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日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~豊の秋 花かんざし(米田酒造)~

『日本酒にあまり詳しくない方にとっては、「銘柄や酒蔵がどうっていうのがわからないから、日本酒って何だか手を出しづらい」と敬遠してしまうかもしれません。

「日本酒まずはここから!」のコーナーでは毎回おすすめの銘柄をひとつご紹介します。これを読んで、「1銘柄1豆知識」から知っていることを増やしてみませんか?

いきなり製法について覚えたり杜氏さんの名前を覚えたりする必要はないのです。まずは視覚から、そして特徴的なこだわりなどを知ることでその日本酒に対して「飲んでみたいな」と思っていただけたら嬉しいです。

今回ご紹介する「豊の秋 花かんざし」の特徴は、「食事と一緒に楽しめるなめらかなお酒」であること。ふっくらとしたお米の旨味が感じられるのに軽やかな吟醸香もあって、後味はキレがある……食事や日本酒の好みを狭めない万能なお酒です。


米田酒造とは?

※画像:米田酒造公式サイトより(2022年5月6日現在)

「豊の秋 花かんざし」を造っている米田酒造は島根県松江市にある酒蔵です。1896(明治29)年に創業し、なんと125年も酒造りを続けています!

土地(島根県松山市)について

島根県松江市は海・山・川・湖と豊かな自然に囲まれた場所で、多くの旬の食材が集まり豊かな食文化が培われてきた場所。流通の拠点地域として発展してきた歴史があります。

さらに、島根県は日本酒発祥の地と言われており、古事記で「スサノオノミコトがヤマタノオロチに八塩折(やしおり)の酒を飲ませて退治した」話も出雲の国(現在の島根県)が舞台なんですね。

豊の秋とは?

そんな場所で生まれた「豊の秋」はこの土地の五穀豊穣に感謝をこめて命名された日本酒で、米田酒造の代表銘柄です。米田酒造のホームページのURLが「toyonoaki.com」なことからもメインを張っている感が伝わってきます!そして豊の秋が商標登録されたのはなんと1915年!とにかくその歴史は深いわけですが、伝統の継承と機械化の推進の融合を図るなど、その時代に合わせた作り方や味の模索をしていることが長年愛され続けている理由なのかもしれません。

仕込み水について

ちなみに、40年前までは松江の市街地の井戸水を仕込み水として使用していたそうなのですが、町が発展するにつれ井戸水を使用することが難しくなり、仕込み水探しに苦労した時代がありました。それでも最終的には松江市郊外にある山の麓の急な斜面から湧き出る水を発見、で酒造りに適した成分を有するお水だったことから、これまで同様ふっくらと美味しいお酒造りを継続できるようになったそうです。

同じ場所で同じお酒を造り続けていても、その環境は刻一刻と変わっていきます。

「味を維持する」ための努力は計り知れませんね。

「豊の秋 花かんざし」 美味しい飲み方

※画像:米田酒造公式サイトより(2022年5月6日現在)

そんな米田酒造が作る「豊の秋 花かんざし」の美味しい飲み方をご紹介します。米田酒造の酒造りのモットーは「ふっくら旨く、心地よく」。とにかく飲み口が非常になめらかでどのような食事にも合う「食中酒」として万能な日本酒です。特に松江という場所は食文化とともに発展してきたこともあり、「食品の味わいを高める」のはさすがですよね。

「協会9号酵母」を使用しているのですが、それによって上品な吟醸香が感じられるお酒になります。口にしてみると穏やかなお米のふっくらとした旨味を感じるのですが、そこにやや華やかな完熟したみかんのような香りが加わります。そして後味はシャープでドライに締まります。

……日本酒の醍醐味がこれでもかと詰め込まれている感じです!

おすすめの温度は少し冷たいと感じる15度前後ですが、旨味を強調したい場合には少し温度を上げても美味しく楽しめます。季節や合わせる料理によってどのくらいの温度が合うのか探してみるのも楽しいですね。なめらかさや柔らかさが特徴なので繊細な味の懐石料理との相性も良いのが特徴です。特に島根県には魅力的な食材や郷土料理が多いので、同じ土地つながりで宍道湖で取れる食材(シラウオ、アマサギ、ウナギ、コイ、スズキ、モロゲエビ)などと合わせてみることでより島根県を感じることができる組み合わせになりますよ!

マリアージュ

ほかにも、松江名物の「出雲そば」と合わせてみるのも◎。

特に「出雲そば」はそば粉の風味が強いことに加え、甘めのそば出汁で食べるのですが、これが「豊の秋 花かんざし」と相性抜群!滑らかな口当たりをより堪能できる温かみのある陶器類でグイっといきたいですね。

【DATA】豊の秋 花かんざし
酒質:純米吟醸酒
アルコール分:15%
精米歩合:55%
容量:720mL/1,800mL

豊の秋 花かんざし


【参考】
米田酒造公式サイト
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