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【5】日ソ開戦前の状況~多忙を極める司令部
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今回はここから。
多忙を極める司令部の業務と、緊迫した日常の様子が垣間見れます。
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われわれは、山積みされた書類を、時に食事も交代でとり、あるいは夜を徹して、定められた期日に、定められた兵力が、定められた場所に集結できるよう、兵器部・経理部とも連絡をとりつつ逐次処理していった。
後半夜2・3時間を、部屋に持ち込んだ毛布にくるまり仮眠することもあったが、それは緊迫した状況下にあってはむしろ生甲斐を感じるのであった。
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指揮下部隊の将校は、司令部連絡の際 動員室に立ち寄る者が多く、部隊の動向、個人の異動等についてわれわれの一言半句にも注意をはらい、いろいろ尋ねたりしていた。
然し防牒については庁の内外を問はず厳重であった。
命令の伝達には文書によるほか電話で要旨を伝えるのが例で、長距離のジャムス・虎林・虎頭あたりが予想外によく通じた。
司令部の次級副官関本大尉は私の初年兵時代の人事准尉であり、繁忙の動員室に時折顔を見せて激励してくれた。
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