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日本酒まずはここから! 1銘柄1豆知識 ~玉乃光 酒魂(玉乃光酒造)~

『日本酒にあまり詳しくない方にとっては、「銘柄や酒蔵がどうっていうのがわからないから、日本酒って何だか手を出しづらい」と敬遠してしまうかもしれません。
「日本酒まずはここから!」のコーナーでは毎回おすすめの銘柄をひとつご紹介します。これを読んで、「1銘柄1豆知識」から知っていることを増やしてみませんか?

いきなり製法について覚えたり杜氏さんの名前を覚えたりする必要はないのです。まずは視覚から、そして特徴的なこだわりなどを知ることでその日本酒に対して「飲んでみたいな」と思っていただけたら嬉しいです。

今回ご紹介する「玉乃光 酒魂」の特徴は、「どんな料理にも、どんな温度でも合う、THE日本酒」です!流行りに流されない、とことん米にこだわる玉乃光酒造の定番商品「酒魂」の魅力を見てみましょう!


玉乃光酒造とは?


※画像:玉乃光酒造公式サイトより

玉乃光酒造は京都市伏見区にある酒蔵で、1673年に創業……なんと340年以上も酒造りをしている老舗です。

その最大の特徴は「純米吟醸酒・純米大吟醸酒しか造らない」ということ。近年では醸造アルコールを添加した日本酒の方が「華やかな吟醸香がする!」と人気が高かったりもするのですが、玉乃光酒造はあえてその流行に流されませんでした。

特に戦後は米不足だったこともあり、醸造アルコールや糖類、酸味料、グルタミンソーダなどを添加した三倍増醸酒、いわゆる三増酒が多く出回っていました。しかし1964年、玉乃光酒造は米と麹だけでつくり上げる純米酒を復活。コストも価格も上がってしまう恐れがありましたが、それでも「良い酒を造る」というポリシーのもと、米と麹にこだわった純米吟醸酒・純米大吟醸酒造りを行っています。

日本酒の原料に使用されるお米は主に「酒造好適米」と呼ばれる、日本酒造りに適したお米だということはご存じかもしれません。しかし、この「酒造好適米」は、稲穂の背丈がとても高いため台風で倒れやすいなど、私たちが日ごろ食べている一般米に比べて栽培が難しく、コストが高くなってしまいます。

それでも玉乃光酒造は「備前雄町」、「山田錦」、京都で生まれた「祝」など、こだわりの酒造好適米で日本酒造りをしています。田植えから参加するほど、その品質へのこだわりは厳しく、さらに完成した酒造好適米の水分やタンパク質もチェックし、基準に満たない米は使用しないという徹底ぶり。さらに、使用する水も豊臣秀吉が醍醐の茶会のときに汲み上げたとされる「御香水」と同じ伏流水を使用しています。

この「御香水」は環境省選定の「日本名水百選」に選ばれるほどの名水なんですよ!

「酒魂」の美味しい飲み方


【DATA】玉乃光 酒魂 酒質:純米吟醸酒 アルコール分:15% 精米歩合:60%
※玉乃光酒造公式サイトより

そんなこだわりの強い玉乃光酒造がつくる「酒魂」。読み方は「しゅこん」です。ほのかな米の旨味と酸味のあるキレが特徴で、ふくよかな甘味と旨味が感じられ、なめらかかつまろやかな味わいから、後味はドライになっていきます。端麗すぎず濃厚すぎないこともあり、玉乃光酒造のラインナップの中でも定番商品。日本酒ビギナーの方でも飲みやすい味わいだと思います!

特に、冷やでも熱燗でも幅広く楽しめるのが良いところで、15~18℃前後で飲むと、なめらかな飲み口とふくよかな旨味がほどよく感じられます。

2019年には「全国燗酒コンテスト」で最高金賞を受賞していることもあり、温める時のおすすめ温度は40℃前後。
温かみを感じさせる陶器の酒器に注ぐことで、口に触れる際にやわらかさを感じやすく、京都のはんなり気分を味わえます。

どんな料理にも合う「玉乃光 酒魂」ですが、やはり京都の日本酒ということで、京都の郷土料理と合わせるのがベストです。特に、高級料亭の懐石料理よりは京の“おばんざい”と呼ばれる庶民的な料理と気軽に合わせたいお酒で、湯葉や豆腐、野菜と油揚げの煮物、魚の西京漬けなどが合うのではないでしょうか。

特別な日に飲む日本酒というよりは、日常的に楽しんでほしい日常酒ですね。

【参考】
・『新訂 日本酒の基』(NPO法人FBO)
・玉乃光酒造公式サイト
http://www.tamanohikari.co.jp/
https://tamanohikari.sake.com/
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松本果歩
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、
社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。
お酒好きが高じて国際唎酒師の資格を取得、日本酒のお店でも働いています。
Twitter:@KA_HO_MA

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