『子育てはマジ難しい(前編)』
2020-02-01
子育ては難しい。実に難しい。
幼少期の発達段階において、親のちょっとした言動や行動のひとつで、自尊心の形成に大きく影響を及ぼしてしまうということが往々にしてある。
生後数ヵ月は、まだ意思の表示ができないので、お腹がすいたのか、眠たいのか、排泄か、抱っこか、それぞれの“言葉なき要求”を先入観を抜きにして察知、読み取る能力が求められる。しかも自分の睡眠を断続的に妨げられながら、すぐに頼れる親が近くに居るわけでもなく、はじめての事だらけなのにすこしの気の緩みでかんたんに死なせてしまうかもしれないというはかり知れない責任の重圧を背負いながらの24時間体制が、数ヵ月にわたって続くのだ。まさしくミッションインポッシブルである。女性はここに更にホルモンバランスがぐわんぐわんになってくるからもう想像に絶します。
そして歩きだし、自分と世界をはっきり認識しはじめる一歳から二歳。動くことでさらに増える危険を常に察知しながらも、自立心、自尊心を育むための探求心を妨げないようにヒヤヒヤしながら見守ること。
私の考えだが、二歳くらいまでは身に危険があることは除いて、物事の善し悪しもマナーもまだ教える必要はないと思っている。
沸き上がってくるこの世界への「オモロイ」という好奇心と「なんで?」という疑問、生まれたての喜怒哀楽の感情をなるべく大事にしてあげたい。
水をこぼしてみたい、出しても出しても出てくるティッシュを出し続けたい、スプーンを反対で使いたい、納得ねばねばしたい、ゴミ箱を漁ってみたい、お風呂の水を飲みたい、バカって言葉を覚えたからとりあえず使ってみたい、カメラを触りたい、鼻くそ食べたい(その他募集中)
汚い、意味ない勘弁してくれという大人の都合をぐっと抑えていったん受け入れる。
一生にかかわる感情と好奇心の健全な発育のためにはティッシュ一箱など安い買い物、という算段をする。他人様に多少迷惑をかけてしまうのも同じように計算のうちである。三十歳を過ぎてもひたすら部屋でティッシュを引っ張り出しているようなら心配した方がいいが、たいていは親が止めなくても自然としなくなっちゃうしね。
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