大人の事情に負けないクリエイター魂たちに触れに行く。
「そんな手があったのか!」
ゼロから無限大を生み出すクリエイターたちが集結。
「西宮クリエイターズリスト展」(商工会議所主催商談会)
かつて谷崎潤一郎が「細雪」で悦に入り、そして今では世界文学の一翼を担う両巨頭、少年村上春樹が猫を棄て、小川洋子が住民税を払い続ける。世界から「涼宮ハルヒ」聖地巡礼客があとを絶たず、このところは芥川賞作家を毎年輩出する始末。
そんな文学都市兵庫県西宮・芦屋なのだから、クリエイターなるものが大量に巣くっているはず、それでも先立つものがなければクリエイトできんやろとばかり、彼らのパトロン、失礼、ビジネスパートナーを引き合わせる、つまりマッチングですな、この意欲に燃えた西宮商工会議所が尽力して開催された商談会が「西宮クリエイターズリスト展」。このリストってリアルな人間のこと。
彼岸には終わるはずの暑気、会場内でも落ち着くどころか、真夏に逆戻りの盛況ぶり。それでも冷房のせいではなくそんな暑さなど忘れてしまうほどの互いのニンゲン探り合いの、これが楽しい丁々発止。
やはり人はモノにカネを払うのではなく、人間にカネを払うのだ。
画面やメールだけでなく、ナマで語り合うことのなんとも言えぬこのワクワク。ビジネスを忘れさせさえするが、むしろそれがオシゴトに繋がる。
やり手営業トークの頼もしさもいいけれど、ここでは朴訥なアーティストのほうがはたして好まれる。
まだ棄てきれない自分の中の無垢な「猫」。この大切なものが決して大人の事情に負けてはいない。誰しも密かにそれを確かめていたいのだ。
そんなクリエイター魂が飛び交う魅惑の異空間でした。