【詩】レイトショーの記憶
観たことのない
レイトショーの記憶が
わたしの小さな頭に住み着く
その後
行ったことのない
ラブホテルの戸棚が
わたしの小さな頭に住み着く
感じたことのない
気休め
酔い
踊り
裸で
シャワーヘッド
ランジェリー
背中に爪を立てる
吐き気
罪
母親
ぬるいコップの水
ベッドサイド
地方のFM
わたしのことを見張っている
人たちは辛辣だ
わたしが悲しむ
その方法を
ポエムとか
エモとか
自己中心的とか
自己愛だとか
なんだりかんだり言っている
気がする
すべての罪悪感を込めて
わたしは詩を書く
飛べるけど飛べないふりをしている鳥のようにして
憎しみを霧に変えていく