きくちみ

毎日頭の中ではぐるぐるいろんなことを考えているけど、出口がないから大変。いつものぐるぐるを書きたいです。会社員・妻・妊活未満です。アートセラピーを勉強しています。

きくちみ

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最近の記事

だってあれは美味しいじゃない

祖母は2022年の5月に亡くなった。92歳だった。 我が家は父が婿養子に入ったので、母方の祖父母と同居をしていた。 祖母にとって私は初孫で、実の母が満足に抱っこできないくらい可愛がられたそうだ。 祖母は晩年アルツハイマー型認知症を患い、亡くなる5年程前には施設に入居し、最後の数年はベッドに横たわったまま、さながら眠り姫のように過ごしていた。 毎日夢の中にいるような状態なのに、栄養がいいのだろう、染めなければ白かった髪の毛はグレーくらいまで黒くなり、肌もつやつやしていた。 体

    • たとえば死にたいときに

      希死念慮、というほどおおげさなことではなく、ほんとうにふわっと「もう死にたいな」と思うことがある。 実際に死のうとはしないし、そんなことを思っているなんて誰にも言わないから、それはただ私の中にたまに浮かび上がるだけの気持ちである。 だから、何食わぬ顔でその気持ちを横目で見ながら、私は仕事をしたり、家族と話したりして時間を過ごす。 「ああ、今日は死にたい気分なのね。たまにあるよね。」という感じ。 その気持ちについてあえて掘り下げたり、すごくナーバスになったり、自分自身を心

      • 夫がロマンチスト

         結婚とは、多くの人にとっては法律婚を指すのだろう。  先日、同性婚を巡る訴訟のニュースを夫が私のLINEに転送してきて、自身の意見を述べてきた。曰く、夫の意見を要約すると、「お互いが好き同士で一緒に生きていこうと決めたのなら、それ以上に何が必要なのか」ということだった。  対して私は、お互いを好きであることはまずもっての前提であって、あえて法律婚をしたいというのであれば、それなりに理由があるのではないか、という話を返した。  たとえば相手が倒れて緊急手術を受けなくては

        • 恋人の夜 家族の朝

          以前、職場の上司が「朝は必ずカミさんとコーヒーを飲むんだ」と言ったことがあった。 夜は自分が帰った時には先に寝ていることもあるけど、朝は自分が出掛ける時には必ず起きてくるから、自分が2人分のコーヒーを淹れるようにしているんだ、と。 話を聞きながら、太陽に照らされたリビングを思い浮かべた。 そこには朝の光がうつし出す赤裸々な生活があり、それはすなわち歴史であると共にこれからも続く未来で、そのテーブルを囲むことが家族であることなのではないかと思った。 夜の魔法がない世界。

          初潮の話

          私の初潮は早かった。9歳。 あれから早いもので30年近くが経とうとしている。・・・30年?すごい。 私は今年37歳になる。 なぜこんなことを書こうと思っているかというと、たぶん自分の人生を振り返りたくなったからだ。 なぜ振り返りたいのか。それはきっと私に子供がいないからだ。 私は結婚して6年目で、夫と二人暮らしである。子供を強く望んでいるのか と聞かれれば、「はい、ほしいです」と迷いなく言えるほどには、子供を望んでいないのかもしれない。色々な理由をつけて子供を授かる努力を

          そこで笑ったらだめ

          まだ夫と付き合っていた時のこと。 二人で近所のゲオに行ってDVDを借りてくることが度々あった。 DVDを借りるときはだいたい、各人がそれぞれ個人的に観たい作品と、二人で一緒に観る用の作品を選んでいた。 二人で観る用の作品とは、二人で観て感想を言い合うときに盛り上がりそうな作品のこと。 それは今テレビドラマを観る時でもそうだけど、結局二人で一緒に何かを観るのは、コミュニケーションを取るためである。二人で一つのものを観ながら、やいのやいの言うのが楽しいから、テレビや映画を一緒に観

          そこで笑ったらだめ

          人間がちっちゃい

           昨日、仕事帰りに新宿駅で声をかけられた。  外国の方だったので道に迷っているのかと思い立ち止まると、「困っているのでお菓子を買ってください」という主旨のメッセージカードを見せられ、ああ、立ち止まっちゃったな、と思った。    「アルバイトもままならない、国も頼れない、だから私自分で頑張ります、ありがとうございます。500円です。」とお菓子を見せられた。  咄嗟に、「300円じゃだめ?」と言ってしまった。  おいおい、お前いつも値切らないだろうよ、と自分で思ったんだけど、な

          人間がちっちゃい

          嫁の話がつまらない

           先日、職場の20代の男性社員が「嫁の話がつまらないんですよねえ」っと言っていた。  思わず唸っちゃいそうになった。  彼の「家で声出して笑うことあります?」という問いかけに、「うちはテレビ見ながらみんなで爆笑してることとかあるよ」とか、それぞれのご家庭の話が一通り展開され、最終的には「爆笑とかはなくても、安らぎはあるんじゃないの?」というタオルが投げられ、「まあ、安らぎはあるのかなあ」と軟着陸したのだが、その一言で色々な思いや疑問が浮かび上がってきた。そしてそれを飲み込んだ

          嫁の話がつまらない

          黒一点

          ここ2か月ほど在宅勤務をしていたが、お客様に会うなどの用事があるときは自宅から電車に乗って出かけたりもしていた。先日、久しぶりに乗る路線の電車に乗ったところ、たまたまそこは女性専用車両だった。席に座ってから気が付いた。なぜ気づいたかというと、一人の男性が視界に入ったからだ。男性がいるのを見て、周りに女性しかいないことに気づいた。窓ガラスに、この車両は朝の時間帯は女性専用車両であるという表示のシールが貼られていて、私が乗った時にはその時間帯だったのだ。 私が気づいていないんだ