「母と暮せば」2024年観劇記~亡き息子が母に与えた使命と再生の物語
1,はじめにこまつ座「戦後“命”の三部作」のひとつである舞台「母と暮せば」が3年ぶりに再々演された。
しかも今公演は、原爆投下された物語の地である長崎市を含む九州公演と、戦場とされた沖縄での公演も初めて行われた。
九州公演は3年前に開催して各地を回る予定だったが、コロナ禍で長崎や島原など一部公演が中止となっていた。3年越しで実現した九州公演に、こまつ座の井上麻矢社長は「ずっと気になっていた忘れものをとりにきた感じ」と表現している。実は、3年前に九州公演が中止になったことが、今