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【エッセイ】造形大学ゲスト講義

母校の東京造形大学へゲスト講義を行いに伺いました。
私の論文の師匠、藤井匡先生の大学院の授業のゲストです。



藤井先生から依頼を受けた時に言われたのは、「自作を通して何かを論じること」について話して欲しいということでした。

話を伺った時、これはけっこう難しいテーマだなと思いました。
テーマに答えるように話すのが難しいと思った訳ではありません。「自作を通して何かを論じること」そのものが難しいということです。

というのも、自作は「主観的」なものなので、それを媒介に何かを「客観的」に考えるということには、ある種の齟齬が含まれているからです。

しかし、「研究」は客観的であることがひとつの条件です。

つまり、制作者が自作をベースに「研究」をするためには、この齟齬を乗り越えなくてはいけません。

今回のゲスト講義ではそうした点を踏まえて、私の博士論文の議論を噛み砕いてお話ししました。

このなかなかに困難な「自作を通して何かを論じること」について、ひとつの具体例をお伝えすることができたのではないかと考えています。

今日の講義を聞いてくださった方にとって、何かためになることがあったら嬉しく思います。



学部、修士、助手、博士と12年間も通い続けた母校で、自分の培ってきた知見を伝えることができたのはとても感慨深いことでした。
これまで大学から受けてきた恩を少しだけお返しできたかな、という気持ちでした。

大学からの帰り道では、少しずつこうした恩返しをしていけたら嬉しいな、ということをぼんやりと思いました。

博士課程の時にお世話になった先生方にもお会いできて元気をもらったので、明日からまた制作と執筆を頑張りたいと思います。

(写真は授業後に藤井先生と行った近所の居酒屋のかわいい時計😺)

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