舞台『魔界転生』観てきたよ\(^o^)/

こんだーく! (挨拶)
木倉兵馬です。
さて、山田風太郎忍法帖シリーズは皆さんお好きですか?
私は大好きです!
わけても『甲賀忍法帖』、『魔界転生』は入門にぴったりだと考えておりますけれども、今回は後者の舞台版を観てまいりました!
というわけで、感想をつらつらと九十九折に書いていく所存。

そも『魔界転生』とは?

 魔界転生。
 それは伴天連の妖術と忍法が合わさった秘術。
 すなわち、人を魔人として再誕せしめる、呪いに満ちた外法。
 これにより、

・天草四郎
・荒木又右エ門
・田宮坊太郎
・宝蔵院胤舜
・柳生如雲斎
・柳生宗矩
・宮本武蔵

 といったそうそうたる面々が蘇生。
 生前の無念を晴らし天下を揺るがさんとするを、柳生十兵衛が阻止する、といった物語。
 原作は上下巻で合計1000ページを超える長編です。
 これまでに何度かメディアミックスされ、特に映画版は有名でしょう。
 映画版については残念ながら私は未見なのですが……。
 それはともかく、名立たる大剣豪たちが甦る、という凄まじく恐ろしい一方で魅力あふれる物語は、様々な影響を及ぼしてきました。
 今回の舞台もその一つ。2018年のパワーアップ版といったところ。

原作との違い

 まず、原作との違いについて軽く述べていきましょう。
・舞台設定
 原作では近畿、特に紀州和歌山周辺が中心である一方、舞台版は大坂城、𠮷原、日光など範囲が広げられている。
・登場人物設定
1.転生する人々のメンバー替え。
 具体的には尾張柳生の如雲斎が登場せず、代わりに淀殿が加えられる。
2.柳生十兵衛の味方たち。
 敵のくノ一として現れるお品が最初から味方に。
 さらに真田十勇士の一人、根津甚八も参戦。
 原作ではわずかにしか出番のなかった十兵衛の弟、又十郎も活躍シーンが増える。
 一方、柳生十人衆と自称する10人の弟子は3人に減少。
 また、女性弟子3人と関口弥太郎も削られています。

 などなど。
 舞台版の170分間では描き切れないでしょうから、けっこう削られた部分は多いです。
 しかし設定を活かしつつ、新たな『魔界転生』が生み出されたのは素晴らしいの一言に尽きます。
 実際に観て初めて感じる『良さ』はすさまじく多いのです。

魅力・個人的に良かった点

 映画館にはそれなりに足を運ぶほうではあるものの、実は私、今回初めて自ら舞台を観に行きました。
 それゆえに、「楽しめるかな?」「マナーを破ってしまわないだろうか?」などといった不安も多かったけれども、それを上回る『良さ』があったのです。

 まず演出。
 一つに、LEDを使って映し出される映像と、実際に演じる俳優の皆さんとが、うまくかみ合って『島原の乱』や『転生者たちによって繰り広げられる地獄絵図』など、その時その場にいたかのように感じられました。
 舞台の大道具を減らせる利点もあったのでしょうし、演出への飽くなき挑戦という気概もあるに違いありません。

 一番記憶に残っているのは、松平健さん演じる柳生宗矩が魔界転生するシーン。
 髑髏の仮面を被った異形の存在がまさに死の舞踏を繰り広げる中を、神輿に乗って宗矩が登場し、かっ、と真っ赤な舌を見せる光景。
 ああ、魔人と化してしまった!
 あれほどの説得力のある魅せ方は参考にしたい、いえ、参考にしなくてはなりません。 
 
 衣装、特に、転生後魔人と化した剣豪たちの衣装やメイクも印象深いものでした。
 骸骨や寒色を中心にした禍々しいデザインになっており、まさに彼らが地獄から舞い戻ったよう。

 それらだけでなく、バトルが中心の物語ですから殺陣は当然、最高のものでしたね。
 どの対決が一番だったか?
 それを決めるのは難しいのですが、やはり柳生十兵衛VS柳生宗矩の親子対決はクライマックスにふさわしいものでした。
 大人数の戦闘ではないものの、静かな、しかし鬼気迫る演技。
 映画とはまた違う魅力を発見できました。
 
 またギャグも語らないわけにはいきません。
 なにせ、観終えた印象の一つに「コミカルさ」があったのですから。
 凄惨な物語でありながら笑えるシーンも多々あったのは、コロナ禍の中で殺伐とした世をうるおすかのようでした。
 流行歌からのパロディ、うどんや明太子や水炊きといったローカルネタ、宮本武蔵の一人歌舞伎……語りたいことは多く、なんとも選びようがありません。

 このように思えるのは、ストーリーの振れ幅、つまりシリアスとギャグのバランスもうまく取れていたからなのでしょう。
 創作を志す者として参考にしたいことは多くありました。

 ただそれだけではありません。
 今回、映画はすでに作られたものを観るもの、しかし舞台はでき上がっていくものを観るもの、と学びました。
 俳優の方々だけでなく、観る側の人間もまた、舞台を良いものにしていくために欠かせない存在なのです。
 観客席の拍手やスタンディングオベーションは、当然演者のためのもの。
 しかし、同時に素晴らしいシーンを共感できる人々がいる、と感じられ、孤独ではないのだとも観客の私は思いました。
 双方にとって端倪すべからざるエネルギーをもらえる、最高の瞬間でした。

まとまりはないけど感想終わり

 こんな素晴らしい体験をしたのだから、伝えなくては、と思って記事を書き始めたものの、なんとなく思いついたものを書き散らしたようになってしまいました……。

 反省しきりです。やはり、感想を書く練習もどんどんしていかなければならないのでしょう。

 久々のNoteの記事はこういったところで終わりにしたいと思います。
 今後もいくつか記事が書ければなと考えています。
 それではまた!

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