もうひとつの日常
高校を卒業してから今まで長く続けている仕事がある。
多くの人にとっては聞き慣れない、QAエンジニアという仕事をしている。エンジニアという名前だけれどプログラムを書くことはほとんど無い。QAはQuality Assurance(=品質保証)のこと。主にWebサービスが一般にリリースされる前に不具合がないかテストをする、そしてその他幅広い品質維持と向上を担う。どうにか仕事の内容をやわらかく書けないかなと思ったけど、やっぱり文字で書くと固くなってしまう。
初めに勤めた企業では、QAのいろはを学んだ。そして、先月から入った企業では、QAの仕事により広く深く携わるようになった。
サーカス学校という場所で学び始めて一年と少し。目指すところを考えたとき、まだまだ駆け出しだ。QAエンジニアとして仕事をする機会があるということは、確実に自分の生活を支えてくれている。とてもありがたいことだと思っている。
仕事を始めた頃は、目の前の物事しか見えなかった。どのようなプログラムがされていて、どのような仕様でどのような動作をすることが正しいのか。でも今は、その先が捉えられるようになった。新しく作られる機能の意図、分かりやすくて使いやすいサービスはどのようなものか、その視点を持って仕事ができるようになった。
少し話は逸れてしまうかもしれないけれど、私は自分を心配性だと思う。仕事の中でも"これは想定していたことだろうか、デザインに不足はないだろうか"などと色々考える。実際、疑問点や不明点をそのままにしていてはいけない(と思っている)ので、リモートワークだけれど仕事をご一緒している皆さんと多くのコミュニケーションをとっている。そしてQAエンジニアという仕事柄かもしれないけれど、細かなことに気づくということは「サービスをよりよくする視点が一つ増える」ということで、多くの場合喜んでいただける。
頭の中に色々な考えが浮かんでしまうということにあまりいい思いがしなかったこともある。でも今は心配性であることや臆病であることは、必ずしも全て短所になってしまうということはないと感じている。心配事が浮かぶということは、これからどうなるか、このままいったらどんな結果になるか、様々な可能性を考えられているということでもあると思うから。
心配性であってもいい。それ一辺倒では仕事にはならないけれど、少なくともその側面もQAの仕事では活かせる。だからこそ長く続けられているのかもしれない。
仕事は私に自信をくれる。
これまでも。そして願わくば、これからも。
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