【エッセイ】真の愚か者たちとは?(1500)
漫画のキャラの読書家の悪役で最もかっこいいのはサスペンスアクション漫画の金字塔「ジョジョの奇妙な冒険」(以下、「ジョジョ」)の主人公たちジョースター家の宿敵DIOだ。
「ジョジョ」を知らない方のためにジョジョのあらすじとDIOについて。私の解釈と主観添えで。
19世紀末のイギリス。主人公ジョナサン・ジョースターの家にひとりの少年がやって来るところで物語は幕を開ける。
その少年が若き日のディオ・ブランドー。彼は私が知る少年漫画の敵役の中で最も邪悪かつ強大で魅力的である。
ある珍しくゴールデンタイムに放映されたテレビのオタク番組で最も悪い漫画のラスボスは誰かと言うアンケート結果一位が鬼滅の刃の鬼舞辻無惨というアンケート結果に対して、ケンドーコバヤシがDIOじゃなかったことに落胆し厳重な抗議をしたって時だけ虫唾の走る芸の下劣な彼に激しく同意した。その番組放映時は鬼滅人気は空前絶後だったから仕方ない。無惨もかなり非道で魅力的だが、ただの知名度だ。残忍さや強大さではDIOの足元にも及ばない。
主人公ジョナサン・ジョースターはイギリス貴族の息子。幼い頃に母を亡くしてはいるものの何不自由のない生活を送っていた。
しかしその生活はディオの登場と共に一変する。
ディオは貧民街出身の野心家。ジョースター家の財産を乗っ取ろうと企んでいた。
彼も幼い頃に母を亡くした。母が死んだのはクソ親父ダリオがこき使ったせいだと思っていて、自身も壮絶な虐待を受けていたこともあり父は密かに彼が殺害したのだった。
ディオがジョースター家に招かれたのは、父ダリオの差し金だった。ジョナサンの父ジョースター卿はダリオを命の恩人だと思っていたからだ。その経緯は長くなるので割愛。
DIOはあるきっかけで吸血鬼となり、ジョナサンは彼と戦う運命となってしまう。そして実に100年におよぶDIOとジョナサンの子孫たちとの因縁の対決が描かれたのがジョジョである。
ジャンプコミックス版80巻(文庫版50巻)までがDIOとジョースター家の因縁の対決を軸に進んだ正統のジョジョだ。週刊少年ジャンプで長く連載されていた。81巻以降はスピンオフだ。
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「ジョジョ」はDIOがいなければ成り立たない物語である。
そういう意味ではキリスト教が「原罪」と「原罪からの救い」がなければ成り立たない宗教であるのと同じだ。この世に罪がなければそもそもキリストは必要ない。
DIOは部下たちにジョースターたちの殺害命令を下す時、いつも本を読んでいる。三部で主人公の承太郎に倒される直前まで本を読んでいた。それくらいの読書家である。
さて。
たくさんの本を読んでいるからとか、こんな難解で分厚い本を読んだかとか言って、自分はすごいとアピールする人がいる。何千冊、何万冊の本を読んだから自分の知性はすばらしいとかいう思考や、どんなすごい作家の本を読んだとかでマウントをとる態度。残念だとつくづく思う。
残念な人間図鑑に載せたい。
前noteアカウントで小説を書く人たちとオンライン飲み会をした時、そんな人がいた。
彼の自慢がマイナーだけど界隈では評価されてるらしい作家の名前を並べて、え?読んだことないの??なんでなんで???って雰囲気を出すのだった。私は有名作家の村上春樹しか今は読まないと言うと鼻で笑われた。
嫌いだ。マジで大嫌いだ。
自慢するために本を読むならやめろ。
自分は賢いから本を読むのだと思った時点で愚かだ。
なぜ本を読むのか?否。本を読まなきゃならんのか?そのことを知らないからだろう。
知識がないから本を読むのだ。