嘘つきが教える嘘つきはこういう奴/研究者気質持ち編
嘘が上手い人の特徴が幾つかある。そしてそのひとつに心理について熟知しているという項目があり、心理学を学び自分と相手の心の動き方を知っていることでより嘘のレベルが上がる。車輪の再発明という慣用句があるが嘘のつき方を自分で考えて先人たちと同じ答えを自力で見つけるよりも心理学を学んで嘘を身につける方が百倍、いや千倍、いやいや恒河沙倍早く上手い嘘をつける人間になることができる。さらにはまだ先人が辿り着いていない嘘つきの高みへ行くための研究ができるだろう。
さてはて、研究者気質持ちの中でも心理について熟知している者たちの話をしたがその他の研究者気質持ち、物事の仕組みを見極めようとする者たちも嘘を愛していることが多い。というのも彼ら彼女らは頭を使うのが好きで思考負荷(物事を考える時に脳みそにかかる負荷)が高い遊びをこよなく愛するものばかりである。話は変わるが脳みそは使えば使うほどシナプスと呼ばれる脳細胞同士の接点が増えて賢くなっていく、まるで損傷して修復される度に強くなる筋肉のようなもので研究者気質持ちは脳負荷を積極的にかけてさらなる頭脳の強化をはかるのである。
嘘は相手が何を考えているか、気づいていないか、自分が今どのような顔をしているか、事実はどうでこのように嘘をついたのだからこのようにすれば辻褄が合うか、考える事は無尽蔵にあり脳負荷をかけるのには持ってこいなのである。
しかしながら、最後の花火を打ち上げるんじゃないのだから取り返しのつかない嘘はついてはいけない、嘘をバレないようにするという遊びは大変に、それはもう大変に面白いがしかし嘘というのは銃や包丁と同じく武器でこの武器の扱いを間違えば友達を失うかもしれないし親には絶縁されるかもしれない、嘘をつく時というのは自分が金を得るためや何かを騙し取るために使ってはならないのである。その点、研究者気質持ちはしっかりラインを引いているはずだ。すぐにバラす嘘を彼ら彼女らはつく。すぐにバラす嘘をつくといえば嘘つきを相手にする職業の人たちも同じくそういった嘘をつくが違うのは手の込み方である。明らかに金がかかる仕掛けをちょっと騙すためだけに作ったりするし、騙すその時のために時間もかなりかける。彼らはとっさの嘘はちょっとの言い訳くらいで大体が前々から準備された嘘をつくのである。
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