万年筆偏愛
最近、ますます筆無精になっている。
今も書かなければいけない原稿を抱えて、現実逃避に書き出した。ああ、ぼんやりしているのか現実豆腐と打ってしまった。それくらいながらで書いている。意識が遠くにある。なんだ、豆腐って。
最近、パソコンより手書きが好きだ。
けしてお高くない万年筆でノートにさらさら字を書くのが楽しい。
だから、キータッチが遅くなってきた。
と、いうことを考えると筆無精という言葉が当たるのか怪しいところ。
むしろ筆まめになっているのではないかと思わなくもないけれど、高速に多く書けるのはやはりパソコンだから、毎日書く文字数は確実に減っているはず。うん筆無精だ。
そんな中、またヴィンテージ万年筆に手を出してしまった。
以前手に入れた「モンブラン32」があまりにヌメヌメしてよかったので、同じような書き味のヴィンテージを探した結果、なぜか、
「ペリカン400NN M&K」を買ってしまった。
あの有名なスーベレーンではなく、M400ではなく。400NNだ。
キングダムノートのサイトによれば、
「ペリカン 400NN M&K」は、1950~60年代の傑作万年筆400NNの復刻を望む日本市場の声に答え、1973年に当時のペリカンの関連会社MERTZ&KRELL(メルツ&クレル)社により製造されたモデルです。オリジナルの「400NN」は、戦後のペリカン黄金期に作られた400シリーズの最終型。その400シリーズをベースに1980年代に発売されたのが、現在まで続くスーベレーンM400シリーズです。
つまり、東の小国のためにペリカンが子会社がつくった復刻版。
1973年から78年まで作られたそうで、もしかしたら私と同じ年かも、と思うとますます親しみが湧く。
が、肝心の書き味がシャリシャリしていたので、某銀座の文具店で調整をお願いした。
曰く、私の筆圧に対して切り割が狭かったそうで・・・。
ちょっと広めに調整していただいて、インクフローはかなり良くなったものの、「モンブラン32」のヌメヌメ(グラグラともいうが)したインタルシアニブに慣れてしまった私には、もう、なんだか物足りない。
「モンブラン32」のねっちょり吸い付くかんじと比べると、「ペリカン400nn」は堅物で他人行儀にかんじてしまう。もっと慣れなれしく迫って欲しい。
ペン自体が軽いので力を入れるために下の方をもったり、傾斜をきつくしたりしてみるが、それでもやはり「モンブラン32」や2番目によくつかう「パイロットキャップレス」のような、あの親しいかんじは・・・。
あ、
もしかして、ニブの大きさの問題?
そういえば、一番使っていないのは、「プラチナセンチュリー」(ニブが大きい)だな・・・。
そっか、わたしは、ニブが小さくて小回りが効いて感情豊かなペンが好きなんだ。
納得したので、仕事に戻ります。