【エッセイ】新しいノートとボールペンを買った(700)
就寝前。インスタグラムやYouTubeのショート動画を眺めているとあっという間に時間が溶けて行く。
中毒性があり貴重な時間を奪って行く。いつまでもこんなことをしてはいけない。
自分の若く美しい身体を性的に晒したり、恥を捨ててコントを披露したり。中にはグロテスクな容姿の我が子を晒すものさえいて吐き気がする。
しかし最も愚かなのはやはり消費する私だ。目は疲れ、脳は疲弊し、そして何も残らない。
こんなことをしておる場合ではない。
来年の手帳と新しい3色ボールペンと新しいノートを1冊と仕事用にユニボールワンの青色のボールペンを買った。
ボールペン。これほどすばらしい道具は他にない。しかも道具を選ばなければ100円ほどで買える。もちろん書きつけるものが必要だ。清潔なノート。
キューブリック監督の名作映画「時計仕掛けのオレンジ」作中で、主人公マックスが変態芸術家を殺して刑務所に入所する際の手荷物検査で黒と赤のボールペンを提出するシーンが印象的だ。
時計仕掛けのオレンジ。現代の映画よりもよほど現代的である。映像は綺麗だし発想も斬新だ。
女体を模したベンチに座り薬物入りのミルクを決めるマックスの目のアップから物語ははじまる。どんな話か想像さえ不可能だ。
映画の影響でしばらくずっと第九ばかり聴いていたら、長女の懐かしい曲になってしまった。当時長女は3歳。時計仕掛けのオレンジを観たのは次女が生まれて直ぐ、妻とこどもたちが妻の実家に里帰りしていた時にキューブリック監督の映画を数作観たのだった。
「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」「シャイニング」「博士の異常な愛情」
やはり一番好きななのは「時計仕掛けのオレンジ」。
今度、変態映画の金字塔「ロリータ」でも観ようかな。