無益証明
嘘をつく時、ほとんどのケースで嘘をついた側に利益がある。そしてそのほとんどのケースでその利益は嘘をつかれた側の不利益から生じている。
例えば、浮気を隠すとき、嘘をついて得をするのは浮気をした側、嘘を見破れなかった場合ダメ人間と別れられず損をするのは浮気された側。会社のお金を騙し取られたとして嘘をついて得をするのは騙し取った側、嘘を見破れなかった場合お金を取り戻せずそれどころか再犯の可能性にまでさらされるのは騙し取られた側。
このように嘘をつく側・つかれる側には利益・不利益が生じている。
嘘を見破る側のプロフェッショナルである警察も誰が損をして得をするのかを考えて犯人の絞り込みをするし弁護士だってそれを考えて証拠を探す。
疑われるのはいつも利益のある人間でなのである。
つまり、利益がないように装えばいいのである。こんなことをしても自分に利益はない、それを示せばいい。
人間進んで不利益になるようなことはしないものである。あなたも詐欺と分かっていてそこに大金をつぎ込んだりはしないだろう。
では、いかにして不利益であるように見せるのか、これを説明しよう。
例えば、あなたがそれなりの地位にいて文書を偽造して利益を得たとしよう。
利益が少ないことに気づいたお上が気づいてあなたに問いただしたとしよう、
もしバレればクビはおろか刑事事件にまで発展してしまうかもしれない。どう答えるべきか、こう言ってみてはどうだろうか。
「私がこんなことをやってしまったらバレるのわかってるじゃないですか、そんなことやりませんよ」
こう言うことによってこれをやる利益よりも不利益の方が大きいからやるわけがないと思わせることができるのだ。
もう一つ例を出してみよう。
あなたがもし友人とどこかに行く約束をしていたとしよう、しかしあなたは約束をした際にメモなどを取っていなかったために約束の日にドタキャンしてしまった。もしバレれば友人関係に亀裂が入ってしまうかもしれない、用事が急に入ったと嘘をついてみたが半信半疑のようである。こういう時はこう言ってみてはどうだろう?
「そんなところで嘘をついたところで意味ないでしょ?」と、それなら相手も納得するだろう、確かにこんなところで嘘をついても意味がないなと思うのである。
この例だと本当に嘘をつく意味がないが意外にも「この嘘をつく必要ないでしょ」というフレーズは嘘をつく理由が明確にあるときにでも通用する魔法のような言葉なので重要な場面で使ってみるのもいいかもしれない。