大阪数日滞在記
大阪滞在三日目にして最終日、チェックアウト30分前になってようやく、まだ化粧もしていないのに遂にMacBookを開いた。今回の旅の目的は去る週末に行われたTMA2024。K-popの韓国のアワード授賞式である。普段K-popにはあまり馴染みのない私だが、毎月少額ながらサポートしているNPOの関係で今回旦那さんの分と2枚チケットを頂き、急遽同僚に仕事を変わってもらい、月火と休みも取って、大阪に来ることにしたのだ。飛行機の方が微妙に安かったが、やはり便宜性を考えて、当日新幹線で、日曜昼には大阪に到着。新幹線を降りると、真夏が戻ってきたかのような熱波と日差しに驚いた。
まずは二人二泊1万円以下で予約した、淀屋橋のビジネスホテルに荷物を預け、早速会場に向かう前に完全に私の意向で旦那さんにフルーツパフェのお店に付き合ってもらった。その名も「フルーツひかり」その日はなんと桃の最終日で、本当はフォトジェニックな一番大きい桃太郎パフェを頼みたかったのだが、グッと抑えて桃1.5玉(+増量)のパフェにする。そして一緒にスイカのジュースも頼んでしまった。小さい頃からあまり甘いものも甘くないものも、スイカは比較的食べていて、大人になってから敢えて食べることは殆どなかったのだが、タイやアジア圏の他の国(行ったことないけれど台湾でもよくあるらしい)ではスイカジュースがとても人気で、そんな話を聞いていたら生フルーツをそのまま使ったスイカジュースは気になる存在となってしまった。
さて、到着した桃パフェは予想以上の大きさで、運んできてくれた店員のお姉さんに増量です、と言われて驚き、甘くなかったら交換します、と言ってくれてさらに驚いた。食べないと言っていた旦那さんも桃の半分カットを渡すと黙々と食べ始め、見た目のボリュームの割にパクパクと食べれてしまう。めちゃくちゃ甘いわけではないけれど、普通に美味しい桃が豪華ふんだんに使われており、色や見た目も可愛らしく、クリームやバニラアイスと合わせて丁度良かった。バニラアイスはバニラビーンズが入っている本格派であり、そのアイスだけでも充分美味しかった。そこにはシンプルなコーンフレークとヨーグルトが入っていて、最後は流石に食べ切れるか心配になったが問題なく完食できた。スイカジュースには嬉しいことにスイカのカットも乗っていて、しかもしっかりとジュースと区切られていて、そんな工夫がかわいいしとって美味しい。ジュースは飲みきれないので持ち帰りつつ外に出れば灼熱で、一瞬で飲み切ってしまった。よき小休憩である。
会場の京セラドーム外でチケットを受け取り、外は灼熱であったが、会場に入ればとても快適だった。前の座席に社内のそれのような小さな冷房空気口がついており、ずっと涼しく、後半は体が冷えてしまった程である。帰りは心斎橋エリアで適当に焼肉を食べ、終了となった。
二日目は特に予定がなかったので、朝はカフェ。とりあえず入ったところでいきなり店員さんから「long time, long tim」と言われ、理解に数秒かかってしまったが、どうやら私たち二人を外国人観光客だと思ったらしく、提供に時間がかかると言いたかったらしい。面食らってしまって「大丈夫です」とそのままカフェを後にしたが、その後に入ったカフェのお兄さんの対応は日本語で大変爽やかであり、ちょっとモヤモヤしていた気分が一気に晴れた。
まず、昨日から気になっていた十五番だんご心斎橋店へ。みたらし団子を注文後焼いてくれるということで気になっていたが、個人的には黒蜜きなこ団子が一番好きだった。みたらしは甘さ控えめで醤油の味も上品、あんこ好きとしてはつぶあん団子も外せなかったが、やはり今食べたいのは黒蜜きなこである。一緒に頂いた香ばしい冷茶も美味しかった。
その後は電車で大阪城へ。熱波も日差しもきつく、暑過ぎて旦那さんが体調を崩してしまった。大阪城麓の商業施設、ミライザ大阪城で休んでもらっている間に私だけでも大阪城に登ろうかと思ったが、チケット購入場所なのか、入場待ちなのか30分の列になっていて、暑過ぎて諦めた。ふらふらの旦那さんも少しじっとしてれば回復してきたので、何とか来た道を引き返し、涼しい室内で過ごしたいということで、大阪歴史博物館へ。これがとても面白かったし、大阪城や難波宮跡が見下ろせて景色も良かった。高校で日本史も学んだ気はするのだけど、恥ずかしながらかつて大阪に都があったことは知らず、学ぶことも大変多かった。難波宮の再現も宮殿が中国風であったり、下女が来ている服が朝服であったりと、やはり西日本は古くから大陸との交流があり、日本列島の文化の中心であったのだなと関心する。時代ごとにフロアが区切られているのだが、江戸時代の大大阪の様子や、戦前の明治大正昭和初期のネオン輝く心斎橋筋の再現に浪漫を感じられて楽しかったし、考古学エリアでの発掘された陶器パズルなんかも楽しんだ。
さて、充分に涼んだところで、私がとても気になっていた水族館、海遊館へ。これが本当に素晴らしかった。作りも特殊で、同じ水槽を色んな深さから見れるようになっており、特に巨大ジンベイザメが目の前で泳いだ時の感動は何とも言葉で表し難い。自分が子供に戻ったかのような、自分よりも圧倒的に大きくて、自分ではどうしようもない世界の生き物がそこを泳いでいく驚きである。今ダイビングのライセンスを取得しようとしているのだが、人生の目標が一つ増えた。海の中で、目の前で泳ぐジンベイザメを見る。それにしても、どうやって人間はこんなに巨大な水槽を作って、海水で満たして、こんな巨大な生物を生きたまま捕獲し泳がせることができるのだろう。ジンベイザメだけでなく、他の動物や魚たちも凄く距離が近く感じられて、大満足な水族館だった。ゆったりと流れるクラシック音楽を聴きながら、巨大な水槽前のベンチに座ってずっと泳ぎ続ける魚たちを眺め続ける、至福のひと時である。水槽の底の方でサメやマンタが集まって寝ているのも可愛かった。
夜は予約していたフグ屋さんへ。実は人生で初めてのふぐである。友人や旦那さんから美味しい美味しいと聞いていたが、本当に美味しかった。活ふぐ専門料理 とらふぐ屋というところである。清潔感があって、気取らなくて、若い店員さんが優しくて本当に居心地が良い。頂いたのはテッサ大皿コース、フグ刺しがメインのコースであったがこれがまた美味であった。思い出すだけでまた食べたくなる。フグ刺しだけでも美味しいのに、一緒に出してくれた薄ピンクの肝と一緒に頂くともう最高である。小ネギやもみじおろしも美味しくて、これまた1日の疲れがじんわり取れるような至福の時であった。その他にもフグ皮、唐揚げ、てっちり(フグのお鍋)、雑炊、そしてデザート、別でヒレ酒も頼み、大満足のお食事であった。
3日目は朝から福沢諭吉も学んだという、江戸時代の蘭学の私塾「適塾」と数年間連続でミシュランガイドに掲載された有名店「大阪北浜あなごや」にお邪魔し、新大阪から東京へ帰った。「適塾」は古い江戸時代の日本建築が今も残っている場所である。度重なる空襲や地震に耐え、改修工事を繰り返し、現在まで残っているらしい。住み込みの生徒が畳一錠分だけ与えられて、勉強や生活をしたという点や、狭く急な階段、生徒たちが訳されたオランダの幾つかの医学書で競うように勉学に励んだとのことが印象的ではあったが、冷房がない空間はとにかく暑くてその印象が最も強い。
「大阪北浜あなごや」は伝助穴子が有名らしく、それが何だかはわからないのだけれど、頼んでみれば繊細で上品な味の焼き穴子と煮穴子両方を楽しめて幸せであった。後でGoogleマップで確認したら、お茶を頼めば抹茶を薄めたおうすを頂けたらしい。暑過ぎてお冷を頂いてしまった。次回があれば忘れずに頼みたい。
楽しい大阪小旅行であった。
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