最近のバイブレーションズ4 トンコリ それがいいんだ
北海道から来た、アラヤタツロウさんのライブに行ってきた(タイトル写真の方)。
アラタツさんは、トンコリ弾き語り奏者(友人がアラタツさんと呼んでいたのでわたしもそう呼ばさせてもらう)。
トンコリ、とはOKIさんが代表的な奏者として知られるアイヌの弦楽器。アラタツさんは元々、ギターを携えてパンクバンドをやっていたこともあったそう。ある日出会った、あるトンコリ職人さんが作られたトンコリに惹かれ、いつか弾きたい、手にしたいと伝えたそうだ。
2018年9月6日(わたしの誕生日でもある)に、北海道でのちに胆振東部地震と呼ばれる大きな地震があって、アラタツさん一家も被災された。そのとき、くだんのトンコリ職人さんから「被災地支援」と渡されたのがトンコリだったそうだ。
それから一年間練習したのち「全道トンコリ大会」に和人(アイヌでない)として初めて優勝した…この話はライブのMCでうかがった。
(ちなみに、ゴングの水谷さんもゴングの自分がしっくりくる演奏法を見つけるのに一年かかった、と話していた)
トンコリは5弦で、あまり大きな音は出ない。けれど、その繊細な音色(アンプは使う)に、アラタツさんの声がまたいい。
そして、歌詞のある歌もいいのだけど、シャウトやことばのない声になんだか惹かれたのだった。ことば以前の、アラタツさんの純粋なおもいや人柄そのものが、その声にあふれているような気がして。と書いているこれは後付けで考えたことかもしれない。ただその発された声、音の響きに、やられちまった。
実は、細身でアレルギー体質のアラタツさん。食品添加物等に敏感で、食べられるもの、食べられないものがはっきりしていて調味料は塩のみ。普通のお肉は食べられないけど、ジビエは大丈夫なのだそう。
つい先日、プラントベーストという食事のことをnoteに書いた。そこには書かなかったけれど、そういう食事をしている何人かは、独特の感性や何かすっきりした感じを持っているように、わたしは感じている。
アラタツさんもまた、自分の持って生まれた純粋さそのままで生きるトンコリの歌い手として、そのような敏感な感覚を食べ物からも磨きあげているのかもしれない。食べものや摂るものもまた、わたしたちのからだに響き、振動となるだろうから。
ライブの最後に歌ってくれた「それがいいんだ」という曲。
歌詞のインパクトにメロディは忘れてしまったけれど「そう、それがいいんだ!」
ここまで全4回。
最近は、こんな響き、バイブレーション、空気感を味わっている…を続けて書いてみた。
それがいいんだ!
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