レシエクル

フランソワ=グザヴィエ・ロト×レ・シエクル 春の祭典

2018/6/12火 19:00- 東京オペラシティ コンサートホール

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 
ドビュッシー:バレエ音楽《遊戯》 
ラヴェル:ラ・ヴァルス 
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》

(アンコール)
ビゼー:「アルルの女」第1組曲 より アダージェット

ピリオド楽器によるバレエ・リュス・プログラム(勝手に命名)。いやー楽しかったです!

一番感動したのはラ・ヴァルス。この曲の持つジャズっぽい複雑な和音とあのリズムが元々大好きなんですが・・・このヴァルスは、もう素晴らしすぎて思わず目が潤んでしまった。ピリオド楽器のせいか奏法のせいか分からないけど、残響が少なくて、それぞれの楽器の音の輪郭が溶け合わず独立している。だけど、それが混じると実に華やかな音色に!そしてロトの指揮から繰り出される、まるで生き物のようなあのリズム!!まさに音が踊ってる!!ほんと素晴らしかった。そしてとってもユニーク(独特、という意味の)。


メインディッシュの春の祭典は、感動というより「衝撃的」でした。チラシのコピー「興奮の音楽体験。音楽史に残る、あの衝撃の初演の響きが蘇る。」に偽りなし!残響の少ないピリオド楽器から繰り出されるそれは、今まで聴いたのと全然違い、質量を持った「音のかたまり」がずんずんお腹に響く感じ。プリミティブなエネルギーに満ちていた。メロディの印象はかなり薄くて、リズムの音楽。これじゃ、初演でヤジがとびまくるのも無理ない。当時の人々にとっては雑音みたいなものだったんじゃないかな。すっっっっっっごい春祭でした。

「遊戯」を聴くのは初めてだったのですが、テニスのラケットを持ったニジンスキー像はノイマイヤーの「ニジンスキー」のおかげで目に焼き付いてるので、楽しみに聴きました。何ともとらえようのない複雑な曲で、こりゃ演奏機会が少ないのも仕方ないな、と。聴きながら、この音楽は男1人女2人の三角関係と言われているストーリーを表現してるんじゃないか、とふと思ったんですが、後でパンフレットを読んだらやっぱりそうだったんですね。火の鳥もそうですが、きっと踊りと一緒に観るともっと面白い曲なんだろうなあ。

牧神は、ラ・ヴァルスや春の祭典に比べると、普通のオケで演奏されるものとの違いが少なかったように思いました。

ラヴェルやドビュッシーは、ピアノでいうとペダルを踏んだときのような残響の多い音が似合うと思っていたのですが、今回、彼らの時代に使われていたピリオド楽器で聴いて、初演時の音は決してそうではなかったのだなと目からウロコでした。

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