敵を騙すなら味方から、他人を騙すなら自分から
昔からのことわざに「敵を騙すなら味方から」というのがある。これは非常に理にかなっていて、味方から嘘がバレることを防止しつつ味方を気にせず嘘をつける。そして更に上、「他人を騙すなら自分から」を実践することをおすすめする。
自らが信じられない嘘を他人が信じるわけがないわけで、定着された記憶を思い出すが如く言葉を紡ぐことができれば疑いの種となる表情や口調のほつれが生まれにくくなる。
言葉は口から出すと自身をも騙していく、ゆっくりと自分の認識を都合のいいように作り変え記憶が歪んでいく、そして歪んだ状態で違和感が生じないように周りの情報まで書き換わっていく、何度も人に話すと嘘は──少なくとも自分にとっては──嘘じゃなくなるのである。
そういえば自分を騙す最良の方法がある。鏡を使う方法で毎日鏡の中の自分と目を合わせて自己催眠したい内容を唱えるのだ。最近は「私はHTML言語(インターネットサイトを作るベースの言語)が好き」と唱えて実際好きになった。もし嘘が嘘であることを忘れたいなら自己催眠の内容を自分につく嘘にすればいい、「ミスしたのは私じゃなくて○○」といった風にだ。道徳的に良くないことは書き換えにくいが時間をかければ書き換えられる、忘れれば楽なことは沢山あってそれをなくせば自分の生活が豊かになる可能性はある。鏡はそんな豊かな生活を送らせてくれるのである。
人間は鏡像認知といって鏡に写った像を自身のものであると認知できる賢い生き物だ。そのため、人間はその認知によって鏡の前で何かを言う時自己を強く意識する。そして、人間には元々自分の口に出した言葉が事実だと思い込む性質があり、この思い込みの性質が鏡により強化されることで強い催眠がかかる。これを何度も繰り返すことで自身を作り替えることが出来るのだ。
こうして嘘がバレるかもしれないという焦りの念なく本当として嘘を人に話せる。これなら疑われまいだろう。