菊花仙人
菊づくり
菊の種類
大菊:厚物、管物、厚走り
古典菊:嵯峨菊、江戸菊、丁字菊、伊勢菊、肥後菊
小菊:小菊(山菊)スプレー菊、ポットマム、食用菊
大菊
厚物(あつもの)・・・大菊の代表種、数百枚の花弁が重なり合い盛り上がって咲いている。手まりのような花形。国華金山、国華越山
管物(くだもの)・・花弁が管状でかんざしが開いたように咲く。太管、細管など
古典菊(こてんぎく)・・・それぞれの地方で古い時代から栽培されてきた菊。嵯峨、伊勢、肥後菊は古典三菊とも言われている。
嵯峨菊・・・京都大覚寺に伝わる菊で嵯峨天皇のご高覧に供したといわれている。ほうき状の花形。
江戸菊・・・江戸時代後期に江戸で盛んに栽培された。狂い咲きとも呼ばれ渦巻き、折れ曲がりなど様々に変化する。
小菊
花色、花形、成育の特徴から多彩で種類が多い。盆栽、懸崖、菊人形など
食用菊・・・苦味があり歯ごたえがよい。「もってのほか」の料理名。
菊の仕立て方
盆養、ダルマ、福助、懸崖、小菊盆栽
盆養三本立て・・・・大菊栽培の基本の仕立て方。1本の苗の芽先を摘芯して出てきた脇芽3本を伸ばし茎を三方向に支柱に沿って誘引して天・地・人
の高さに差をつけて巨大花(直径15~2㎝)を三輪咲かせる。
ダルマ・・小型(背丈が60㎝以下)の三本立てに仕立てる。矮化剤(ビーナイン)を使用して60㎝以下に背丈の成長を止める。全体に丸みがありダルマのような形となる。
福助・・・・ダルマ同様に矮化剤を使用して背丈を40㎝以下に仕立てる。花を大きく咲かせて頭でっかちな福助人形に似ていることからこの名前がついた。
懸崖・・・・渓谷の断崖から垂れ下がった大木や滝を模した仕立て方。小菊の主枝を斜めに伸ばし摘芯を繰り返して小枝を多く出して紡錘形の枝棚に仕立てる。花が枝棚に一斉に均一に咲かせるのがコツ。
小菊盆栽・・・小菊を樹木の盆栽のように摘芯を繰り返しながら枝振りを作っていく。岩をつけるなど様々な樹形にして一斉に開花させて仕立てる。
菊づくり10ヶ月
春先の挿し芽(4~5月上旬)
5~6㎝の古株から出た新芽を挿し芽床に発根剤を切り口に塗付けて挿し芽する。
ポット上げ(挿し芽して3週間)
以下は、今後の作業の進み具合により記事を更新していく。
今後のスケジュール
5月下~6月上・・・・小鉢上げ(5号鉢へ移植)
6月下~7月中旬・・・大鉢上げ(8号鉢に移植)支柱取り付け。インバインド(支柱補強)取り付け、病害虫対策(予防、駆除などの消毒)
8月・・・・暑さ対策、水を毎日たっぷり与える。追肥
9月・・・・花芽が出始める。つぼみがふくらむ。害虫対策
10月・・・・つぼみの選定。花が咲き始める。花受けの輪台取り付け。日光に向け鉢回し。花の手入れ
10月下~11月・・・・菊花展
小鉢上げ
(5号鉢に植え替え)(6月下~7月中旬)
今までは無肥料で育てましたが、5号鉢に植え替えには、肥料を与え生育を促進します。
植え替えした後は、次の作業のため4日から1週間内に苗の先端の新芽をピンセットで摘まみます。(摘芯という)これは、三本立て盆養に仕立てるための大事な作業です。摘芯したところに成長抑制剤ビーナイン400倍をスプレーで1度シュッと散布します。苗の背丈が余り伸びないためのものです。その代わりに茎や葉が大きくなります。
大鉢(8号鉢)への植え替え(7月~8月)
三本立て盆養は、一本の茎から出た芽の先を摘芯(切り取って)新芽が出たら三本の枝分かれをして天・地・人の三本の枝から花を咲かせます。
三本の枝が15㎝ほどになったら大鉢に植え替えます。鉢に支柱を立ててそれぞれの枝を支柱に添わせます。この場合三本がなるべく直角に支柱に添わせるために枝と針金をビニールテープで巻き付けて支柱に向かって曲げていきます。これは非常に神経のいる作業ですので一気にやらずに時間を掛けてゆっくりと枝を折らずに曲げて行きます。
蕾が出始める
9月には花芽が出始める。今年は、6月から暑さが続きアブラムシが毎日のように発生し殺虫剤の効き目が余りない。
秋を知らせるために夜の時間を長くして昼の時間を短くするため夕方4~5時に遮光ネット又はとんがり帽子で暗くして夜にします。花芽の発生を促して蕾の出を早めます。
蕾の選び方
10月初めには蕾がふくらみ1円玉大になるまで脇から出ている蕾は残しておきます。本蕾が虫に食われたり、傷つけたり不運にも折れたりしたときの予備として脇蕾を予備として切らずに残しておきます。本蕾が1円玉大となったら脇蕾を切り取ります。
輪台付け
蕾が500円玉大になり花びらが出始めたら花受けの輪台を取り付けます。
菊花展
11月初めに満開となりますので菊花展出展の準備をします。天地人の高さ等のバランスよく整えて種目、花名、自分の氏名(氏名部分が隠れるようにゼムクリップでとめる)の名札をインバイドにくくりつけます。