Ⅰ 作業の類型と流れ(総論)

 伐採や草刈り等の作業を行う場所を現場という。現場の領域内を場内、領域外を場外という。はじめに、現場へ行き、作業を完了して引き上げるまでの流れを説明する。通常の工事では、伐採・草刈等で荷が発生し、それを集め、トラック等に積込み、場外に搬出する(表1.1)。場合によっては、発生した荷を場内に置いたままで作業を完了する場合があり、これを現地置きと称す。これとは反対に、他社が荷を集める段階まで行い、荷の積込み・搬出のみ行う場合を「引き取り」と称している。

<引き取り>
 造園屋等、他社が排出した木くずを引きとること。土場のようなところに集積してある枝葉をヒアブないし重機とトラックにより、もしくはパッカーに積み込んでプラント(処理場)まで持ってくる。引き取りでは積込み・運搬から処理までを行う。

表1.1 荷の取扱い状況による分類

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 次に、作業の内容を大別すると、大きく伐採と草刈りが挙げられる。ただし、伐採と草刈りを同一現場内で行う事例も少なくない。ここでいう草刈りとは、専ら草本のみが生育している地面を刈ることを指し、森林の下層に生育する草本を刈る場合は下刈りと表記して区別する。
 伐採は、山林での伐採と構造物近隣での伐採に大別される。ここで、山林でも境界線沿いの構造物が近接するような現場での作業では後者に該当する。後者は支障木の伐採の典型であるが、開発のための伐採は、そこに建設物を設けるにあたり、支障となる樹木を伐採する「工事伐採」であるから、これも支障木である。便宜的に、山林での伐採を通常の伐採、構造物近隣での伐採を特殊伐採としてそれぞれの特徴を対比したのが表1.2である。通常の伐採では、伐倒方向の許容範囲が比較的広く、通常樹木の自重を利用して伐倒される。一方、特殊伐採では、伐倒方向の許容範囲が狭い、もしくは無く、外力を加えて伐倒方向を制御したり、上部の枝から吊るし伐りする必要がある。伐倒方向を制御するための方法として、矢(楔)、ロープ、チルホール、ウインチ、ストレンジャー等の力を使用する。矢を使用する程度では特殊伐採とは言い難いため、本文では山林での伐採に含めて記述している。伐倒できる場所がない場合、クレーン(ラフター・ユニック)を使用しての吊るし伐り、高所作業車等を用いて先端部から切り落とし、クレーンと高所作業車の併用による吊るし切りが行われる。場合によってはザウルスロボでつかんで伐ることもある。剪定伐採(強度剪定、断幹)もこちらに含められる。

表1.2 伐採の類型

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 伐採作業の流れとしては、山林の伐採では
(立木調査・測量)→伐採範囲の確認(→下刈り)→伐倒→造材→(→伐根(・粗整地)→)集積(→場内小運搬)→積込み→搬出                     
である。全木または全幹集材したあとに造材する場合もある。
 構造物近隣の伐採では
伐採木の確認→構造物等を保護する措置(規制等)→機器のセッティング→伐採(→集積)→積込み→搬出
である。現地置きの場合は積込みと搬出の作業はない。

<自動車の使い方―現場への移動―>
・会社の車も自分の車のつもりで。
・先導してもらっている時はできるだけすぐ後ろをついて行く。信号ではぐれた場合は大抵待っていてくれるので追い越さないようにする。
・車を現場に停めたらエンジンを切る癖をつける。大きい現場はギヤ入れ等も厳しい。
・遅刻しそうなら1本電話を入れる。一番いけないのは、事故を起こすこと。

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