【展覧会】語りの複数性
各作品には何らかの空白があり、受け取る人が想像せざるを得ない部分がある。
どのように想うことができるのか、複数の語りが共存する場として企画されている。
語りは、語り手の身体と記憶や経験が結びついて生み出され、受け取る人がその存在や意味を捉えてはじめて現れる。
訪れた人が、強い自分、弱い自分、たまに顔を出す自分など、複数の自己の声に耳を澄ませ、自分とは違う感覚や経験を持つ他者と、その複雑な内面世界を共有しようとする試みを紹介する。
(参考:企画担当者テキスト)
以下、少し紹介する。
今やネットを使わない日はない。
便利なものは使う。そこにはワクワクもあるし、それで助かることもある。
考えることもあるし、創造するものもある。
ただ、スパンが早く次々に移り行き、気が抜けない。いわば上層部に位置している。
深層部に位置する創造性は、ゆっくりと時間が流れ、上層部に身を置いている時間が長いと潜り込む事が難しくなる。
が、立ち止まって耳を澄ますことができれば、揺るぎない立ち位置が見えてくる。
語りの複数性は、深層部に身を置ける展覧会だった。
展示スペースはさほど広くないが、時間はたっぷり掛かる。
東京都渋谷公園通りギャラリーで、
2021年10月9日〜12月26日まで開催中。