0806|小さなお店|その2
ずっと理想のお店を描いていたわけでもなかったし、毎日それに向けてコツコツ努力してたわけでもなかった。
だから結局ワンチャン、ワンシーズンやったやん、辛口なひとは指摘するだろう。それでも実現できないことは思いもつかない、ってのは本当なのかもしれない。
10月、奥多摩の山々を72km, 24時間以内にゴールする大会に出た。一度だけなんとか制限時間ギリギリにゴールしたことがあって、タイムはそのときよりも遅れていた。とりあえず山道を昼夜走って、というより歩いてw思い切り気持ち良く身体を動かして全部やりきった、というところで途中リタイアした。
山を降りるとき、もう、この冬から信州に移ろう、あるいは移るんだな、という想いと体感がふと、あらわれた。
スタート・ゴール地点に戻るとイラストレーターの宇田川一美さんにバッタリお会いした。
学生時代からファンでお仕事お願いしたこともある版画家イラストレーターの宇田川新聞さんのお姉さん。
トレイルランニングをされていて、その日はお友達の応援に来ていた。近況を話して「このあと信州移住を考えている」と話すと紹介されたのが、そのあとすぐゴールしてきた長野市在住の女性。なのになぜか東京・新代田の美容師さんが一緒。2021春から家なき子のわたしにお部屋を貸してくださっているオーナー。
わたしの話は逸れがちで脱線が多い。
レース後、無事ゴールした仲間たちと温泉に入って青梅線〜横浜線で帰る「冬から長野の方行こうと思って、なんか面白い仕事ないかなぁ」当時住んでいた鎌倉に戻り、御成のスタバに寄ると友人に会った。「信州に行くって決めたんだ」
翌日くらいに岡山の友人の結婚パーティーのことで奈良の友人に電話した。「冬から信州の方に行こうと思うけどなんか面白い仕事ないかなぁ」「原さんたちが何かカフェやるとかって見たけど」
話をきいてみると、白馬でペンションをやっている友人夫妻。
その冬だけ小さなカフェをスキー場近くでオープンすることになったという。朝昼は自分たちと神戸からお母さんが来て営業する。夜の時間帯が空いているから誰かやらないか、ってことだった。
やった!面白そうなん、来た!
少しして、お姉さんに会いました〜と新聞さんに連絡して久しぶりに会うことになった。レースのあとの一連の意外な展開を話すと「わたし、お店のロゴつくるよー!」
たくさんのロゴやカードをつくってくださった(つづく)