【エッセイ】ゴミのポイ捨て(1000)
ゴミのポイ捨てをするような人間はゴミ未満だ。
しかし、そうなると私は大好きだった祖父をゴミ未満だと認定することになって辛い。
小学生低学年の夏休み。祖父母の実家に泊まり込み、近くの市民プールに弟と一緒に泳ぎに行くのがその楽しみのひとつだった。プールで午前中に遊び、お昼頃に祖父が必ず迎えに来てくれていた。自転車で並走するだけだが。
迎えに来てくれた祖父は私たち兄弟にアイスキャンディを買ってくれた。帰り道はそれを食べながら帰った。
あの忌々しくて邪魔な木の棒が残った。棒を手に持って、祖父母の家のゴミ箱に捨てるつもりだった。
祖父は私から棒を受け取り、堺の汚らしい小川に「ポーイ」っとおどけて棒を投げ捨てた。
大好きな祖父がそんな不道徳を働くのはショックだった。何かの間違いであって欲しかった。
それから私は祖父にアイスを買ってもらうのをやめた。
時は過ぎ、小学生の時。祖父母の家のすぐ近所に駄菓子屋があった。よくお小遣いを持って弟と一緒にそのお店に駄菓子を買いに行った。店の外に私たちと同じくらいの歳と思われる少年がガムだかなんだかのフィルムを剥き、そのまま道に落としていた。
「ゴミを道端に捨てる奴は最低やな。」
私はそのゴミ未満のこどもに聞こえるように弟に耳打ちをした。
その時のクソガキの怒りに満ちたアホ面を今でも覚えている。滑稽で。
その後、そいつが私に直接何かを言ったり、暴力をふるって来たりはされていないが、そのバカが友達だか兄弟だかを自転車の荷台に乗せふたり漕ぎの道路交通法違反を犯しながら祖父母の家の前をベルをギャリジャリ鳴らす不要警告の道路交通法違反を犯しながら(二重の罪)2回通り過ぎて行くという嫌がらせを受けた。
祖父が小川に捨てたアイスの木の棒は朽ちて土だか何かになるだろうが、カスが捨てたポリプロピレンのフィルムは分解されるのに400年以上の時がかかると言われている。さらに数十年単位ではマイクロプラスチックになり人体や野生動物(特に水棲動物)に害をなすと考えられている。
ゴミのポイ捨てをするかしないか。それはもう倫理観の問題である。
祭ではゴミを拾う人、そして、ゴミを捨てる人。2種類の人間があたかも「天使と悪魔の二元論」のように壮大な戦いを繰り広げている。
ということで。lionさんは天使側の人間ということでこの記事を〆ます。