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思考は誘導できる

 人間はわかりやすさを求める生き物であるからこうこうこういう風に考えればいいよと示せば多くの人はその通りに考えてくれる。
 例えば、「感動のフィナーレ」「緊張のクライマックス」なんかがそれにあたる。
 もちろんのこと読者や視聴者がそのシーンで感動するとは限らないわけで人によっては全くの凪である可能性もある、それをこの方向が正しいですよと示してあげるとそういう考え方に修正されるのである。脳みそを使いたがらないがゆえに他人に与えられた考え方を自分のものにしてしまうのである。
 そしてこの疑いのない信用を加速させるのが真実バイアスである。基本的に人は相手の言う事を信じないといけない、相手の言うことをいちいち疑っているようではまともな話し合いが出来ないからである。これによって感動という文字が踊っていれば感動なんだ、と信じるのだ。
 これはテレビや新聞他のマスメディアもよく使う手法で広告などでもこの手法はよく見るのではないだろうか?
 彼らは見出しで読みたくなるように誘導したい、そしてこの思考の誘導はそれにピッタリなのである。
 ではこれを一般化しようとするとどのような言い回しがいいだろうか?
 「前から言ってたよね?」という言い方なんてどうだろうか、
 例えばあなたが友達と一緒にどこかへ行きたい場合、「前に暇が出来たらどこか遊びに行ってくれるって言ってたよね?遊びに行こうか」というような誘い方をしてみてはどうだろうか?
 言った覚えのないことを言ったと言われて友人は困惑するだろう、しかし、前に言っていたと言われれば言ってしまっていたような気がするものなのだ。言った覚えのないことのはずだが、もし「暇が出来たら遊びに行く」と言っていれば約束をやぶることになるわけだ。約束をやぶるのは誰しも罪悪感を覚える。その結果あなたの「前に言っていた」という嘘を信じて一緒に遊んでくれることになるわけである。
 このように○○って約束したよねというような信用に関わるものでかつ覚えていないようなことを言ってみるといいだろう。

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