創造という営みの秘密
昨日のお客様とのMTGで、「じゃあこのテーマについて、みんなで少しアイデア出し合いましょうか」ということになった。
私だけが初回メンバーだったこともあり「ここは良いアイデア言わねば」と力んでしまった。
そういうときに限って皆から共感されるアイデアは出ず、しょぼんとしてしまうものだ。今回もそうだった。
で、今日たまたまTwitter経由で、田坂広志さんのYouTubeを見た。
タイトルは「創造という営みの秘密」。
ここで語られているのは、良いアイデアの出し方、でなくアイデアを生み出す創造性はどこから生まれるのかという話である。
ちょっと噛みしめて聴かないと身体に入ってこない。(僕は3回聴いた)
ここでの話は、noteを書き続けようとしている自分に対してのメッセージでもあると感じたので忘れないように記しておきたいと思う。
(今日は文章が「である調」であることが気になっているが、そういう気分の時はそうする)
田坂さんの話のきっかけは、アイデアを生み出すことが求められる企画部門の方のお便りから。「どうすれば創造性を高められるのか」という質問。
これに対して田坂さんは、自身の新人時代のエピソードを語る。競合もいる中でアイデアを口に出した田坂氏に対して当時の上司が「あまりアイデアをライバルに言わない方がいい」と窘められたという話だ。
この上司からのアドバイスに田坂氏は違和感を感じる。アイデアが奪われるという発想の根底には「自分の生み出せるアイデアは限られている」「だから盗まれないようにしければ」という無意識の自己限定を抱いているのではないかと考察している。
そしてこの無意識の自己限定こそが、創造性の大きな壁になっているというのだ。
一方、海外のシンクタンクで働いた時に彼らが驚くほど自身のアイデアをオープンに語っていたそうだ。アイデアは語れば語るほど、心の底から湧き出てくるという経験をする。
では、無意識の自己限定に囚われている状態をどう脱するのか。潜在意識をどうマネジメントするかが大事なのだと説く。おお、この辺から深いぞ。
誤解を恐れずに言うのであれば、一つの信念を持つことが大切である。と。
その信念とは「アイデアとは自分という小さな存在から生まれるものではない。大きな何かから降りてくるものである。」
ぎゃーー、僕が言葉にするとなんかチープ(笑)
これは田坂氏の渋い声で脳内に語りかけたい。(動画の11:30頃)
自分から絞り出す、のではなく「どこかから降りてくる」という感覚。
この具体的なエピソードして語られた話が面白い。
田坂氏がこれまで90冊以上の本を出している中で、自分の過去の書籍を見て「これは本当に自分が書いた本なのだろうか」といつも疑問を持つというのだ。
その時に降りてきたアイデアを、そのアイデアにあった人格で書いている感覚なのだそう。
田坂氏は「この信念を持つことで、驚くほどアイデアが湧き出てくること実感すると思います」と語りつつ、「この信念を実行しようと思うには何年かの修行が必要かもしれません」とも語っている。
そうだろうなぁ。でも、絞り出すのでなく降りてくるのだという信念は忘れないでおきたい。そして最後に紹介された棟方志功さんの言葉。
「我が技は我が成すにあらず」
大いなるものが、自分という存在を通じて、何かを成し遂げようとしている。その感覚、その想いを大切にしてほしい、と。
土曜からいい話をいただいたなぁ。
僕がnoteを書き続けることも「創造性」を耕す修行でもありながら、たまたま自分という媒介を通じて受け取ったメッセージを表現する場であると思って、頑張りたい。あ、頑張るという表現よりも自然体で書きづつけたい。