2022年総括:いろいろ観てきて早2年。
最近リアル事情に追い詰められているのもあってか、なかなかVR界隈の流行を追えていません。
が、とりあえず今年の総括を始めちゃいたいと思います。
今年は簡潔に言ってしまうと、『いろいろなものをみてきた年』になりますね。
漢字一文字だと「観」。
『みる、ながめる』といった意味はもちろん、『ものの見かた、考え方』『もののかたち、ありさま』などの意味もあるそうです。
まあ、漢字の雑学はさておき、本題に入りましょうか。
いろいろ観てきました
一昨年の11月にQuest2でVRChatを始め、去年の9月にVR用PCを購入し、着実に一般VRChatterへの道を歩んでいた私は、こんなことを考えていた。
「PCワールドにも行けるようになったし、いろいろできることも増えたから、いろんな人に会って、いろんな体験をするぞ!!」
こうして私はUnityやblenderを使ってアバター改変や小物づくりにいそしむようになって……
あれ?
……なんか思ってたのと違うな?????
そう、私は肝心のコミュニケーションに苦手意識があった。
いわゆる絵に描いたようなコミュ障である。
……そもそも、私はVR技術やVRでできるようになる表現やその可能性の魅力に惹かれたのであって、他人とコミュニケーションをするためにVR機器を購入したのではなかったのだ。
うん、そうだった。きっと、そうだったに違いない。
私は私の仮想人格に、そう言い聞かせた。
こうして私はVRChatを引退し、電子の海へ骨をうずめるのであった。
第一部 ~完~
とはならなかった。
VRをこよなく愛する私は思い出した。
よくよく考えてみたら、私はVRChat以外のVRコンテンツをあまり触っていなかった。
気が向いた時にでもやろうと思いつつ、Unityやblenderに時間を食われてしまったり、なんとなくVRChatに居ても馴染みのフレンドと遊ぶだけで十分楽しく、満足してしまっていたので、結局手を付けずじまいになっていたのだ。
と、いうわけで、VRChatはいったんおやすみして、私は多種多様なVRコンテンツをめぐる旅に出ることにしました。
VRChat以外のVRコンテンツを観てきた
とりあえずSteamやQuestストアでちまちまとVR作品を買いそろえてみました。
まだ積み状態のものもありますが、体験した中で特に感動したもの、布教したいものをピックアップしてみます。
(以下、あくまで個人の感想です)
Chronos Universeシリーズ
この作品群は語らずにはいられない。いや、語らねばなるまい。
「Chronos Universeシリーズ」は、
・「東京クロノス」
・「ALTDEUS: Beyond Chronos」
そして来年、最終章Ep3の公開を控えた
・「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」
の3作品からなる没入体験型VRビジュアルノベルゲームである。
「わざわざVRで物語を見るだけ?疲れるだけじゃない?」
と、プレイ前の私は実に浅はかな文句を垂れていた。
ゲームを開始してすぐに気づいたが、
VRの没入感、実在感(キャラクターが本当にそこにいるような感覚)によって、登場人物が織りなすストーリーを、まるで自分が追体験しているかのような臨場感を感じ取ることができた。
そして、物語が終盤に差し掛かり真実が明らかになっていく緊張感。
すべてが解決し喜びを分かち合う解放感。
……
私はこの作品の驚くべきすばらしさを証明したいが、語彙力が無さすぎるのでここに記すことはできない。(フェルマー並感)
まあ、ストーリーのレビューは適任者にまかせるとして。
この作品群は、いわゆる「シリーズもの」ではあるが、作品ごとにコンセプトや世界観が大きく異なるため、一作目からでなくとも、気になったものから無理なくプレイすることができる。
もちろん全作品プレイした方が、全体を通しての世界観を理解できるので、ぜひおすすめしたい。
すべての作品がQuestストアでも販売されているため、Quest単体しか持ってない方でも楽しめるのも魅力の一つである。
Half-Life:Alyx
あえて言おう。VRシューティングアクションゲームの最高峰であると。
本作の目玉となるアクション要素「グラビティグローブ」の存在は、ぜひとも語っておきたい特徴の一つである。
床に落ちたアイテムに手をかざし、トリガーを押して捉え、引っ張る動作を行うと、アイテムが自分めがけて勢いよく飛んでくる。
まるで魔法のように。
ストーリー攻略においては、このグラビティグローブをいかに使いこなせるかがカギとなる。
道中に落ちている「樹脂」を集めて武器を強化することで、難所を上手く切り抜けていこう。
また、ハンドガンなどの武器はすべて手動によるリロードをしなければならないため、複数の敵と戦闘する際はいかに素早くリロードできるか、スリル満点の体験が楽しめる。
硬派なVRゲームに飢えている方にはおすすめの一品だ。
DLsiteのVR対応作品
しあわせな気分になれます。
個人的には、モヤシ技研さんとpixyさんを推したいですね。
未成年の良い子と悪い子は、もう少しだけ我慢してください。
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さて、VRコンテンツをある程度体験していくと、自然とVRChat(をはじめとするVRSNS全般)と、その他VRコンテンツの違いを肌身で感じることができました。
明確な違いを挙げるとしたら、
一般的なVRコンテンツはすべて制作側が用意するものであるのに対し、
VRSNSにおけるコンテンツとは、そのほとんどが有志・ユーザー側によって提供されるものであり、プラットフォーム側はただその場所を提供しているだけ、という点でしょうか。
……うーん、考えてみればすごく当たり前のことですね。
これを世紀の大発見として世に出していたら、笑いものにされること間違いなしです。
しかし逆に考えてみれば、それだけVRSNSが特殊なコンテンツであり、一般的なもののそれと一線を画していることの証明とも読み取れます。
とまあ、いろいろなVRコンテンツを体験できたことはVR好きな私にとってはそりゃ本望なことで。
いろいろ学びもあったわけですが。
それでも
「いろんな人に会って、いろんな体験をしたい」
という欲求は変わりませんでした。
好きなことは独りでのんびり、じっくり楽しむやり方が性に合っている。
VRChatでできた対人関係とは、自分に合ったペースで向き合っていきたいし、これからも付き合っていきたいけれど、一人でじっくり楽しめるVRコンテンツのほうが気楽でやりやすい。
欲を言えば、ひたすらにマイペースという名の信念を貫き通したい。
とはいえ、乗り掛かった舟でもあるし、
なにより「どんな人がいて、どんなことをしているんだろう」という好奇心があるのもまた事実。
この仮想世界を、もっとよく知りたい。
というわけで、私は改めてVRChatに入り浸り、様々なイベントに足しげく通うことにするのであった。
改めてVRChatを観てきた
ちなみに、VRChatで私がやったことをまとめたものはすでに私のFanboxで投稿しておいたので、今回の記事では、今年特に印象に残ったイベントをいくつかピックアップして、詳しく語ってみることにします。
カソウ舞踏団のダンスパフォーマンス
最初にyoikamiさんのダンスパフォーマンスを観たのは、6月28日のことでした。このときのyoikamiさんは
『新感覚VRミュージカル「逆」ひとりぼっちの晩餐会』、
一週間連続(?!)公演の真っ最中でした。
プロのパフォーマーとして活躍している方のパフォーマンスを実際に観れるのは、当然貴重な経験ではあります。
しかし、真に語りたいことは「彼がVRと出会うきっかけ」の話です。
パフォーマンスを終えた彼は、障害を抱えながらもリハビリでVRダンスを始めたこと、VRのおかげでパフォーマンスができること、VRのすばらしさを語りました。
めちゃくちゃ感動しました。
VRが秘める可能性の物凄さを、彼は自らのパフォーマンスで証明していました。VRの可能性にもですが、なにより彼自身の生き様に感動したことは言うまでもありません。
この日を境に私はyoikamiさんおよびカソウ舞踏団のファンになり、Quest対応パフォーマンスや、mocopiパフォーマンスイベントにも行きました。
人外RPダイニングバー「Bizarre」
カフェやバー形式のイベント自体は行った経験はあるのですが、「人外」「RP」というのは自分にとってあまり馴染みのない概念でした。
Quest単体の時は行けなかったイベントですし、百聞は一見に如かず、ということで行ってみることに。
結論から言うと、とても満足度の高いイベントでした。
出される料理には食べられるギミックがついていて面白かったし、メニューの種類やキャストさんのRPからも、世界観をとても大事にしていることがうかがえました。
他のお客さんが楽しんでいる様子がとても微笑ましく思えて、キャストさんとの掛け合いを眺めているだけでも楽しかったです。
ただ一つ心残りがあるとすれば、キャストさんとちょっとだけでもおしゃべりしてみたかった……;;
まあ、一見さんだったので致し方なし。
また行きたいと思える、良いイベントでした。
VR演劇「マクベス」
ぬこぽつさんが演出家を務めたVR演劇「マクベス」。
VRChat全体で見てもかなり注目度が高かったイベントでしたが、運よくjoin戦争に勝利し、公演を観ることができました。
私は高校の文化祭で演劇の経験があったため、このイベントにはとても注目していました。
ですが「マクベス」という作品は知らなかったので、今回のVR演劇で初めて観ることになったわけです。
VRマクベスの公式パンフレットには
「現実、仮想、そして役柄」
「この三つが融合した瞬間、我々は何を目の当たりにするのであろう?」
と綴られている。
仮想世界に生きるものは、すでに「仮想人格」という現実とは異なる人格を演じている者もいる。
演劇では、役者が役割を演じる内に別の人格が生まれる場合もあるという。
すると、我々がVR演劇で観るものは何なのか?
あの日観たVRマクベスで私が見たあの演者はいったい誰なのか?
おそらく見る者によって感想が大きく異なるであろうVR演劇。
機会があればぜひ観てください。
crossvoiceさんの居酒屋イベント
日頃から交流があったフレンドさんがキャストをやっていたので、興味本位でjoinしてみたのがきっかけです。
crossvoiceさんは"両声類アイドルグループ"であり、これまた馴染みがなかった概念ではあったものの、キャストにフレンドさんがいてくれたのもあってか、だいぶ気楽にお話をすることができました。
私にしては珍しく、積極的に通うイベントになっています。
なんだかんだ雰囲気が好きですね。
後キャストさんがみんなかわいい。
インスタンス人数が20人いかないくらいの中規模なイベントなので、
……あんまり流行ってほしくないです(こら!
あの人の数と雰囲気が、すごく好きなので。
最後に
そんなこんなで、VRコンテンツを漁ったり、VRChatのイベントを覗いてみたりと、今年はいろいろなものを観てきました。
これで、「どんな人がいて、どんなことをしているのか」を少し知ることができましたね。わーい。
ですが、
正直に言ってしまうと、「VRChatで誰が何をしているのか」なんて情報は、Twitterで調べてしまえば一発で出てきます。
それでも”実際に現地に行って体験をしたかった”のは、
Twitterに載っている写真や画像だけでは、VRの強みである没入感と実在感が薄れてしまうから、という技術的な問題や、
VRでいったいどんなことができるのか、VR好きとして追及してみたい、
という好奇心から来ている
のかもしれません。
ぶっちゃけなんとなくです!!!(オイ
そういえば、私はなぜこの世界にやってきたのでしょうか。
初心者案内はしてもらいましたが、初めてVRChatのアプリを起動したときから案内されるまでにあった出来事の記憶がかなり薄まっているのです。
ですが、ひとつだけ鮮明に覚えていることがあります。
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ちょうど2年前、魑魅魍魎のクソアバターから逃げ出した先にあった、名も知らぬワールドで観た景色を忘れられない。
いくつかの浮島が、細い吊り橋で繋がりあっていて、
上空では花火が、何度も何度も、ひたすらに打ち上げられている。
あの幻想的で美しく、どこか儚げな光景を、私は忘れることができない。
会いたかったフレンドと会えなかったとき、
どこか寂しい気持ちになったとき、あの光景がよみがえる。
あの光景は、私をまるで故郷を思う時のような気分にさせてくれる。
私があの日観た光景。
もしかすると、あれが私にとっての、初めて見つけた"仮想世界"だったのかもしれません。
大将黄猿、ありがとうございました。
メタバースという言葉が当たり前のように使われるようになってきた昨今、様々な立場や考え方を持った人々がこの世界にやってきています。
そういった中で重要なのは、自分にとっての"世界"は何なのか、
どんな"世界"にしたいのか、それを自分の中で確固たるものにし、主張していくことなのかもしれません。
まあ、それはみんな分かっていることだと思いますので、この辺でお開きにします。
あとがき
というわけで、だいぶ長々と書き連ねてしまいました。
久しぶりに書いたので時間もかかってしまいましたね。
今月でVRChatを始めて2年が経過し、3年目を迎えることになります。
フレンドの皆さん、クリエイターの皆さん、パフォーマーの皆さん、VRコンテンツ開発者の皆さん、いつもお疲れ様です!
素晴らしい作品、パフォーマンスをありがとうございます!
VRChat歴3年目もよろしくお願いいたします!
さて、次の更新はいったいいつになるんでしょうね。