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THE GAZETTEを読む(50)2022年6月号GAZETTEでの洞察の10年を振り返る

 本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
 この記事の引用元原文はこちらのURLから確認することができる。

   The Gazetteを発行して10年になるとは信じがたいことです。そして、オンライン・ライブラリーにある最も古い号の日付である2012年6月以前にも、LSPはすでに10年以上にわたって私の職業生活の中心となっていました。ビジネスの理論と実践の進化を見ると、LSPがこの革命的なアプローチを開始したときよりも、今の方がより適切であることは明らかです。

THE GAZETTE 2022年6月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 この記事も収録されている上記のNoteマガジンは、The Gazetteのこの回の記事を読んでスタートさせた。それまでもThe Gazetteを読んで、余裕のあるときには日本語訳を載せていたが、改めて10年で書かれたもの全体を一度しっかりと読み直してみようと考えた。
 ほぼ半年で10年間に書かれてきた内容を追ってきたが、ロバート・ラスムセン氏の扱う話題や書籍の幅広さに圧倒されるばかりである。そして、この10年間で扱ってきている多くの書籍や記事がレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの基盤を支持し、その可能性を押し広げている。

脳科学に基づく

 創刊号では、社会神経科学のレンズを通して得られた洞察とLSPの関連性をまとめました。人間は無意識のうちに、常にリスク(脅威)を最小化し、報酬を最大化しようと試みています。その号では、David RockのSCARF理論を引用し、意図しない状態の脅威の明確な例と、脅威によって引き起こされる自分自身の行動と同僚の行動に対する理解を深めるLSPの演習を紹介しました。脳科学の進化とともに、LSPがどのように、そしてなぜ機能するのか、その理解も深まっています。2021年4月号では、感情がどのように伝わり、しばしば誤解されるのかについて、Lisa Feldman Barrettによる現在の脳研究を探りました。私たちは誤解を減らすためのテクニックを提案しています。

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 創刊号の解説はこちら。「心理的安全性」という言葉はこの時期にはまだ十分に広まっていなかったが、そこにつながる「脅威の感覚」や「不公平感」をもたせないことなどが語られている。

 そして2021年4月号の解説はこちら。

 Lisa Feldman Barrett女史の研究をもう一つとりあげている2020年6月号も合わせて読んでおきたい。いずれにも共通するのは「感情」というキーワードで、「理性」中心の見方では邪魔者扱いされやすいが、逆に「感情」に人間の知性発揮の可能性を見出し、アプローチするのがレゴ®︎シリアスプレイ®︎だということがわかる。

変化を受け入れる


 2015年5月号では、「習慣的な考え方の打破」に焦点を当てました。組織変革がもたらす課題について、やや落胆するような概観を示した後、伝統的な障壁を克服するアプローチについて説明します。パンデミック後のロックダウンは、リーダーシップチームの他のメンバーと一緒に新しい組織の価値を共創する絶好の機会です。

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ここで紹介されている2015年5月号の解説記事はこちら。

 「習慣的思考の打破」はレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドがビジネス・シーンに提供する効果を語る上での欠かせない柱の一つで、マスタートレーナー達による書籍『Building a Better Business Using the Lego Serious Play Method』でが「100-100(前のめり)の会議」「眠っている知識の解放」と並ぶものとして取り上げられている。
 また、習慣的思考を導いているものとして「組織文化」が指摘されることもある。「組織文化」はひとびとを調和的な行動に導くときもあるが、それが思考の壁となるときもある。それをレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドがどう扱うかについては以下の2つの号を見ておきたい。

 こちらでは「習慣的思考の打破」のために「アスピレーションを考えること」の価値なども扱っている。

ハイパフォーマンスチーム

 2017年10月ではGoogleが実施した2年間の調査から得られた知見をご紹介しています。この研究では、ハイパフォーマンスなチームの重要な成功要因について詳しく説明しています。効果的なチームワークは、ビジネスの成功に不可欠な差別化要因であり、Googleの研究は引き続き高い関連性を持っています。

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 2017年10月号では、今ではチーム・ビルディングの必須ワードにもなった「心理的安全性」を取り上げている。

 「心理的安全性」はこのひとつ前の号でも取り扱われている。

 また、この「心理的安全性」は「信頼」という概念と非常に密接な関係にある。そして「信頼」構築の重要性は、最もよくこのGAZETTEで取り上げられている組織課題の一つである。さらに、冒頭に紹介した創刊号でも脳科学の中でも「心理的安全性」につながる課題が取り扱われていることを考えても、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドのワークをするときには、必ず念頭に置いておきたい考えである。

違いを祝福する

 チームメンバーは、日常的にさまざまな文化的・教育的背景を持つ人々で構成されています。現在、ほとんどのグローバル企業がDEI (Diversity, Equity and Inclusion) の取り組みを行っています。多様性のパワーとメリットを無視することは、暗黒時代に身を置くことになります。「合意できなくても大丈夫にする」(2019年4月)は、さまざまな文化的価値観の基盤の一部を説明し、生産的に意見の相違を表面化し、発散するアイデアを革新的な解決策に織り込む方法について提案するものです。

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 ここで紹介されている2019年4月の記事の解説はこちら。

 グローバル化する社会に対応するという点でも、レゴ®︎シリアスプレイ®︎が「多様性を引き出し・活かすこと」は評価されるポイントである。また、世代間格差についても問題だと考えられることが多い中で、逆に強みとしての「多様性の源泉」にもっていけるのもレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドならではいう点である。

 それは以下の号でも指摘されているように、「多様性を引き出すこと」はイノベーションを生み出すことにつながるという点でも重要性は高い。

 なお、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドをイノベーティブなアイデアにつなげていく方法は「多様性を引き出す」以外にも存在する。それらについては以下の記事にある。

 今回は17本のバックナンバーの解説を紹介することができた。他にも興味深いものもたくさんあるので、ぜひこの機会にマガジンから未読のバックナンバーをチェックしてみてほしい。

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