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認知科学コーチングを使った自己変革のプロセスとは?

前回はコーチングの語源は「馬車」であり、ゴールを設定しそこに向かうサポートをするのがコーチング。一見不可能にも思える「現状の外のゴール」を設定することで、脳内の方程式(内部モデル)が更新されて行動が変わる、とご説明しました。(詳細は前の記事を参照ください)

今回は、コーチングで脳(マインド)が具体的にどのように作用し行動が変わるのか、認知科学に基づいて説明します。参考までに用語の定義も載せますが、大事なのは考え方なので用語はさらっと流して大丈夫です。

1.脳のフィルタ機能でゴール達成の道筋を見つけ出す

①RAS(ラス):脳のフィルタ機能。重要と認識したものだけをフィルタリングして認識する仕組み。
※Reticular Activating System、和訳:網様体賦活系

②スコトーマ:心理的盲点。RASによって見えなくなっているもの・状態

人間にはスムーズに生きるために脳内にフィルタリング機能がついています。それを学術用語ではRAS(ラス)と呼びます。脳が「これは重要だ」と認識したものだけを認知する仕組みです。
例えば、パーティーのようなうるさい場所でも自分に話しかけてくる相手の声だけはよく聞こえます。これは「カクテルパーティー効果」と言って、相手の声以外はフィルターがかかり、BGMや周囲の声が聞こえないように脳が処理しています。このように何かに重要性を置くことで、別の何かを認識しなくなることを心理的盲点(スコトーマ)と呼びます。

他にも例えば、普段帽子を被らない人が帽子を買ったとします。その日から街を歩くと帽子を被る人がたくさん目に付くようになります。もちろん帽子人口が増えたわけではなく、これまで帽子を気に留めていなくて目に入らなかった(スコトーマ)だけなのです。帽子を買い、帽子の重要度が増したことで、RASが作用し新しいフィルタ設定がされて、道ゆく人の見え方が変わったのです。

同様に、達成方法がわからないゴールの道筋も何も意識しなければスコトーマで隠されています。しかしひとたび脳がゴールを重要だと認識すると、RASが作用してフィルタ設定が変わり、スコトーマが外れてゴールに関連するものが見えるようになっていきます。

RASを作用させる(脳内フィルタを変える)には、脳内で重要と認識することが大事です。決断を周囲に宣言したり、身銭を切って自己投資したり、何かに契約したりすると、責任感が生まれ脳内で重要性が増すので、ゴール設定の後にはそういった行動することをセットで推奨しています。

2.未来の自分を脳内のデフォルト設定にして「当たり前」を変える

③コンフォートゾーン:居心地いいと脳が信じている状態のこと
④ホメオスタシス(恒常性維持機能):コンフォートゾーンに戻す力

人間には、脳が一番居心地が良いと信じる状態(コンフォートゾーン)に戻す機能=ホメオスタシス(恒常性維持機能)が備わっています。
例えば激しい運動をすると体温が上がりますが、汗をかいて、平熱に戻ろうとします。これは生きるために必要な機能であるものの、時にゴール達成の妨げにもなります。
わかりやすいのが三日坊主でしょう。最初の三日は気合いで乗り切れたとしても、居心地の良い状態(コンフォートゾーン)が以前のままであれば、習慣化されずに戻ってしまうのです。

ということは逆に考えるとゴールを達成した未来の自分の状態をコンフォートゾーンにしてしまえばいいのです。
未来のあなたはどのような習慣、行動、考えをしているでしょうか?
リアルに想像し、それを真実と脳が認識することでコンフォートゾーンがずれていきます。ひとたびコンフォートゾーンがずれると、これまで当たり前だった現状に違和感を覚え、新しいコンフォートゾーンに戻す力(実際は戻すというより変化する力)が働きます。

例えば私は朝起きるのが苦手で、会社への出社もプライベートの予定もいつもギリギリ(むしろ遅刻)でした(笑)
しかし、仕事や趣味など様々な分野でゴールを達成した未来の自分は、とても忙しいので24時間の使い方がとても効率的なはずです。まだすべて達成したわけではありませんが、実は今、早朝に起きて勉強する自分が当たり前になったり、自然と仕事への向き合い方が変わって残業が減ったりと時間の使い方や捉え方が180度変わりました。

3.できると信じる力が熱量になる

⑤エフィカシー(自己効力感):「設定したゴールを達成する能力」に対する自己評価
⑥セルフトーク:自分への語り掛け。それによって自己イメージが形成される

先ほどゴール達成した未来の自分の状態をコンフォートゾーンにするのが重要と書きました。ではどうすればよいのでしょうか。
未来の自分、ゴールを達成した自分に臨場感を持つことが重要です。しかし、なかなかリアルに描くことができません。ましてや「自分なんてどうせできない」思っていれば実現するはずがないです。

ゴール設定の過程で大事なことは、自分を信じることです。これをエフィカシーと言います。達成方法がわからないゴールを設定するのですから、できると信じなければ何も始まりません。「根拠はないけどできる気がする!」「やれるに決まっている!」と自信を持つことで、熱量が加わり行動に移しやすくなります。

エフィカシーを上げる方法の一つにセルフトークがあります。人は一日に3万~5万回自分に語り掛けていると言われています。故に「私には無理」「できない」と言っていれば脳がそれを信じ込んで、できない自分がコンフォートゾーンになってしまいます。逆に「私はできる」「私は一流の〇〇だ!」と自分に言い聞かせることで、ゴール達成する自己イメージができ、ゴールに臨場感を持たせることができます。そうしてコンフォートゾーンがずれて、言葉に見合った行動をするようになるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
本当にやりたいこと(Want to)に基づいた現状の外のゴールを設定し、
達成できると信じ、自信を持つことで、コンフォートゾーンがずれて、行動が変わる。
脳内の重要性が変わると、スコトーマ(心理的盲点)が外れてゴールへの道筋が見える。
今まで見えなかったものが見えるようになって自分では思いもしなかったクリエイティビティを発揮したり、行動習慣が変わり、ゴール達成に向けて進んでいく。
コーチングはこのようなプロセスで進め、あなたの人生の飛躍を後押しします。

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