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自分の今の性格は”リーダー”に適していない。プレイヤータイプ。


これまでの自分の経験上、自分と同等かそれ以上の能力を持った人とチームを組むと、良い成果を出すことが出来た。しかし、自分よりもうまく出来なかったり、課題に取り組む熱量が少なかったりする人とチームを組むと、全然成果を出すことが出来なかった。

その最たる例が、第2回目のBFDセミナーである。経緯を軽くまとめると、

①第1回目のセミナーの終わりに、2回目のセミナーで行う授業を担当する人を決める時間があった。
②授業の内容は数種類あったけど、自分は「異文化交流」の授業を担当したかったので、真っ先にそれを選択。
③選択した人が自分だけだった(自分は別にそれでも良かったけど…)。担当者は3人必要ということで、セミナーの主催者が「誰か他にやりませんか?」と皆に投げかける。
④ジョージアとウクライナの奴らが立候補して、3人のチームになる。

ここまでがチーム結成の話。自分はこの授業を最高のモノにしたいと意気込んでいたし、他の2人も立候補してきたんだから、当然やる気があるものと考えていた。

だが、いざ、授業内容を決める段階になると揉め事が発生。

①3時間の授業時間について、まずは自分が作ったプランを2人に提案。
②そのプランについては何も言及せずに、好き勝手な案を言い出す。しかも、その案で3時間を持たせることは出来ない。
③もう一度自分なりに授業案を改善して、2人に提案。そしたら、一人からは、拒否をされ、もう一人からは「プレゼンを40分するのは長い」との指摘。『何分が良いのか?』と聞くと「18分」との回答。これでどうやって、3時間を埋める気なんだ?


別に指摘してくるのは大歓迎なのだが、代わりの代替案は出さないという態度にイラつき始める。セミナーの責任者にそれぞれの案を提示したところ、自分の案が一番良いという意見を頂く。

そのことを、他の2人に伝えてもなぜか頑なに自身の意見に固執。しかも、「なら代替案を出せ」と要求したところ、数週間単位で返信をよこしてこない。よこしてきても、頓珍漢な案ばかり…

本来ならとっくに自分の案で決まっていて、準備に取り掛かれる状態なのに、2人がめちゃくちゃ過ぎて、コンセンサスを取るという初歩作業を達成する為に、貴重な時間がどんどん過ぎていく。

そして、セミナーが始まる3週間前の日に、ジョージアのクソ野郎が「忙しいからこのグループを抜ける。セミナーの責任者にはもう伝えてある。後は頑張って~」みたいなことを書いてきやがったので、不満が頂点に。

コイツが、駄々をこねるクセに、代替案を出してこない張本人。コイツの同意を得る為にずっと待っていたのに、この仕打ちは酷過ぎる。コイツがいなければ、プラン案を作成した日から準備に取り掛かることが出来た。

それだったら、1カ月と23日という膨大な時間が残っていたので、納得のいくプレゼンを作り上げることが出来ていたと思う。それを、このジョージア野郎は台無しにしやがったのである。

コイツへの怒りをぶちまけた後は、しょうがないのでウクライナの奴と2人で準備を進めることに。で、いざセミナーが始まると、そのウクライナの奴の姿がない。なんと、「風邪でセミナーを欠席する」とのこと。

俺は絶対にこれは仮病だと思っている。マジでイラついた。

だけど、このままの感情だと、授業に悪影響が及ぶので、一旦気持ちを切り替えた。なんとか授業は一人で行い、成功させることが出来た。

だけど、この立候補してきやがったくせに、時間だけをむしゃぶりつくし、挙句の果てにはとんずらしやがったコイツ等は、まじで救いようがない奴だっと思う。


上記の事例は失敗だったけど、同じセミナーで上手くいった例も体験している。


第4回目のセミナーで、テーマを選んでプレゼンをすることになった。20人くらいが4つのテーマからやりたいモノを選ぶのだが、自分はLGBTのテーマを選んだ。自分の他には1人しかそのテーマを選ばなかった。

しかもその人は、全体の自己紹介の時に、「私、”一匹狼”なんで、そこんとこ、よろしく」と皆に言っちゃうタイプだった。一匹狼って”Einzelgänger”って言うんやと勉強になり、呟いていた…笑

2人きりでどうしようかなと不安に思っていたけど、彼女にはもうプランがあって、それを自分に説明してくれた。自分はそのプランが良いなと思ったし、もうちょっと工夫が出来そうなところは伝えた。そうやって互いの意見を言い合うことで、スムーズにプランを作成することが出来た。

準備時間は十分すぎる程残っており、自分のプレゼンパートの細部にいたるまで準備をすることが出来た。一匹狼といっても、分からない所を質問したら真摯に対応してくれて、結構優しい方だった。

で、プレゼン本番では、聞いていた方々から良い評価を頂くことができ、LGBTのテーマをそのままにもう一度プレゼンをすることになった。他のプレゼングループにいた3名の方が、「LGBTについて一緒にプレゼンしたい!」と移籍してくれた。

その3名の方々はアイデアが豊富で、2人では出せなかった意見を次々に出してくれた。最終的には、プレゼンをインタビュー動画にして発表することになった。動画撮影の時はかなり和やかな雰囲気で、和気藹々と楽しく準備することが出来た。

プレゼンの仕上がりも満足いくモノが作れた。個人的には、第2回目のウクライナとジョージア野郎のせいで地獄を見たので、このプレゼン作りは、最高に天国だった!!!


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こんな感じで、自分は周りのレベルが自分と同等以上だと、結構楽しく出来る。一方で、そうじゃなかった場合は、足を引っ張られることにムカついて、そいつ等に関わろうとしなくなる。

この性格は、リーダーみたいに、色んな人達と仲良くやっていかないといけない立場には、全然向いていない。

優れたリーダーだったら、ジョージアやウクライナの奴らに、「どうしたん?」みたいなことを言って寄り添って、関係性を深めていって、絆を作っていくのだろう。

でも自分は、ジョージアやウクライナの奴らは自分から立候補してきたわけだから、情熱と責任感を持っていると判断していた。だからこそ、クソみたいな案ばかりだして、突然バックレる態度に、心底ムカついたのである。そんなことするなら、最初から一人でやらせてくれよと。お前らがおらんくても結果的には自分一人で成功させたし、逆にお前らがおることが俺にとって最大の迷惑だった。

で、そいつらはもう子どもじゃないんだから、「自分でやれよ!」と思うのです。個人的には、相手が子どもだったら、ある程度は自分が介入して、手取り足取り教えるのは仕方ないことだと割り切れるけど、成人してる奴がちゃんとしてないのは、もう救いようがないと思っている。

ウクライナとジョージア野郎を救うとしても、自分からそいつらに対しては絶対に行かない。向こうから何か質問してくるならば、答えてやろうとは思う。コッチに来ないということは、そっちはそのままで良いと思っていることなので、じゃあテメェらの勝手にすればとなる。

この考え方って、絶対にリーダに不向きですよね…笑

なので、よく「自分の森の幼稚園を作りたいと思ってる?」って尋ねられることがあるんですけど、自分としては園長先生になって森の幼稚園のリーダになるというのは、一切考えてないです。自分が森の幼稚園作っても、良い場所になるイメージが湧かない。

一方で、プレイヤーとしては、この考えは非常に良いと思うんですよ。他人に「ちゃんとやること」を望むということは、同じく自分自身に対しても「ちゃんとやること」を課してるわけです。だから、自分としては仕事に対して一生懸命に取り組む気持ちをいつでも持ってます。

だから今の自分は、自分の森の幼稚園を作らず、一生現役の森の幼稚園の先生として生きるのが幸せなんじゃないかなとお思います。

90代の保育士さんもいらっしゃるという…☟


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で、こういうリーダー像の違いについて話し合う機会が、有難いことに昨日(2024年6月10日)あった。お話させて頂いた相手は、他人のことを思いやれるタイプで、そういうジョージアやウクライナの奴らに寄り添って、「一緒に頑張ろう!」ってことが出来る人間である。

お互いに価値観が真逆だったけど、いろいろな考え方を知れた良い機会だったと思う。それを話してる最中に自分はふと、「こういう展開ってどっかで見たことがあるぞ…?」と思った。

よくよく考えてみたら、尊敬する立川談志とビートたけしがラジオで話していたことだった。全く内容が一致していてびっくりした!笑


自分はビートたけしタイプで、ジョージアやウクライナの奴等に対しては、自分からアプローチをせずに、自分達で気付いて、自分で成長しろと思うタイプ。で、気付かない奴は、そのまま気付かないでやっていけばと感じる。要するに、コッチから救う必要はないって考え。

相手は立川談志タイプで、そういう奴らを救ってやらなければならないと思うタイプ。


興味深かったのは、相手はこれまでの人生において、自身が厳しい環境にいたり、そういう環境にいたりする人に接したりした経験があるということ。それがあるからこそ、他人に優しく出来て、寄り添うことが出来るのだと思った。

一方で自分は、幸か不幸か、厳しい環境にいたという感覚があまり無いし、そういう経験をしたという人との関係もほとんど無い。いじめたり、いじめられたりしたことは無い。ヤンチャではなく真面目なタイプ。頑張ったら、サッカーでレギュラーになれたり、駅伝の選手に選抜されたり、マラソン大会で1位になったり、県で一番の高校に入れたり、トビタテに受かったりできた。

有難いことに、努力に対して結果が高確率で付いてきてくれた人生だったので、それが自分の考え方の基準になってしまい、周りの人達に対しては「努力すれば良いのに…」と思ってしまうのだろう。

自分が経験してこなかったことを経験している相手だったので、その人が言うことに対して、”文字”としては理解できるけど、完全に腑に落ちて理解することは不可能だと思った。腑に落ちる瞬間というのは、自分が相手と同じように、厳しい環境に身を置いたり、そういう人と接したりする時だと思う。

だからこそ、自分は会話の最中に「分かる」という言葉は言わないようにした。相手はそういうのを乗り越えて今があるわけで、それを経験してない自分が安易に「分かる」と言うことは、相手への敬意を欠いた冒涜行為だと思ったので。聞いてるということを示す、”頷き”を自分は繰り返した。


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これから行われるAusbildungで、BFDのセミナーのような出来事は起こり得る。ジョージアとウクライナのような悪い事例も、一匹狼の人と組んだ良い事例も、可能性はある。

週に3日は学校に通って授業を受ける。そこで、PiA-Ausbildungをしてる人達とクラスメイトになる。言ってしまえば、学校生活をもう一度体験するのである。

PiA-Ausbildungをご卒業されたカピバラさんによると、授業は結構グループワークが多いし、生徒の中には若いが故に、意識が低い人もいたらしい。

クラスのメンバーについては完全に運なので、蓋を開けて見なければどうしようもない。ただ、自分には、上記の失敗体験と成功体験が深く刻み込まれているので、それを頼りに、自分の立ち回りを直感的に決めていけたらなと思う。

本音を言えば、自分の目指すゴールはAusbildungの卒業なので、人間関係どうのこうのよりも、それをねじ伏せる圧倒的な実力を身につけて、自力で目標を達成出来たら最高だなと思う。


<おまけ:対談で共感した部分の切り抜き>



今の自分は「たけし」タイプの考え方です…

太字にしたり、大見出しにしたりして、共感の度合いを表現してます…


4:47~


たけし:ガキはガキでくたばってしまえって思うけどね。別に救う必要は無いし。暴力団になるのは構わないし。だけど、俺の生活を脅かすなら戦いますけどね。他人がやってるのは構わない気がする。暴走族がうるさいなら、窓を閉めろって話で。あいつら走ってるうちに死んじゃうんじゃないかって…

談志:そこが違うんだ。俺は、暴走族というのはね、あれを好きでやってるわけじゃないと思うんだよね。もっと良いものがあれば、もっと良い所に行くよね。生き甲斐が無いから。彼らの生き甲斐とか、悩みとかってのを解決してやる必要がある。なぜ落語家が言う必要があるんだって言うけどね、俺にはあるような気がするんだよな。あなたにもあるような気がするんだ。

たけし:でも、暴走族は走ってる時、イキイキしてますよ!

談志:してない!

たけし:奴等は人が集まったりしてね、そうやって走ってる自分が楽しくてしょうがない。ただの単なる目立ちたがり屋じゃねえかなって思う。

談志:してない!してないハズだ!

たけし:あ、そうすかね…

談志:すげぇ寂しいはずだ。だって、1日中走ってなんていられないでしょ。飯も食わなければならない、クソもしなければならない、センズリもかかなければならないでしょ。その時にどうするの、彼らは?彼らは非常にブルーな目をしていると、俺は思うな。

たけし:

気が付く奴はちゃんと勉強して、どうにか出世しようと思うんじゃないですか?


談志:思わない!

たけし:

だから、その気付かないって奴は要するに、遅れた奴でね、そいつらを俺が、僕たちが「早く気が付け!」って言っても、気が付かない奴は気が付かない。


談志:気が付かないって切り捨てちゃうのが、戸塚ヨットスクールと同じ発想なんだよ。そうじゃなくて、こっち側にいてね、そのブルーさを救ってやるね、「それは神様がやることであって、談志がやることじゃない、たけしがやることじゃない」って言うかもしれないけどね、俺はそこを救わなければいけないんじゃないかって気がするんだよな。

たけし:ただ、俺がいつもよく言ってるのは、(省略…)、全部に対して平等だと思ってる。暴走族になるのも構わないし、ただ、そいつらが俺に比べて、どう言ったらいいか分からないけど、全部平等だと思ってますよ、僕は。だから僕は暴走族を救ってやる必要、救う、救わないってのは、当然そのままいってもいいし、俺は俺だし。でもそれは、どっちが上か下か、ブルーかブルーじゃないかということではないんじゃないかと思うね。


9:39~ 


たけし:まぁ、だから、師匠が救うって言ってるんだけど…

談志:このラジオを聞いている人達はね、あなた意識が無いかもしれないけど、あなたによって救われようとしてるんだぞ。

たけし:

う~ん、俺はね、自分の人生は自分でやっていくべきであってね。それは、人間で生きてきてモノを考えない奴はいないわけで。

どんなことをやっても考えていくわけね。暴走族の子だって、俺は構わない。だけども、捕まる覚悟はあるんだろうし。

談志:いや、自分の人生を自分でやるってのはその通りだし、あなたはね発展途上国にいたからね、自分で色々と苦労したし、売れなかった頃もあったし、自分の意見が通らない時もあったからこそ、そう言ってるんで。そうじゃないところから生まれてきた人間にね、その通りなんだよ、理屈は自分でやらなきゃしょうがないんだけど、それは彼らにとってね、ダメだということがしみじみと分かったの。それは甘やかすということになるかもしれないけどね。甘やかすとはちょっと違うような気がする。


11:00~ 


談志:だから、たけしはさんざんぱらストレス解消はやったよな。ストレス解消をやったけど、今度は救わなければいかんぞ。

たけし:俺はずっと最近はよく本なんかにも書くんだけど、生まれながらに不幸な奴っているでしょ。貧乏な家に生まれてさ…親が死んじゃったり、病気でくたばったりする奴がいるでしょ。その人に対しておいら達が何をしてやってるかっていったら、何もする必要はなくて、出来ることも無いでしょ。要するに、精神的においらが納得する方法を見つけないといけないわけでしょ、その子を見た時に。そしたら神もクソもないでしょ。

談志:そんなことない!神が決めることだよ、それは。

たけし:神…だけど、現実に生きてるのは人間だしね。例えば、神を信仰しようというのは構わんですよ、精神的に安定すれば。要するに、精神的安定、現実的に金の無い奴に神様が金をくれるわけないんだから。

談志:それは違う。それはね、日本人の発想とね西洋人の発想が違うわけ。西洋人にとって神は永遠のものなの。神がたけしも日本放送も全部作ってくれたわけ。幸せをたけしにやったと。で、きよしにやらなかったとすると。で、きよしがね怒っちゃいけないの。日本は怒るの。神も仏も無いって。叶わぬ時の神頼みだから。そうするときよしは、神との永遠の契約を果たす為に、どれだけ努力するか。「神、これでもまだ、たけしと一緒にしてくれないんですか」と。悶えながら、神に感謝して死んでいくのが、向こうの発想なんだよ。

たけし:俺にとってはそういうことじゃなくて、例えば、生まれて2年で死んだ奴と80いくつで死んだ奴の幸せ度は同じだと思ってる。絶対に。2年間に凝縮されてるから。

談志:それは、神様の存在を信じる会話になるね。

たけし:ううん、だから、それは、そうでなければ自分はそういう人達を見た時に納得できないっていうね。でもそれは、俺自身の意見であって…

談志:ただね、私が言いたい一件というのはね、(省略。出来の悪い弟子がいたという話)、俺はそいつを救えなかった。俺は教育者じゃないからね、切っても構わないけど。でも、何か残るんだよ。何か救わなきゃいけないんじゃないかっていう。芸人風情がって言うかもしれないけど、それは違うね。俺はねあなたにもね神が与えたね、まだあなたは気付いてないかもしれないけどね、与えたはずだよ。こうやってね、躁状態でね、バーッとしてストレス発散だけじゃない時がね、絶対にたけしには来る。

たけし:俺はいつも鬱ですよ、当然。おれは50:50というか、確実に考えてるから、仕事が上手くいけば何か違う事がっていう、とにかく裏は覚悟して生きてるところはありますよね。


14:45~ 


談志:そりゃ、あんた救えないよ!ブルーになっちゃって、暴走族みたいにバーッてやってる奴はいいよ。本当に、だって、東大を出て、最高学府を出て、何になる?なんにもない。経済的に全部保証されてるところで、どうすんの子ども達は?どうすんのよ?大きなお世話だって言うの?

たけし:

なんか探せって言いますよね、俺ならね。だって、現実で生きてるのはてめえだもの。うん、だって、自分でモノを見るんだもの。「オイ、こういう風に見ろ」ってのはいかんでしょ。コッチで指導する奴の目玉に色付けるのはいかんでしょ。


談志:あなたの発想でいくと、国は滅びるよな。

たけし:まぁ、最終的には滅びても構わないとは思うけど。

談志:俺も滅びても構わないけど。

たけし:しょうがないもの。滅びるっていうか、滅びる前に人間は図々しいから、ちゃんと考えると思うけどね。だから、行くとこまで行ってないんですよ、たぶん。

談志:その手前でガタガタしてるってことね

たけし:その手前でね、ごく一般の危機感のない人達は分からないですもの。だけども、実際は国を動かすのは危機感のない人達ですから。絶対に。危機感が無いから動かしてるわけで。で、動かしてる奴が気付く時が、遅いか早いかは分からないけども、そういう時代はまだ先に来るんじゃないかっていう…

談志:だけどね、そこに行く前に、少なくとも我々は人生の先輩なんだから、後輩たちにね、いくらかのアドバイスをしてやる義務があると思うんだ。そのアドバイスをあなたは「する必要が無い。自分で分かるから。」って言うけどね、アドバイスの必要性はあると思うんだ、俺はね。ただそのアドバイスの仕方がね、今までは戸塚ヨットスクールと同じように、「テメェら、この野郎!こん畜生!俺らは昔、新聞でケツ拭いたんだ、馬鹿。テメェも拭いてみろ、この痛さが分かるから!」と。その発想では、困るんだな。向こう側に行ってやらねぇと行けねぇんだ。で、誰も行けねぇんだよな。向こうへ。


29:33


たけし:救ってないですかね?

談志:若い人を救ってないな、たけしは。ストレスの解消だけでは本当に救ってはないね。

たけし:俺はね、奴らはね、異常にシビアなんじゃないかなって気がするんだよね。やってることには。ちゃんと覚悟してるんじゃないかなって気がする。

談志:してないね。

たけし:親父の頭を殴るのも覚悟してんじゃないかなって。そうでもないんですかね?

談志:してないね。やっぱりね、戸塚ヨットスクールにね、求めていくね子ども達をね、戸塚ヨットスクールを”右”としたら、左側にいて、救ってやらないといけない。

たけし:でも、あそこに入れる親が親だって感じはしますけどね。

談志:そうさ。親が馬鹿なんだもん。


31:40~


談志:だから、メディアの問題なんだ。メディアを持ってるんだよ、たけしは。だから、こういう番組をやってるのは、まぁ良くはないけど、悪いとも言いにくいけどね、やっぱり、どこかで救って、ストレス解消だけでなく、救わなきゃいけないって、神様があなたに与えてるのに、あなたはまだ気づてないんだ。

たけし:

救いようがねぇって気がするんだよな…


談志:そんなことないよ!救えるよ!救いようがないけどね、

救うための努力をしないといけないよ。

たけし:ただ、幸せだって気はしますけどね、今の子ども。

談志:幸せじゃない、冗談言うなよ!不幸だよ!なんで、幸せだって言えるの?

たけし:だって、親の頭殴れるんだもの。

談志:殴れるって、好きで殴ってるわけないじゃないか。

たけし:絶対好きで殴ってるって思いますけどね、俺は

談志:違うよ。好きで殴ってんじゃないよ。その証拠にね、これしか方法がないからやってるんですよ。あんた本当に親の頭を殴るのが好きだと思う?

たけし:いや、だって、悪い事をするのは中学までってハッキリ言うんだもの、今の子ども達は。高校になったらそんなバカなこと出来ませんよって。(省略)

談志:それが本当ならね、俺は安心していられるけどね。

たけし:全部そうですよ。だから、俺はそれが汚いって。逆に言えば。犯しても法律で処罰されない年代を分かっててやってて、処罰される年齢になったらパタッと止められる奴だから。ちゃんと計算してる奴らは、今いっぱいいるから。

談志:(省略)。本当にブルーになってる連中にね、そういう連中がいるってことは把握するでしょ?

たけし:そりゃ、いますよ。だけれども、そのブルーな、本当にブルーになってしまっている奴を、救うということがね…

談志:救えっこないよ

たけし:

それは自ずと本人の中から出てくるモノを期待しないといけないんじゃないかなっていう…

でも、それは、カンフル剤を打とうとは思いますけどね。

談志:カンフル剤を打ってないじゃないか。あなたはカンフル剤を打ってないんだよ。

たけし:そうですかね…

談志:ストレス解消だけなんだよ。打たないといけないんだよ。神様があなたにね、だからね、俺はねあなたを買いね、あなたを尊敬してね、あなたを後押ししてるんだから。絶対にね、救わないといけないな。それは笑いの内でも良いよ。コーマンを連発しながらでも良いよ。でも、救わなきゃいけないな。救う姿勢が、これは、政治家にもできなければ、論理家にもできなければ、文学者にもできない。誰もやってないのよ。それをやる努力をするところに、俺たちの生き甲斐というかな。俺たちだけじゃないの?こっち側の奴が分かるの。こっち側というか、ブルーになっちゃう奴の了見が分かるの。「ブルーになるのはバカだ」って言うのは簡単よ。炭酸飲料を飲み合いっこして、ゲップを我慢して死んじゃうのが馬鹿だというのは簡単よ。金属バットで殴る奴はバカなんだと。礼儀を知らないし、何にも知らないんだって言うのは簡単よ。だけど、俺には分からないけどね、彼らは好きで殴ってるのではなければ、まんざらでも馬鹿ではない。永山則夫の書いた文章なんてちゃんとしてるでしょ。そういう奴等の所に行って、誰も救ってはやらない。「社会のひずみだ」とか「はみ出し者だ」っていうだけの評価じゃないですか。絶対に救ってやんなきゃいけないよ。俺は救えないよ、今のとこ。救えないけども、救わなきゃいけないっていうことだけは思ってるということね。それを皆はたけしに頼んでんだよ。

たけし:救いね…救うってどういう風にしてあげれば良いのかっていう…

談志:わかんないよ。分かるわけない。分かるわけないけどね、あなたはね、救わないといけないというね、与えられたんだよ。だから、あなたに神様が与えたんだよ。俺はキリスト教でも何でもないよ。創価学会でもない。でも神様があなたに与えた、神様はあなたのメディアを確立したのよ。「たけしが言うなら聞く」ってメディアを確立させてくれたの、神様が。あなたの才能もあるけど、神様が決めてくれたんだぞ。

たけし:俺の言う事だれも聞かんでしょ~

談志:ふざけちゃいけないよ。全部聞くじゃないか。俺の言う事聞かなくても、たけしの言うことは聞くじゃないか。

たけし:聞いてないですよ

談志:そんなこと言うなよ、冗談言っちゃいかんよ。

たけし:俺はこの時間帯はテレビゲームと思ってるんじゃないかなって思いますけどね

談志:違う。思ったとしたら、それはあなたの傲慢であり、怠惰だよ。皆あなたに救いを求めてるから来てるんだぞ。だてに面白いからってたけしの所に来てるわけじゃないんだぞ。

たけし:でも、やることはやってますけどね

談志:それは逃げか?コマーシャルか?

たけし:いや~、そうじゃないけど…まぁ~、コマーシャル行きましょうか


36:23~


たけし:今日はすっかり説教が熱くなって…すっかり良い小言をくらっちゃいましたけども…まぁ、師匠だからね、頭下げちゃうけど、他の奴が言ったらただじゃおかないぞってね。帰った後でめちゃくちゃに言っちゃうんだけどね。師匠だから、まあね。

談志:俺だからじゃなくて、本当のことを言ってるからだと思うよ。

たけし:わかりました。斜になっちゃって。嫌だな~、サラ金の取り立てみたいな感じになっちゃって…もう動かないって感じで、弱っちゃうな~


<コメントで好きだなと思ったもの>


たけしさんはどちらかというと現実的で合理的主義。「他人を救う必要はない」 とか「無駄なことをしたってしょうがない」とか、現代の考えを先読みしていたんだと思う。

対して談志師匠は無駄なことだと分かっていても未来を見据えて行動してる気がする。義理人情というか人間味がある。

どっちが正しいとかじゃないんだろうけど、確かにたけしさんの考えが広まって浸透してる今の世の中、色んな分野が崩壊しつつあるのは事実。

談志さんが帰った後、たけしさんは「自分が成功するって事はその裏で誰かがコケるって事だからね?」と言い、「まぁ、頑張ってちょうだい!」と若者達にエールを送った形で

たけしが甲本ヒロトに嫉妬してるのは、談志の言ってる救いの部分なんだろうなぁ

しかし、談志は、真面目だねえ。「救わなきゃいけない、救おうとしろ。」手塚治虫に心酔してた人だからね。

私はビート氏の考えに傾倒します。他人を救う、とか教育する事なぞ誰にも出来ない。所詮人は誰でも自分ファーストで自分の考えが正しいと思っている。教えられている振りはしますが。 ビート氏は自分の生きざまを貫いて、それに影響されて救われようがそうでなかろが自分は関係ないという考え。 しかし、談志氏に救われる人がいるように、ビート氏に救われる人がいることに変わりはない。

たけしから言わせれば、犯罪まみれの不良を軍団にしてバーターとして使った事によって自分も成功したし、軍団のメンバーも更正させたという自負があるかもしれないから談志に救えと言われると、俺なりにTVで笑いを届けてるし、救えてる事もあるだろって言いたいだろうな。

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