Webサイトのデザインをするときに何を考えるべきか?

忘備録的にというかこれまでの経験則上色々と考えることがある、というかすでに「何から」という何か1つからのスタートではなくて複数の思考やタスクがマラソンランナーのように一斉にスタートするような感じになるだろうしこの順番や1回づつではなく行きつ戻りつプロセスを縦断しつつ何度も同じタスクや視点を思考するんだけど、重要なポイントを思い出しながら書いておくことにする。ちなみにここでいうデザインとは意匠的な意味合いの強いデザイン(PhotoshopのHowtoとか色の組み合わせとかじゃなく)デザインとしてのデザインである。

ユーザーの視点
絶対に忘れてはならないのは、ユーザーの視点である。それはペルソナであるときもあるしヒーロー像であるときもあるし、趣味嗜好等のクラスターであるときもあるが、ユーザー視点を定義することが重要。そして、その視点を徹底的に自分の中にインストールして、そのユーザーになりきること。自分がデザインするこのWebサイトをいつ使うのか?どこでどのようにして使うのか?それはどのような気持ちや考えのときなのか?また、このユーザーは、生活者やビジネスマン、つまり自社外の対象者だけではない、ということを忘れてはならない。企業側にもこのWebサイトを使うユーザーはいるということである。例えばセールスやサポートは、特に意識すべきである。

企業側の視点
忘れがちなのが企業側の視点である。忘れがちというかユーザーだけを考えてしまうという意味で。例えユーザーにとって非常に有益なWebサイトができたとしても、出来もしないアイディアや、オペレーションやコストの面で企業にとって不利益であればサスティナブルとはいえないしそもそも継続できない。企業としての想いやメッセージ、譲れないところや運用における体制・コスト面をしっかりと捉えた上で、デザインをすすめることが必要である。

解決したい課題と目的
そもそものところで、解決したい課題や目的を定義する必要がある。今の時代は無いだろうけど、昔は「リニューアルしたいから」「古いから」というだけで、表層的なリニューアルの要望が来ていたし、僕も何も知らなかったそして深く考えることはなく、そのまま表層的なリニューアルをしていたことがある。それは間違いだと今ならはっきり言えるし、それはクライアントが間違っているのではなく、受ける側(つまり僕)が間違っているのである。どこが間違っているか?クライアントの要望を深堀りしなかったことであり、その先にある本来の目的を知ろうとしなかったことである。デザインはその本質を現す。クライアントから要望が来たということは、本質的な何らかのニーズがあるということである。その本質を明らかにして共有し共感することでデザインが生まれるのであるから、上っ面だけをきれいにしたところでクライアントは一時的には満足するかもしれないが本質的な満足は得られず、社会にとっても良いこともない。

サイトコンセプト
サイトがどうあるべきなのか?サイトの存在理由とステークホルダーにおける(主にデジタル上での)役割を、可視化・言語化する。サイト設計・構築で考えるべきことの指針となるクライテリアと、そのサイトがどう在るべきなのか=存在意義を問うた結果のサイトコンセプトを立てる。具体的には、コンテンツの内容や様式、方向性、意匠的な意味の強いあしらい、ラベリング、グルーピング、情報設計、サイトトーン等のすべてに対するフィードバックをそのコンセプトからもらうメンター的・象徴的な役割として定義する。

サイト体験フロー(サイトエクスペリエンスフロー)
ユーザーがサイト上で享受すべき最適な体験、そのステップやフローがどのようなものであるべきなのか、の定義を可視化・言語化する。その可視化・言語化されたものに沿って、コンテンツ、テキスト、ラベリング、グルーピング、情報設計、導線、サイトトーンを考えていく、コンセプトに近いようでは有るがより具体的でユーザーの体験や感情面(「かぎかっこ」での発想など)を意識しフロー化された、よりサイト設計をイメージしやすいものである。

想像力
”プロセスの中で”これが一番重要に扱うものであるかもしれないと個人的には思っているところであるしいくらかの人は首肯してくれるのではないかと思っているが、つまり自分が作りたいウェブサイトによってもしくはそれ自体が何を実現したいか?を考えることである。妄想とは有る種のネガティブな例えば出来もしないこと、仮想的逃走の場もしくはそれを実現せしめることというような感じであまりポジティブな感じではない捉えかたもされるがそうではなくて、想像=シャウエッセンをお腹いっぱい食べたいなとかあの女性とランデブーできたらな、とか、とてもレベルを低く例えるとそういうことではあるが、つまり実現可能性を高くしてかつそれが自身もしくはステークホルダーにとってより良いものになる強く実現したいと思うアイディアのことである。こんな例えをしていて恐縮ではあるが、鳥のうんこをみて「鳥のうんこだ」vs「鳥のうんこは何色でなぜここに落ちていて何のメッセージ性があるんだろう」と考えるような感じで想像力にも非常にレベル(という言い方は誤解が生じるかもしれないがほんとに)の高い低いがあるのではないかと思っている。ただし鳥のうんこをみてメッセージ性まで考えるようになるとある種の生きづらさを感じるかもしれない。とはいえ、想像力を高めるというのはそういうことであるのではないか?とも思っていて、常の思考がアウトプットに大きな影響を及ぼすのである。ユーザー視点や企業視点などは非常に重要に取り扱うべき対象ではあるが、それを表層的な事象をそのままつまり言いなりになったままのものを形にするのはデザイナーとは言えないし、そもそも存在意義がはない。そうではなくて、大事で重要な結晶を集めてそれをより光り輝く宝石へと昇華させるように、その中から普通の人では見えないものを見て感じ取ってアウトプットするのがデザイナーである。鳥のうんこをみて鳥のうんこだと思っているだけでは見えないものを見ることも感じ取ることもできないのであり普段からどのように訓練しておくかまたアウトプットをどれだけ行うかが重要である。

サイトの役割
今までの中で書いたかもしれないが忘れたので抜き出して書いておく。ユーザーニーズや企業/ビジネス視点での達成基準、デザインコンセプトと同時にサイトの役割を定義することが重要である。そのサイトがカタログ(高度な)的な製品や商品・サービスに関連する情報をユーザーが効率的に取得もしくは消費することができることが役割なのか、プロモーティブにユーザーの感情を動かし行動を起こす/起こしてもらうことが役割なのか、サービスサイトとして金銭やインセンティブの移動を担うことが役割なのか。これは本質的なところとして特にコンセプトとアウトプットを接続するとき重要に取り扱うべき項目である。また、役割については、ユーザーにとっての役割と企業側(視点)での役割の両方から考える必要があることも忘れずにおきたい。

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