【着物沼】あの反物に触れたときの気持ちを忘れたくない
七五三のときに撮った赤い着物を着た笑顔の七歳の私と弟たちの写真が、祖父母の家に飾ってある。成人式はアメリカにいて出なかったが、22の時に弟の成人に合わせて振袖を借りて後撮りをした。江戸時代を再現した某テーマパークでは、股引を履いて男物の着物に頭に手拭いで働いたこともある。劇団の公演では作務衣を着、足袋と草履を履いて動き回っていた。
芝居をしていたおかげで、和装に触れる機会こそあったものの、着物とは何なのかいまいちわかっていなかった。浴衣すら一人で着れる自信がない。そんな私が