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バーナードの組織成立の3要素は、現代においてどのような問題で現れているか。
「きづきくみたてnote」を展開している森本さんの記事を今朝方読みました。
いつもながら、よい刺激を与えてくれるノートでした。
この中で今後求められている3つの要素が紹介されています。
ポイント① 自分の所属している環境をよくしていこうという意欲をどれだけ持てているか?
ポイント② 自分の成長に対してどれだけ貪欲に学習に取り組めているか?
ポイント③ 自分が改めるべきポイントを素直に受け入れ、修正できるか?
そうだよなーと頷きつつ、ぼやっと重なって浮かんできたのが、チェスター・バーナードの「組織成立の三要素」です。
日本のビジネスマンに最も有名な経営学者を一人あげてみてといえば、ピーター・ドラッカーになるのではないかと思いますが、日本の経営学者に最も有名な経営学者を一人あげてみてといえば、チェスター・バーナードが第1位になるのではないかと思います。
彼の経営学に対する功績はいろいろあるのですが、その一つに、最初に「組織の定義」および「組織成立の三要素」を提唱したことだと思います。
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人々の間に「共通の目的」と、人々の「貢献意欲」があり、実際の行動のための「コミュニケーション」ができていれば、そこに組織が成立するといったわけです。
この3要素が先ほどの森本さんの提示した問題において、それぞれ以下のように重なるのではないかと考えました。
ポイント① 自分の所属している環境をよくしていこうという意欲をどれだけ持てているか?
→自分が所属の環境(組織)にどう関わっていこうとするかについてのデザインの問題である。これは、現代の「共通の目的」の問題に通じる。
ポイント② 自分の成長に対してどれだけ貪欲に学習に取り組めているか?
→自分が成長できれば組織にとってもプラスが大きくなっていくが、どうしたらその人の成長意欲を保ち続けることができるのか。これは、現代の「貢献意欲」の問題に通じる。
ポイント③ 自分が改めるべきポイントを素直に受け入れ、修正できるか?
→自分がこれが良いと考えている行動も時間と共に通用しなくなる時が来る。しかし、外から変わるように要請することは時に怖さと痛みが伴うため誤解や感情の揺れにさらされる。これは、現代の「コミュニケーション」の問題に通じる。
このように考えていくなかで、森本さんのNoteは現代の日本の問題を実にうまく捉えているなぁと感心させられました。
レゴシリアスプレイメソッドでこれらの問題の解決をサポートできるか
私の関心はこうした問題にどこまでレゴシリアスプレイメソッドが貢献できるかというところにあります。
まず、一つ目の自分が所属の環境(組織)にどう関わっていこうとするかについて考えるためには、まず自己理解を深めていくことが重要となると考えます。自己理解が深まることによって、組織活動のどこに自分が関わることによってWin-Winになるかを考えやすくなるのです。この自己理解の深掘りについて、レゴシリアスプレイメソッドは効果を発揮します。自分というものは複合的で言葉に落とすのが難しいため、レゴブロックでイメージ先行で表現していくことが良い気づきにつながることが多いのです。
成長意欲については、成長を導くマインドセットを作っていくことが重要になります。それを形成していく王道は「成りたい自分を描く」ことにあると思います。ここでも自己理解を深めていくことが鍵になります。先ほどのパターンと同じくそれをレゴブロックで表現することは解決の決め手とまではいきませんが、考えるヒントを与えてくれるのではないかと思います。
変化を促すコミュニケーションについては、レゴシリアスプレイメソッドで自分の中での変化に対する恐れや痛みの予感をブロックで表現してもらうことを通じて、自分の中にある恐れをみとめることの手伝いはできるかなという感じです。その人にとって実際にどのような変化が必要になっているのかについては、レゴシリアスプレイメソッド以外の手法、例えばサーベイ・フィードバックや恐れの克服のためのメンタル・トレーニングなどが別途、必要になりそうです。
今後も、今の日本の中の大きな問題を把握するとともに、どこにレゴシリアスプレイメソッドが貢献できそうかについて考え続けていきたいと思います。