時間の無い世界。未来志向のクリエイティビティ
短く。「時間は存在しない:カルロ・ロヴェッリ」を読んで、インスピレーションを得て、今考えてること。
「未来」を、連続的な変化の結果としての現在と捉えると、わかりやすい。
つまり「未来志向」とは、どのような大きな変化を起こしたいか、という現在との比較的大きな差異を想像し表明した上で、それを埋めていくための細分化された変化とその差異を設計し、実現していく。これこそが「未来志向」である。
例えば。
A地点からB地点までの任意の移動において、体や命の危険を感じることなく、一瞬で移動できる世界。
現状、実質的に一瞬で移動できる世界、例えばテレポートやどこでもドアのようなものは存在しない世界であるので、現在との比較的大きな差異がある世界である。つまりこれが我々が考える、大きな変化である。
その一瞬で移動できる世界が実現するまでに必要な変化、テクノロジー、法律、文化、思想、プロダクト、人、コミュニティ、自然共存、歴史、継承、など、様々な分野において、そこに至るまでに必要な数々のストーリー、これが小さな変化である。
大きな変化、これが大きければ大きいほど、小さな変化の値・数は大きくなると考える。
ちなみに、大きな変化をどのように大きいと定義するのか、は僕の中でまだ答えを持っていないので、あくまで概念的な想像、また視点及びパースペクティブにより変動が発生する要素である。つまり、ある人やある変化の地点から見たとき、それぞれにおいてその変化の値は大なり小なり変動が発生する、という考え方である。
そして、「現在との比較的大きな差異の想像」と「それを埋めていくための細分化された変化とその差異の設計」の発想こそが創造力=クリエイティビティそのものである。つまりは、その設計と、その設計したことを目指していくのが、がクリエイティブデザインであり、クリエイティビティそのものである。
変化が起こった先である現在と、まだ起こっていない変化の結果としての現在=つまり未来が同時にある。
ということは、変化が起こった、いわゆる「過去」からの変化から「未来」への変遷は、時間が流れているというわけではなく、変化自体が重要なポイントであり、その変化に対する望ましい相互作用こそがクリエイティビティである。つまり、クリエイティビティはセオリーとしての能力だけではなく、作用が前提となるものであり、作用そのものであり、変化のジョイントでもある。
この作用としてのクリエイティビティにおける「変化」「継承」が重要なテーマだと考えているが、もう少し深める必要がある。