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第4回「気候変動って、意外とフクザツ」

今回は、ものごとの増え方の一つである「どんどん型」を体感することを中心とした会になりました。どんどん型とは、指数関数的に増えることです。最初は小さなことなのですが、それが起きていると気付いた時には手遅れなほどに、どんどんと増えていくという変化の仕方のことです。これは私たち人類が感覚的に理解しづらいことだと言われています。

たとえば、「地球の人口は、8年後には2倍になります」と言われると私たちはびっくりできるのですが、「地球の人口が1年あたり約9%ずつ、8年間増えます」と言われるとピンと来づらくありませんか。それらは同じ結論を意味しているのですが。

当日は、これを体感する時間を過ごしました。ワークショップに参加する皆を一つのまちだという設定にして、どんどん型で増えていく社会課題を解決していくというゲームです。

最初はしーんとしていたものの、徐々に加速度的に増えていく社会課題。解決の特命係に名乗り出る人、課題解決ではなく自分の仕事を大切にしてまちの機能を維持しようとする人、解決に向けてすぐに動く人、声を掛け合って協力しようとする人…

それでも、最後は手がつけられないほどにどんどんと増えていく社会課題が残りました。参加したみなさんは様々な反応がありましたが、「どんどん型」の増え方を体験して、唖然としていた方も多かったように見えました。

その後、「私たちのまち、そして私たちに何が起こったのでしょうか」「どんどん型に対処する難しさはどこにありましたか」「どんどん型に対処するには、どうしたらいいでしょうか」などという観点で、皆で円座となってゲームで体験したことの意味づけを行いました。

ゲームとは言え、現実に起こりうるような葛藤もその場で再現されていました。どうすればもっと効果的に社会課題に対処ができたのでしょうか。

様々な立場で「よかれ」と動いている私たちですが、必ずしもそれは別の誰かや、みんなにとって意味があったり、効果的なことではないかもしれません。そのような観点から、私たちはどうすればよかったのか、ややシリアスな話し合いが行われました。

その日のキーワードは「居心地わるい」でした。なにがあるから、居心地が悪かったのでしょうか。もしかしたら私たちは持続可能性に関わる大きな課題に、共に本気で直面しようとする時、「居心地わるい」経験するのかもしれません。

なぜなら、その時私たちは、自分の都合のいい時だけ、楽しい時だけに一緒にいるわけではなく、「みんなにとって都合の悪いこと」に共に直面して、遠慮なく語り合って、目先の小さな利益を超えて助け合っていく必要があるからです。

当日の会場には、その「居心地わるい」という言葉の裏に、私たちが共に意味深く、価値のある時間を過ごしたことの証拠となるような響きがありました。次回は、どんどん型を踏まえつつ、どのようにそれを根本的に解決していくこと、つまり、イノベーションのタネを探していきます。



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