たまには怖い話や不思議な話
私は怖い話が苦手だ。怖い話のオチがないのが嫌なんだ。
理不尽に嫌な目に遭ったり、その人それでどうなったの?っていうところで話がおわる。消化不良になる。そしてシンプルに怖い。
心霊やオカルトが大好きな夫に言うと、センスないなと一蹴される。
怖い話ってそういうもんだからって。
ある日、寝室のサイドランプが電球を替えてもチカチカしていた。接触不良のようだった。夫とこれ買い替えないとねと話していた。
私は買い物も苦手だ。欲しいと思ってから買うまで時間がかかる。
納得できる金額とデザインのものが見つからないと買いたくないのだ。
そんな風だから、チカチカしているのは嫌だったし夫からも早く買ってと催促されていても買えないままでいた。
二週間くらい過ぎた頃、夫と子どもと3人で寝ている時に金縛りにあった。体は動かないし声も出ない。私は寝室で寝ているはずなのに、真っ暗な玄関に立っていた。夢の中にしてはリアルな。ドアが少し開いて、私より少し背の高い黒い人影に向かって私は「帰れ帰れ帰れ帰れ」と叫んでいた。夢中で叫んでいたら体が動いた。隣で寝ている夫を起こして、今あったことを話した。「へー。俺も金縛りよくなるよ」って反応うす。
それから二、三日たった夜中に今度は夫に起こされた。
「金縛りにあって、玄関に男の人が来たから入るなって言ったのに、通り抜けて窓から出て行ったわ。」
「ええー!怖いね」
「最近の金縛りってこのライトのせいじゃないか。明かりを点滅させるって降霊術であるんだよ。だから早く替えようって言ったんだよ。」だって。
そんなの知らない。はよ言え。
次の日、仕事帰りに無印良品に立ち寄ってちょうどいいサイズのライトを買ってきた。なぜそれを早くできなかったんだ私。
これで安心して寝れる。
それからは金縛りにあうことはなかった。
私にとって初めての怖い話なので、誰かに言いたくなって、その当時の職場の上司に話したら、
「面白いね〜。僕も幽体離脱したことあるんだよ」
「幽体離脱!」
上司の幽体離脱の話を帰ってから夫に話すと、「ああ、あるらしいね。おもしろ〜」確かに面白い。
誰にでも怖い話や不思議な話の一つや二つは持っているもんだな。
「でもさ、あの時の方が怖かったよね」と夫は言う。
あの時とは、夜中の2時に息子の新幹線のおもちゃが勝手になりだした時のことだ。ボタンを押すと音が鳴るおもちゃで、おもちゃ箱の中で何かに押されて鳴ったのかもと、1回目は無視して寝ていた。でもまた鳴る。鳴った新幹線の電源をオフにして寝た。また鳴る。電車や新幹線が大好きだったので、三つ四つ持っていた。全部のおもちゃの電源をオフにてまた寝る。また鳴る。音のでるおもちゃの電池を全部抜いてまた寝た。それで音は止まった。私が止めた。
朝起きて夫は「昨日、みんなで散歩したときに道に置かれた献花あったでしょ。それに向かってぼっくんがかみさま〜って走ってたよね。あれだよね」
と妙に納得している。ああと返事はしたが私は覚えていない。
私は育児で疲れていたので、怖いというより起こされてうるさかった。
そしてなんで君は止めないの?という夫へのモヤりで怖い気持ちはあんまりなかった。それに散歩の時も荷物は全部私が持って歩いてるんだけど。
君に持たせると後で疲れてイライラされるのが嫌だから、「持つよ」と言われても私が全部持つことにしたんだ。
君の好きなオカルト対応は、君がやりやがれ!
思い出して違う感情が溢れ出してきた。
思ってた着地と違うところに来てしまった。
演出された怖い話は苦手なんだけど、友人や知人の怖い話を聞くのは楽しい。その人を知っているからかな。
そんな私に夫のおすすめは「都市ボーイズ」や「デニスの怖いYouTube」だ。確かに面白いよ。嫌いだと言って悪かったね。
好きなものを否定されのは嫌だよね。ごめん。
また違うところに着地してしまった。
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