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私たち「ロックダウン世代」~働くということ~

こんにちは、基弘会編集部デスクの山本です。

私は仕事の中で基弘会の新卒採用の案内なども担当しております。

他の業界と同じく、私たち介護企業も毎年新卒採用活動を行い、例年であれば10月の就職内定に向けて、どちらかといえば「売り手市場」である学生さんへ向けての必死のPR合戦を展開するのが常でありました。
しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、希望する業界からの内定取り消しなど、不遇を極めた学生の方々が多く、結果的に今までは出会う事がなかったであろう学生さんたちと、多くの出会いが生まれました。

今回は、そんな体験から私が感じた、「働く」ということについて書かせて頂きたいと思います。

新定義「ロックダウン世代」

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新型コロナウイルスの影響で就職活動をする今年の学生さんは本当にご苦労をされています。先述の通り内定取り消しはもちろん、志望していた業界が採用そのものを停止していて、進路の方向転換を余儀なくされている方もいます。
少子化の影響もあり、昨年までは「2~3社の内定は確実に獲得できてその中から選択できる」ような状況から一転。よもやこれだけの就職難が急激にその身に降りかかるなどと、誰も予想していなかったでしょう。

そんな新型コロナウイルスの影響で教育や就職の機会を失い、将来にわたって労働市場で不利益を受ける可能性がある彼らは「ロックダウン世代」と名付けられてしまいました。

言い方はとても悪いですが、福祉業界は「3K」と揶揄される厳しい業界です。それゆえに、一般の大学生さんからすると介護や福祉は就職するなど「考えたことすらない」業界だったりします。それが、無理にでも考えざるを得なくなっているのが今年の傾向です。

学生さんに福祉業界の魅力をあの手この手で発信し続けていた我々基弘会編集部のメンバーとしては、コロナ禍による「副産物」ともいえる学生さんたちとの出会いに、大変複雑な想いです。そしてここからしばらくは福祉業界の就職活動は「コロナ特需」が続くことが予想されます。

なぜなら不景気でも仕事が安定しているのがこの福祉業界だといわれているからです。現に、このコロナ禍においても私たちのサービスは飲食店のように営業停止要請などをされることもなく、事業を維持できました。
就職氷河期と言われたバブル崩壊後の時代の時も、我々福祉業界の人気は一時高騰しました。不景気の時には、「一攫千金は狙えないが安定している」業界にスポットライトが当たることがあるのです。

多くの学生さんに、福祉業界に目を向けてもらえたのはとてもうれしいのですが、しかし福祉業界、とりわけ私が大好きなこの介護のお仕事には、こんなコロナ特需とは関係なく、大きなやりがいや、長く働きたいと思える魅力がたくさんあるのだということを、改めて知って頂きたいと、切に願っているのです。

みんな、ロックダウン世代?

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改めてロックダウン世代の定義を記述すると、新型コロナウイルスの影響を教育面や雇用面で受ける世代を指していますが、とはいえ私たちのような昭和生まれの働き盛り「中年層」が、このコロナ禍で不利益を被っていないかといえば、そんなことは全くないでしょう。

コロナにより解雇や倒産なども相次ぎ、職を失った方も多くおられます。
私の身近にもそのような境遇になった方がいて、本当に他人事ではありませんでした。

私はありがたくもコロナ禍でもお仕事を続けさせて頂けたので、職こそ失わずにすんだものの、それでも失ったものはあると思っています。
それは「得られたはずのチャンス」です。

仕事はその時に発生するものや、その時にしかチャレンジできないものが沢山あります。
そして人が雇用されて働くことが出来るのは、一般的には学校を卒業した20歳頃から、65歳頃までです。
言い換えれば、人にはたった45年しか働く時間がありません。その中ですべてのチャンスをつかむことは現実的に難しく、得られるものは限られていきます。

私はもうすぐ40歳になりますので、残り25年。
そのうちの貴重な1年の中で得られたかもしれない「チャンス」が、コロナによって奪われたのです。
私達がサポートさせていただいている高齢者の方々だって、面会制限という名のアクシデントによって「大切な家族との時間」を奪われました。

私たち中年層だって、ロックダウン世代なのではないか!?

なんてことを、考えたりもするのです。

中年ロックダウン世代には福祉という仕事の価値を伝える責任がある

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とはいえ、ロックダウン世代の学生が福祉業界に目を向けてくれ、来年4月からは我々の業界で活躍をしてくれるはずです。
そんな彼らがコロナ禍だから仕方なしに福祉の仕事をすることになったと思われないように、もっというと「この仕事を選んでよかった」と思えるようにしていくことが、「中年ロックダウン世代」の我々が成すべき新たな役割でもあるのだなと、感じています。

それは、冒頭で申し上げた「3K」と揶揄される厳しい業界というイメージを覆し「一生やりたくなる素敵な仕事」だと実感してもらえることだと思います。
介護・福祉の仕事って、「おむつを変えてご飯を提供してお風呂やトイレのお手伝いをする」という仕事ではなくて、専門知識と技術を使って「ふだんのくらしを幸せに」する仕事なのです。

在宅ワークという形が広がる一方で、我々の福祉業界や医療現場はオンラインでは成り立たない、社会の中で必要とされていることなのですから。

ロックダウン世代と揶揄され、若者たちが働くことを悲観する事のないように。

そんな事を強く感じた、今年の採用活動だったのでした。

Text by 山本(基弘会編集部デスク)

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