夏の思い出は魚獲り。身近な自然を思い切り楽しむ〜川の遊び編〜
今年も、暑い季節がやってきました。
まだまだ、コロナウイルスにより3密、ソーシャルディスタンスとグループで活動することが困難な状況が続いておりますが、自然の中で活動しやすい季節到来です。
夏といえば、海に川にプールにと「水遊び」は夏のレジャーの代表ですね。今回は、私が川と河原で遊んだことについて、少しお話させて頂きます。
夢中になったアユ獲り
私が仙台の今の地域(元々仙台市内在住で市内から市内の転居)に引っ越してきたのが、幼稚園の年長の時でした。
広瀬川と名取川が合流する広瀬川に近い地域です。広瀬川までは歩いて5分、広瀬川と名取川の合流場所までは、歩いて15分くらいと仙台市内の中でもまだまだ自然が残っている地域です。そんな環境の中、川と共に過ごして来ました。
最初に川に行ったのは、引っ越し当初、父親と一緒に川岸に遊びに行ったときです。川の中流ということもあり、比較的浅く、水が少ない時は大人であれば向こう岸に渡れるようなところでした。
そこで、誰しもが行ったことがある石切りを教わりました。水面に向かって石を投げて水面で石を跳ねさせて、その回数を競ったりする遊びです。石選びから教わり、投げ方を教わり投げてみると当然最初はうまくできるはずもなく、何回も投げ少しずつ出来るようになったのを記憶しています。その他、石をめくってカニなどを探したのが最初の思い出です。
その後も何度か父親に連れて行ってもらいましたが、一番印象に残ったのは、台風の数日後だったと思いますが、台風で増水して水が引けた後でした。川の流れが変わっていて数か所に大きな水たまりが出来、その中に行き場を失った魚が跳ねている光景でした。かなりの数でその魚は鮎でした。すぐにでもすくって獲れる状況でした。
知っている方も多いと思いますが、鮎は勝手に獲ってはいけない魚で、「アユ釣り遊漁料」を購入して釣り、捕獲が可能な魚でしたので、一度家に帰り、釣具店に「アユ釣り遊漁料」を購入しに行き、誰にも獲られていないことを祈りながら、バケツ2個と網をもって再び川に行きました。鮎は誰にも捕獲されておらず、父親と2人で両側から追い込みながら捕獲しました。持って行ったバケツ2個分の鮎が捕獲できました。それでもまだ鮎はいましたので、持ち帰れない分は、そのまま放置すると水たまりがなくなるから、川に逃がしたことを記憶しています。
バケツ2個分の鮎を家族4人では当然食べきれなかったので、母親がご近所に配りに行っていました。捕獲するのは非常に楽しかったですが、当時の私は正直、鮎のおいしさはわかりませんでした。
鮎のおいしさはわからないままでしたが、小学生になると近所の友達のお父さんから鮎釣りを教わりました。鮎釣りといっても一番有名な友釣りではなく、毛針で釣る釣り方でした。
友釣りは川底に石が多い場所で、鮎の縄張り習性を活かしたおとり鮎による釣り方ですが、毛針で釣る場合は、水深が少し深い場所で物陰から毛針を虫に仕立てての釣り方でした。決して多く釣れる釣り方ではなかったと思いますが、楽しい時間だったのを覚えています。
川遊びで友達ができる
小学生になると、町内会対抗のソフトボール大会があり、ほぼ強制でチームに入れられ、河川敷にグラウンドがいくつか整備されており、練習も河川敷でした。
それでも、まだまだ自然が残っており整備されていない場合がほとんどでした。
そんな自然の河川敷で秘密基地を作ったり、カブトムシなどを捕まえたりと河川敷で遊ぶことが多かった環境でした。
小学校4年生の時、一人の友達と仲良くなりました。その友達は堤防沿いに家があり、川が隣にあるようなものでした。
川と魚が仲良くなるきっかけでした。
ほぼ毎日、川か河川敷で遊ぶようになり、特に川の中に入れる時期は、毎日のように川に入り魚を獲っていました。
フラフープのような素材と大きさで形は扇形で網が付いているものを使い、膝上または腰まで川に入り、川の中から岸側の草の下に網をいれ、足で草を蹴り、網をさすりながらという獲り方でした。小学生ながら、膝上から腰まで川にはいって獲るという豪快さでした。魚とり専用のスニーカーがあったくらいです。
主に獲れる魚は、モロコ、ギバチ、ヨシノボリ、アブラハヤなどの小魚がほとんどでした。しかし、稀にタナゴ、スナヤツメ、ウナギ、ナマズなどが獲れることがあり、珍しい魚が獲れないかと思っていました。
そんな魚獲りの中で、冒頭でも少し書きましたが、やはり、台風などの大雨が当時の私のワクワク感をかきたてました。それは、川の増水により川が変わることです。大雨の後、川岸を探検すると思いもしないところに大きな水たまりがあり、やはりそこにはたくさんの魚があふれていることが多かったからです。そこには、普段川岸では取れない、鯉などもいる場合がありました。また、川の流れが変わることで、ポイントが変わったり、新たな好奇心を常にかきたててくれました。
ちなみに私が獲った魚で一番は20cmくらいのウナギです。家の水槽で飼っていましたが、夜行性で日中は砂利の中にいて、ほとんど見ることが出来ず、取ってきた小魚が一晩で全部食べられていました。ウナギを飼ってからはウナギのために小魚を取ってきたような感じになっていました。
魚獲りに夢中になり、危険な場面も少なくはありませんでした。やはり、急に深くなっているところがあり、首まで沈んだり、木の枝やガラス片で足を切ったりは結構ありました。一番怖かったのは、ヘビですね。岸に上がる際にヘビがいて川に転げ落ちたり、向こう岸からヘビがこちらに泳いで向かってきたときは必死でおぼれそうになりながら岸にあがった事を覚えています。
そんな魚獲り生活も友達の転校で5年生の秋に終わってしまいました。
今となっては楽しい思い出です。
川遊びは夏だけにあらず
魚獲りの事を書いてきましたが、その他にも冬は雪が降ると堤防でそり滑りや凧あげなども行いました。
そり滑りは堤防の途中に雪でジャンプ台を作り、スリルを味わったり、私が通っていた小学校は川沿いで隣が堤防、河川敷、川で一部の地域の生徒は堤防が通学路という立地でしたので、雪が降った次の日はそりを持って学校に行き、課外授業と称して、堤防でそり滑りをする授業もありました。
凧作りも冬休みの宿題にあり、冬休み明けに凧あげ大会があり、冬の空に凧がひしめき合っていました。学校から凧の作り方のプリントがいくつか配られ、最初は父親と一緒に作っていました。高学年のころには、自分で材料を買いに行って一人で作り、友達と堤防で凧あげをして、冬休み中に飛ばして壊したり、糸が切れて飛んで行ってしまったりと何度も作って遊んだものでした。
また、父親の実家が宮城と福島の県境の山の中で、山の渓流で15mくらいの滝があり、その滝つぼが何らかの用途のため整備されてプールのようになっていて、滝の横をよじ登り、上から飛び込んだりと遊んだものでした。ただ、この場所は日陰となっていて全く日差しが当たらないことから、水が非常に冷たく15分くらいしか入っていられない程でした。入っては日差しの当たる場所で体を温め、また入るの繰り返しでした。
滝の上の沢では、サワガニや小魚を取って遊んだりと、普段の生活では味わえない遊びも体験することができました。
幼少時代は、私にとって川全体が生活の一部みたいな感じでした。
中学生以降は、めっきり川に足を運ぶことは少なくなりましたが、大人になってからは、秋の風物詩である芋煮会などを河川で行い、違った形で川を感じています。
また、自分が子供をもつようになってからは、よく河原に遊びに連れていき、水切りや水遊びをして川での遊びを子供に伝えてきました。
今は子供だけで川に行くことは学校で禁止しているところも多いようなので、子供たちだけで川で遊んでいるところを見かけることがなくなりましたが、(自分が親になり、そのことを母親と話す機会があった時に初めて知ったのですが、私が子供の時も子供だけで川に行くことは禁止だったようです。時代の違いですかね。)現在は、多くの地域で自然公園や整備されたスポットで安全に楽しめる場所があるので、ぜひ川遊びを堪能してみてはいかがでしょうか。
川には、私が体験してこなかった遊びが他にも色々あると思います。
上流付近で行っているラフティングや河口付近で行っているジェットスキーなども川遊びの一つだと思います。
自然のルールとマナーを知って安全に
最後に、気をつけなければならないことは、「安全に遊ぶ」ということです。
上記内容で私が言うのもなんですが、川遊びは自然の中での遊びですから、特に安全への注意が重要となってきます。中流の川が穏やかでも上流で雨が降って水かさが増すことや、近年ですとゲリラ豪雨により、短時間で大量の雨が降ることも増えてきています。ちょっとした油断や知識不足が事故につながることもあります。そうならないためにも知識や理解を深めることが大切だと思います。
川遊びや釣りをするときは本当に気持ちがいいものです。いつまでも自然があってほしいと願うばかりです。楽しく遊ぶためには、自然に対するルールとマナーを大事にして、環境や生態系を維持し保護していくことが大事と思います。
今年の夏は、密を避け、川で遊んでみてはいかがですか?
私も久しぶりに河原に行ってみようと思います。
Text by 館長大槻
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