【飛び跳ねるのが好きな子どもたち】 #23
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめています。
「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」
の著者 東田直樹さんは
こう問いかけます。
”僕がピョンピョン手を叩きながら
跳びはねる時、
一体どんな気持ちだと思いますか?”
今回のテーマ:自閉症スペクトラム
1.自閉症の子どもたち
「跳びはねるのはなぜですか?」
東田直樹さんはこう答えます。
”気持ちは空に向かっています。
空に吸い込まれてしまいたい思いが
僕の心を揺さぶるのです”
そして続けてこう綴ります。
”最近、もうひとつわかった事があります。
それは、体が悲しい事や嬉しいことに
反応するのです”
うん、うん、わかる
私も自閉症のお子さんを
担当していた時、
あの子、とっても嬉しそうだったなぁ
とその時を思い出すから…
2.何故、跳びはねるのか?
自閉症のお子さんは
全員が跳びはねるわけではありません
感覚の受け取り方の偏りは
1人ひとり異なります
その中で好きな感覚は
”こだわり行動”
として現れます
繰り返し跳びはねる行動を選ぶ
お子さんの理由は
そこにあると考えられます
その時に使う感覚が
「前庭感覚」「固有感覚」です
(それぞれリンクでご確認ください)
3.その時の子どもの気持ちは?
東田さんはこう書かれています
”跳んでいる自分の足、
叩いている時の手など、
自分の体の部分がよくわかるから
気持ち良いことも
跳びはねる理由のひとつ” と
感覚の受け取り方が弱いと
人よりも多くその感覚を
感じる事が必要な場合もあります
例えば、
少食な人が山盛りのご飯を食べて
お腹いっぱいになる
お相撲さんがちゃんこ鍋を
6人前食べてお腹いっぱいになる
それぞれ満腹に達する度合いが違います
跳びはねる事も一緒
お散歩だけで
体の重みや重心の変化を
足底から感じたり
上下に揺れる感覚で
十分な子どももいれば、
トランポリンや、
ブランコで
「もう変わってよ〜!」
と伝えられるまで
続けている子どももいる
自分が必要な感覚を感じるまで
その行動をしてしまうのです
4.まとめ
東田直樹さんは後半こう綴ります
”何か起こった瞬間、
僕は雷に打たれた人のように
体が硬直します
硬直は体が硬くなる事では
ありません
自分の思い通りに動かなくなる事です
縛られた縄をふりほどくように
ピョンピョン跳びはねるのです
跳べば、体が軽くなります” と
自閉症に限らず、
子どもたちは体を動かすのが
大人より大好き
そこから発達に必要な
体の使い方や姿勢やバランスの調整
なども習得していきます
もし、身近に自閉症のお子さんや
繰り返しそのようにしているお子さんが
いらっしゃったら
跳ぶ様子やこだわりの姿を
そのまま見守って
頂けると嬉しいです
障がいを持った子どもたちが
生きやすい世界になりますように…
参考文献:
自閉症の僕が跳びはねる理由 東田 直樹
子どもの感覚運動機能の発達と支援
作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨