エッセイ、完成!!
「私にとって忘れてはいけない存在達」
始まり 「前説」
私は自分が生きてきた23年間、あるものが付き添っていた。
付き添うという言い方は良くない。私が勝手に依存いや、好奇心を持っているだけ。そんな言い方をしたら、彼らが怒ると思うので、私が彼らと付き添ったということにします。もったいぶり過ぎましたね。このエッセイはそんな私と彼らの話でございます。つまらないかもしれませんが、どうぞごゆるりとお聞きください。
第1章 「彼らとの出会い」
私は2001年、ちょうど二十一世紀が始まる時に産まれました。私には母、父、六歳半上の姉の含めた四人家族です。父は、肉体的なお仕事に務めていました。母は、銀行員でした。姉は、私が生まれた時は小学校一年生で、母が家事で手を離せない時は、姉が私のオムツを交換したり、私をあやしてくれました。大人になった今も姉には、感謝しきれません。私は産まれた時から喘息とアトピー皮膚炎を患っていました。自分の体をかくとすぐに身体中真っ赤になり、傷を作っていました。それは、大人になった今でも変わらず、掻きむしると傷になって皮膚科に行って塗り薬を貰い、全身ミイラのようにガーゼだらけになることがあります。そんな私を家族は可哀想ではなく、掻きむしっちゃダメと怒ってくれました。また、掻いちゃったのね。と諭されるよりもそっちの方が、私には効果覿面と思ったのでしょう。けど、癖というものは治らないものですね。
そんな幼児期を経て私は小学生になりました。母と父の真面目さが遺伝したのか、勉強の成績は中の上くらいでしたがクラスの学級委員を任されるようにクラスのプリントを配る時や、イベント事の仕切りなどをするようになりました。それだけ信頼されるというのは嬉しいことなので、自分が誇らしかったです。そして、この時に私は彼らと出会いました。1つ目の転機が訪れます。
きっかけは、一つのアニメ。皆さん、ご存知だと思いますがあのアニメです。早く言えと思いますよね。そうです。「ゲゲゲの鬼太郎」です。正解しましたか?あれ?分かりませんでしたかね。まぁ、兎にも角にもこの「ゲゲゲの鬼太郎」というアニメに小学生ながら心を奪われました。なぜなら、学校でも習ったことのない「妖怪」というワードが出てきたからです。そのワードに私はわずか十歳で〈縁〉というものを感じました。この時は、妖怪というものに魅了されていたの方がしっくり来ますね。このアニメについてざっくり説明すると、人間を酷い目に会わせる妖怪達を鬼太郎が目玉おやじや猫娘などの妖怪の仲間と共に成敗するというアニメです。まぁ、知ってますよね。ただ、私はこのアニメで唯一しっくり来てない部分がありました。それは何故、同じ妖怪仲間なのに鬼太郎達は彼らを成敗するのか。人間達の方が酷いことをしているのに。そこだけがどうしてもしっくり来てなかった。そんなモヤモヤを抱えていたからか益々妖怪に好奇心を持つようになりました。
そんなある日、家族とショッピングモールに出かけ、本屋さんに行った時に電気が走ったのです。家族皆が読書好きだったため、本屋さんによく出向いていました。そんな感じでいつもの様に本屋に着くと、ある本を見つけてしまったのです。それは、『ゲゲゲの鬼太郎妖怪大百科』という子供向けの妖怪図鑑のようなものです。これを見つけた瞬間、私は「これだ!」と思い、母に買って欲しいと懇願しました。母は、全然驚きもせずに買ってくれました。そして、家に帰ってすぐに読みました。
内容は、少し難しかったのですが何となく理解出来ることもありました。それは、妖怪も悪いが人間もやっぱり悪い所あるな。ということでした。それから、私は心霊番組だったり、オカルト系の本などをよく読んだりするようになりました。それから少し時が経って、私はいじめにあっていたり友達との人間関係が上手くいかなくなったりなどあり、母に中学受験を勧められ、その勉強に勤しんでいた。そして、ある女子校に合格し私の中学生生活が始まった。その時は、中学生生活を一生懸命生きるためもあり、彼らのことは忘れてしまっていた。
そして、高校3年生にあっという間になってしまった。そして、2つ目の転機への物語が始まる。
第2章「受験期」
あっという間に高校3年生になり、この歳は皆大学受験するか就職するかなど進路について悩む歳頃。私は、大学受験を選んだ。だが、心理学興味あるから学んでみようかな、一般受験する人がほとんどだから私も一般受験しようかなぁなんて具体的なことはなく、のほほんと過ごしていた。そんなのほほんと過ごしていたそんな日に電気が走ったような衝撃が、あるテレビを見たことで私の体内で起こった。それは、世田谷区にある大学の教授が京都お寺に赴き、仏像を熱弁している姿だった。私はその姿を見て、この教授の元で教わりたい。という熱意に駆られた。そして、すぐにその教授について調べた。教授は、その大学の仏教学部という学部に在籍しており、私はその大学に行きたいと思った。しかし、その時の私は私のクラスが特進ということもあり、何故か一般受験にこだわっていた。
そして、とうとう夏休みになってしまった。この時期になると進路を決める三者面談が始まる。その時に私はまたもテレビで先生を発見した時のような衝撃が走った。それは、担任の先生が言った言葉だった。その言葉を発する前に担任の先生は、私が今までの中間試験や期末試験でを頑張っていたこともあり評点が推薦入試で行けるほどあったと言われた。だから、自己推薦を目指すのどうだ?と言われた。けど、私は一般受験でどうしても行きたいと反論した。すると先生は、お前は馬鹿か。と。推薦では無理だから一般受験になっちゃって、中高の勉強を頑張れば良かったって後悔する人が多いのに、お前は推薦で入試に挑めるにも関わらず断るやつがあるか!と叱られました。
私は、その担任の先生からの叱責で目を覚ましたのです。あ、私は今までちゃんと頑張っていたのか。なんで、こんなにも意固地になっているのかと。そして、私はわかりました。自己推薦で行きます。と母親と担任の前で宣言した。そして、行ける大学についての話し合いになった。私は元々姉が行っていたテレビで見た先生の大学を学部関係なく行きたいと思い、目指していました。先生は、その大学の推薦入試で行ける学部表のようなものを私に提示し、ちょうど仏教学部が行けると言ってくれました。私は、運命だも思いました。憧れの教授の元で学べるじゃないかと。そして、私は自己推薦入試に向けての勉強を始めた。
入試では、一次試験の自己推薦文を各4項目、記述することだった。主に、この大学に入学を志望する理由は?やどんな勉強をしたいか?のような文言だった。その試験に合格すると二次試験の口頭試問+面接という試験方式だった。最初の一次試験で私は、テレビで見た教授のことについてとその時に小学五年生の時の社会の授業で見た唐時代の僧侶鑑真が、頭の中にふっと出てきたので、そのことについても書いた。そして、なんと一次試験に見事合格した。それからすぐに面接練習に担任の先生含め他の先生方に協力してもらった。その一週間後に試験があり、試験終わってから一ヶ月後結果を学校内のパソコン室のパソコンで確認した。見事合格したのだ。
私は、なんとかこの受験期を乗り越え大学への道を歩んだ。
ここで、皆さんあることを疑問に思っていただろう。あれ?妖怪は?鑑真なの?と。まぁ、待って欲しい。この後にちゃんと登場するのでお見逃しなく! さぁ、次の章に参ろう。
第3章「卒論のはじめ」
大学一年生になった私は、友達も少ないが出来、順風満帆な生活を送っていた。友達達と授業どれ履修する?なんて話だったりとたわいのない話も出来た。そんなある日、私はある授業でまた人生の転機を迎えた。そして、みなさんお待たせしました!ここであの子達復活します!そして、3つ目の転機が訪れます。
私は、一年生の時に日本美術という選択科目を履修していた。その授業では、仏像や仏画、絵巻物、現代の絵画など日本に存在する日本美術について学ぶ授業だった。その五回目の授業の時に一つの絵巻物を見て、彼らの存在が私の頭の中で復活した。その絵巻物の名前は、「百鬼夜行絵巻」である。この絵巻物は、室町時代に作成されたものである。内容としては、鬼や古い楽器や道具が妖怪化したものなどたくさんの妖怪が列をなして歩いている様子が描かれている。私は、この絵を見た瞬間に子供時代の思い出を思い出した。妖怪に自分の時間を費やしていたあの思い出がまるでアルバムを見ているかのように先生の話そっちのけで目をキラキラさせながら「百鬼夜行絵巻」を隅から隅まで見ていた。
そして、子供時代を思い出し、ある決心を固めた。「卒論は、妖怪について執筆する。なんで、私はこんな大切な存在のことを忘れていたのだろう。妖怪の皆、忘れててごめんなさい。私、必ずあなた達のこと書くから。」と独り言ととしてまあまあの大きいな声で宣言した。そしたら、周りに驚かれてしまった。すみません。すみません。と言いながら会釈していたら、いつの間にか授業が終わっていた。ここからは、私が卒論をどのような遍歴を経て執筆したが記述していく。
まず最初に、どの作品について描くかを決める所から始まった。妖怪を扱った作品は、そんなに数は多くない。有名どころと言えば、水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」であったり先述した「百鬼夜行絵巻」、酒呑童子という最大の鬼を退治するシーンが描かれている「大江山絵巻」、地獄の内容を絵巻物にした「地獄草紙」などがある。しかし、内容がマニアックであったり、作者不明なのが多々あるため研究している人達が少ない。先行研究が少ないことから比較対象が僅少なので執筆が難しい。だから、私は悩んでいた。まだ、1年生だった私はそういう知識が少なかったので、妖怪を中心に扱った絵巻物を執筆するとざっくりした部分しか決めることが出来なかった。そこから1年が終わるのは早かった。結局、どれを書くかの1割も決まらずにあっという間に2年が過ぎてしまった。
そして、遂にー八雲なお”卒論”書き始めるってよ。ーと某映画のようなフレーズで本格的な卒論執筆生活が始まります。
第4章 「やっと出会えた」
私の通っていた大学は3年生からゼミ制度が始まる。2年生後半の時期に自分が教わりたいゼミの先生に志願をする。先生によっては、志望動機などを記述する試験のようなものがある教授もいる。私は、先述したように目標にしていた教授しか頭の中になかったので志願しに行った。そして、その教授には志望動機とゼミでやりたい研究などを3000字以内で記述し、提出てください。という課題があった。その課題をクリアした人がゼミに入れるのだ。そして、私は見事通過した。その時の気持ちはもう言葉では言い表せられないほど熱くなった。
遂に3年生にになり、新たな門出を迎えた。そのゼミでは、ある1つの文書の原文を書き下し文と現代語訳に直し、何をその文章は伝えたいのかを先輩・後輩関係なく議論し合うゼミだった。その課題と同時に卒論についても進めなくてはならないのだ。さらに4年生は就活もしなくてはならない。私はまだ、3年生になったばっかでしたので大学生活を送ることに集中していた。
そんなある日、3年前期最後の試験が終わり、大学の中にあるソファに寝っ転がって、Netflixを開いていた。そこで、久しぶりにアニメ見たいなぁと思い、「鬼灯の冷徹」を無意識で見た。そこで私はこれだ!と電気がビビッと走った。そのお話では、白鐸という神獣が自分の妖怪としての姿をもっと格好良く”鳥山石燕”には描いてほしかった。とアニメの中で話していた。私は、そのお話をすぐに中断させ、すぐにGoogleで「鳥山石燕 画図百鬼夜行」と調べた。画像やその文献の詳細を見て、やっと見つけられた。と思わず口に出し、ソファでのた打ち回った。そして、私は卒論のテーマを「鳥山石燕 画図百鬼夜行」にした。すぐにWordにタイトルと自分が書きたい内容を記した。卒論についてはゼミでも4年生の先輩方の卒論発表会を聞いていたので書き方などはざっくりと理解していた。私は、序章・第1章・第2章・第3章・まとめと項目を分けた。そして、書きたい事をすぐに箇条書きにし、まとめた。
それからは、急いで資料集めを始めた。
第5章 「集大成」
私は急いでかき集めた資料を見ながら執筆開始した。私が大学4年生になったその年は水木しげる氏の生誕100周年ということをとある雑誌で知り、私は余計にこれはチャンスだと思った。さらには六本木の森美術館で【水木しげる 百鬼夜行展】という特別展が行われていたことを知り、すぐに向かった。3時間もその展示に向き合っていた。その日私はあることを知った。いや、知ったというよりやっと思い出した。
―私は本当に妖怪が好きなんだ。なんで、こんな大事なことを今まで蔑ろにしていたのだろうか。私は彼らに申し訳ないことをしてしまった。―
そう、自分の胸に言い聞かせた。そしてその展示を鑑賞後、数時間で1万字執筆した。自分でも驚くほどの集中力で驚いた。
その当時私は卒論と同時に進路についても行動していた。周りの友達は皆、どこかの会社のインターンに出席したり、面接を受けたりしていた。だが、私は就活よりも卒論に集中していた。だから、勉強して進路が決まる公務員を目指して勉強していた。しかし、言い訳になるが集中できずに、全ての試験落ちてしまった。そこで、私は公務員を諦めた。そして、就活を始めることにした。その理由は卒論に早く集中したかった。彼らともっと真剣に向き合いたかった。という理由。
私は、就活生が最初に行う会社説明会に参加した。ただ、あまり惹かれる会社がなかったので自分で就活アプリに登録した。登録後、すぐにいろいろな会社を見ていると縁を感じた会社があったので、速攻応募した。
それからはトントン拍子に決まり、内定式前に決まった。私はあっという間に進路が決まってしまい思わず「すごいな自分。」と感心してしまった。そして、念願だった卒論に集中した。
遂に、完成した。私は最大の喜びに浸っていた。そして、無事に卒業した。
第6章 「新しい野望」
私は卒業し、無事に入社式も終えた。楽しみと不安で胸がいっぱいだった。
そして、入社式の日。私の人生に起こった3つの転機を振り返っていた。1つ目小学生の時に見た「ゲゲゲの鬼太郎」。2つ目は「大学受験」。3つ目は「大学1年の時に履修した日本美術の授業」。これらの転機は誰もが出来る日常的なことだと感じた。けど、私はそれらに特別の縁を感じ、今の自分があるんだと実感した。
それから、私には新たな野望が出来た。
―私は卒論の時のように、妖怪などの目に見えない存在・事象を文章として伝えて行きたい。働きながらでも、どんなにスランプになっても書くことは辞めないように生きよう。―
この野望を胸に秘め、私は新社会人生活を送ることとなった。
終わり 「決意」
私は現在、入社2年目を迎えたばかりです。後輩が入ってきたりでバタバタしていた。だが、小説は執筆し続けていた。自分のアカウントを作り、連載と言って良いか分からないが自分にとっては連載を書いている小説家のような気分に浸りながら掲載していた。
そして、そてはこれからも続けていく。たとえ日の目を見なくても、コツコツと執筆していく。誰かが私の小説を読んで少しでも彼らの面白さに気づいて欲しい。
だから私は、書き続ける。妖怪なんて。そんなものを信じているなんて気持ち悪いと思われても、私は自分が忘れてはならない彼らのことを書き続ける。たくさんの人に伝えていく。
―これが、私にとって忘れてはいけない存在達と私の話です。ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。 私は今も書いています。―
おわり・・・。