。
呆然としたままなのに私はお菓子を食べ始めた。
晩御飯をきちんと食べていないから
何か食べようと思ったのだ。
別に食べなくても一日くらい平気なはずなのに。
夕方眠れなかった時も別に寝なくても大丈夫なのに。
それなのに私は睡眠と食事を欲していた。
そこでやっと気付いた。
最近の私は同じ事を繰り返しているが
食べる事・寝る事は『しなければいけない』と思っているのだと。
それはつまり、生きるために必要だから
私は気にかけて生活していたのだと。
別に生きる事にも死ぬ事にもこだわっているつもりはなかったが
実は生きようとしていたのだ。
自分でも意外だった。
私はハッキリ言って何も出来ない。
存在しているだけで家族に負担を強いる存在だ。
稼ぎはないのに保険料や住民税など
生きているだけで支払いが沢山ある。
それを家族に賄って貰っている。
そんな害にしかならない存在の自分が
生きようとしていて
そして生きている。
私は結婚も出産の経験もない。
だから子育ての大変さも結婚をして他人と暮らすという難しさも分からない。
けれど、そんな赤の他人が家族になってくれて
愛しい子どもが生まれてきて
社会では自分の存在する場所があって。
そんな人でも死を選んでしまうのだ。
理由はきっとその人にしか分からない。
それを責めたいとかそういうのではない。
生きているという事は誰にとっても当たり前ではないのだ。
私が死ぬとしたら理由は自分の存在が誰かの負担になるからだ。
社会には当然居場所はなく
家の中意外で過ごす事が困難な私は
生きる事に執着していないと思い込んでいた。
でも違った。
お腹が空いてなくても何かを食べたり
あんまり寝てなかったから寝ないといけないと勝手に思ったり。
振り返ると生きる事に必要なモノを物凄く欲している事に気付いた。
まだ、ご冥福を…なんて言えない。
家族でも近しい人でもないのに何様だって感じだが
勝手に大好きだったからだ。
今でもあの可愛らしい魅力的なはじける笑顔がすぐに浮かぶのに。
◇◇◇
竹内結子さん。
あなたは私の憧れでした。
キレイで可愛らしくてキュートで。
あなたのような女性になりたいと何度思ったことか分かりません。
生まれ変わったらあなたのような周りを笑顔にさせる人になりたい。
今でもそう思っています。
もう一緒に歳を重ねていけないのは辛いです。
いくつになっても輝いてるあなたを見て
私も頑張ったら少しは輝けるんじゃないかと
歳を重ねる度に思っていました。
これから誰をお手本にしたらいいのか分かりません。
こんな素敵な40歳がいるんだと
そんな40歳になりたいと
心の中でずっとあなたを追いかけていました。
41歳の姿が、50歳の姿が見られないなんて
勝手にどうしたらいいんだろうって思っています。
今は色んなモノから解放されて
今までとは比べ物にならないくらいのとびっきりの笑顔で
過ごされている事を願います。生きる事は当然じゃない。
今、生きている事は当たり前じゃない。
思いのままの内容でお見苦しい点、ご不快にさせてしまうような所がありましたら申し訳ありません。