LINE


正月休みを久々取れ折角だし実家帰省した。前正月に帰ったのいつだっけ…って思い出せないくらい久しぶりだと思う。
私の実家はど田舎
電車は1時間に1本
最寄り駅までは2時間
更にその最寄り駅から車で20分
乗る人も少ないので車内は静か
長いトンネルが幾つもありそこ抜ければ一気に山が近くなる
そして空気も少し冷たく感じる
その瞬間帰って来たなと思うのが大好き
電車に乗ると毎度18歳の頃思い出す
出るとは思わなかった実家
寂しくて泣きそうにもなった 
知ってる景色がどんどん離れて、一人暮らししてる土地に来ると謎のスイッチ入って顔つきが変わる。きっと緊張してたんだろう
その緊張が緩むのが実家パワーである。
長旅が終わり駅のホームへ降りる
ホームは階段上がって2階なので
上から駐車場が見える
そこから誰が迎えに来てるか確認するのも好き
今回前日に姉から

明日お母さんが迎えに行くよ

とLINEが来ていたので知っていたが、癖になってるのか探してしまった。
しかしお母さんの車が無い
あれ?お母さんどこに止めたんだろう?キョロキョロしていたら1人の女性と目が合い手を振って来た。よく見るとお母さんだった。
でも車はまさかの軽トラ
軽トラ!?
急いで…は嘘でゆっくり階段降り車へ向かう

ただいま〜
まあまあ大きい声で言うとお母さんは再度手を振りニヤニヤしながら

おかえり〜ごめん軽トラで来ちゃった笑笑
と照れ混じりに話した
汚れちゃうかもしれないからとか
カバン持って貰うしかなくて…とか
ずっとワタワタしながら言ってるの見て私はずっと爆笑してた。
運転中何故軽トラになったか聞くと
どうやらエンジンかからず動かなくて仕方なく軽トラになったらしい
バッテリー上がりかな…
しょんぼりしてるお母さんを何とか慰めようと考えたが思い付かず「それは大変だったね」としか言えなかったが、道中雪滑りでガードレールにぶつかった車を見つけ
お母さんのバッテリー上がりはまだマシだから大丈夫だよって言ったら少し緩んでいたのでほっとした。
実家着きお母さんは説明書読んだり
お父さんに助け求めて解決しようとしてて
やっぱり心配だよなと部屋でゴロゴロしてたら

きくらげ〜〜

遠くからお母さんが呼んできて部屋のドアを開けてきた。
どうしたん?って聞くと

ごめん車動いたわ

え?何で?

バッテリー上がりではなくアクセルの踏み込みが甘かったみたいでお父さんが踏んだら普通にエンジンかかったらしい

ご迷惑おかけしました(汗)
安堵したのか笑いながら言うお母さん見て
良かったねと私も思わず笑って言った。
そんなドタバタから始まった帰省は三日間過ごした。やる事も無し久しぶりにテレビ見てご飯食べて吉本新喜劇で笑っていた。家族とも話した。
         ◉
帰省2日目に私の早め誕生日パーティー開催
今年は姉が知り合いのケーキ屋さんにオーダーメイドケーキ頼んでくれた。星の王子様イメージしてくれたらしく可愛かった。
団欒中LINEの話になり

あ!お母さんLINE教えてよ!!
思い出したかのように私は言った
そうだそうだとお母さんもスマホ出してきて友達登録の仕方を説明した。

そう、遂にお母さんがLINE始めたのだ。
始めたことを知ったのは軽トラドライブ中の時
年賀状の話からLINEの話になり
そういえばお母さんLINE始めたよ
その一言からだった
それを聞いて私はもちろん

えっ!!?やっと始めた!!?前あれだけ勧めたのに断ったじゃん!!
驚きながら言った。
お母さんがスマホにしたのは数年前
機種変する時本当はガラケーが良かったらしいが、ガラケーの生産が少なくもうスマホしか無いと店員さんから説明され仕方なくスマホに変えた
当時はそれだけでも進歩したなと思った
画面にLINEあるの見つけて

LINEあるじゃん!登録してやろうよ!メールより楽だよ!
テンション上げて言ったのだが
目疲れるしメール見れるからやらない
キッパリ断られた
お母さんは新しい事が苦手
ましてや機械なんてさっぱりな人だからLINEなんてもっと分からないしやりたくないんだろう
何となく知っていたのでそれ以上は辞めたのだが
まさかやるなんて思わず嬉しかった。

始めた理由聞くと
・メールが何ヶ月か経つと古いのが自動削除になり振り返りが出来ない
・婦人会の連絡網が主にLINEでそれ以外の連絡もLINEだから仲間外れ
だそうだ。
LINEのゴダゴダがあったらしくそれに巻き込まれるのが嫌だけど、連絡網に関しては重要だからしょうがなく始めたらしい。
連絡網はスマホに変えた時にも自分だけメールで送って貰ってると言ってて
それ、その人に小さい仕事作らせてるよ?と話したが、「そうなんだけどさ〜笑」で流されたのに人間本当いつ変わるのか分からない。
ちなみにお母さんは私が前回勧めた事を

すっっっかり忘れていた

そうだっけ?って言われた
そうだよ!何回も話したじゃん!
全く…。
話はケーキ団欒に戻して
早速LINE交換した
友達が家族でLINEしてるの見てずっと羨ましかったからお母さんと交換出来て凄い感動した

これで簡単に連絡取り合えるね
って話したら
確かに電車遅れてるよとかすぐ分かるわね〜便利だわ
感心した顔で眺めていた。
        ◉
帰る日が来た
電車の本数少ないので大体お昼食べてから帰っている。
駅までもお母さんが送ってくれた
軽トラではなく自分の車で
道中あれこれ話していたらあっという間に駅到着
乗る予定の電車がもう来てて私は少し走る事になった。

お母さんまたね!いってきます!

いってらっしゃい!気を付けてね!またおいで。

走って乗った電車
もう出発の時間のはずだが中々発車しない
あれ?おかしいな?この時間のはずなんだけど
乗り換え案内確認したら
出発時間見間違えててもう10分余裕あった
しかも少し遅れているアナウンス
あちゃーなら良かったー

お母さんに
電車遅れてるみたい
とLINE送ったら

特急電車行ったから乗れたから心配だったけど違くて安心した
って返ってきた。

これが初めてのLINEになった。
感動中になる発車ベル
寂しい気持ちもあるが何となくお母さんが近くにいる気がして暖かくなった。

今回はここまで。それではまた次回

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