【配偶者ビザ】国際結婚とは思った以上に長期戦
私はつい最近、今年の7月頭にベトナム系スイス人の彼と籍を入れた。母や弟たちにはかろうじて事後報告をしているが、祖父母にも親戚にも友人の多くにもまだ言っていない。職場の同僚も大半は知らないだろう。コロナが流行しているのをいいことに式をあげる予定はないし、むしろ日本人以外のアジア系外国人と付き合っていることにいい反応をされなかったこともあるので、大々的に述べるつもりもない。
出会ってから短いので電撃結婚という言葉がふさわしいのだろう。しかし付き合おうと決めた瞬間から、なんとなく結婚は意識していた。一緒にいるのが楽でお互いに都合もいいなら結婚してしまえと、なんとなく他人事である。ちなみに彼のほうはロマンティックでしっかり私を好きでいてくれるので、バランスは良いしきっと平和に長く一緒に過ごしていけるだろうと思っている。
さて、今回いきなりこんなプライベートなことを書こうと思ったのには理由がある。それは配偶者ビザの手続きが非常に面倒でやる気がでないからだ。そんな手続きはさっさと済ませてしまったほうが良いはずだし、ビザさえ手に入れば本業がイラストレーターで在留ビザのために英語教師としてほぼフルタイムで働いている彼も新しい仕事を探しやすくなる。(日本語が話せないのもだいぶ問題ではある。)しかしこの配偶者ビザの申請、本来なら弁護士に一任するような面倒な手続きである。書類をそろえる以外、特に何もしていない私も見ているだけで疲れてくる。
そもそもスイス人と結婚ということ自体も厄介であった。日本の役所に婚姻届を出すにあたって、スイスからの許可が必要だった。まず私は(既存のものは使用期限が切れていたので)新しくパスポートを発行する必要があった。そして戸籍謄本・住民票・婚姻要件具備証明書と呼ばれる独身であることの証明物を揃え、外務省にてアポスティーユ申請というその書類たちが海外でも効力を発揮でき、内容として間違っていないことを証明してもらう必要もあった。その間、彼は彼でスイスから出生証明書か何かを取り寄せて、日本の役所で住民票を用意していた。
それらの書類が全て揃った段階でスイス大使館に赴き、そこで数種類の書類に記入したうえでスイスからの結婚許可を仰ぐ必要があった。それには数か月かかると言われていて、実際に書類を提出したのは今年の2月である。もう半年も前のことだ。私は基本的に平日には休みの取れない仕事なので、平日しか空いていないスイス大使館に2人で行くのは難しく、幸運なことに日本では今年2月は平日に祝日があり、それはスイスの祝日ではなかったので大使館は開いていて、結果的には問題なく2人揃って書類を提出できた。
問題はそれから数か月間経ってもスイス大使館から連絡が来なかったとことだ。しびれを切らした彼が6月に電話をすると、実は婚姻許可は2か月前におりていて、その書類を受け取りに大使館に来て欲しいといった旨のメールは既に送っていたそうだ。調べてもらうと彼らが打ち込んだメールアドレスが間違っていて、その知らせはどこの誰とも知らぬ人に間違えて送られていたようである。それにしたってメールアドレスを間違えたのは気が付かなくても、送信主から音沙汰がなければもう一度確認したりしそうなものであるが、日本に駐在し、いいお屋敷を支給され、高い給料で働いているスイス大使館のスタッフたちはそんなことはしないらしい。
とにかくこれでスイス国発行の婚姻具備証明書は手に入れた。あとは私たちのパスポートと、私の戸籍謄本と、成人証人2人からのサインを貰った婚姻届けを役所に提出することで一応婚姻手続き自体は終了したのである。役所が休日も営業してくれていて大助かりだった。ちなみに2人の新しい本籍を作る必要があったのだが、彼は外国人なので戸籍謄本には私しか存在せず、彼は私の配偶者として記載があるのみである。戸籍は日本国民にしか発行されないものなのだと初めて知った。また東京在住ではあるが東京には土地も何もないので、本籍は勝手に私の出身地にしてある。彼はまだそこに行ったことがないけれど。
結婚して一安心。2人で仲良く婚姻指輪づくりなどもしたのだが、問題はビザの申請である。こちら未だに終わりが見えない。再び沢山の書類を揃えて、移民局に行く必要があるのだろう。住民票・戸籍謄本・婚姻受理証明書・身元保証書・彼の在留延長申請書・納税所、さらに2人の婚姻が偽装ではなく愛に基づいたものだと証明するために、付き合ってからの経緯や写真をそろえる必要もある。(勿論、外務省からのアポスティーユ申請蛾通った証明も。)私たちには、実際の交際期間が短いのと付き合い始めのころの私の収入が安定していないという問題があるので、不安はあるが関係に嘘はない。
横着な私には締め切りがあるのは有難いことなのかもしれないが、各証明書は3か月で失効してしまうのでなるべく早く申請できるようにしなくてはならない。職場のストレスを抱える彼に早くビザを手に入れてて、自由な職探しをして欲しいが、現在あまり金銭的にも精神的にもお互い余裕がなく、二人同時にお休みであることも少ないので、難しいのは否定できない。
まあぼちぼち頑張っていきたい。国際結婚・配偶者ビザ申請ご経験者様、いらっしゃったら是非友達になりましょう。これからお手続きに望まれる方も然り。
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画像はMabu様よりお借りしました。漫才うさぎ。可愛いね。