人生で一番の瞬間

皆さんの人生で一番と思える瞬間はどんな時ですか?
一番といっても一番最高か、一番美味しかったものか、一番の快感か、一番きれいなものを見たときか、等いろいろな一番の瞬間があると思います。

僕が挙げる一番な「一番最高な気分の時」「一番最低な気分の時」の2つです。
この2つを味わったのは大学時代のサッカー部でした。

僕は高校までサッカーをしており、東京ベスト16ぐらいのレベルでした。大学に進学した時もやるならしっかりチャレンジしたいと思い、体育会サッカー部に入部しました。大学は都道府県リーグ1部に所属しており、カテゴリーでいうと上から3つ目にあたるものでした。(都道府県リーグは4部まであります。)

当時70人の部員の中で、入部当初の僕はチーム内で一番下のチームのベンチ。最下層の選手ということですね。
自分で努力しないと上にはいけません。ほんとに個人勝負。その中で徐々にステップアップしていきました。別に僕がしたいのは僕個人の話ではありません。

まずは「一番最低な気分」の話から。
どんだけ練習してもうまくいかないとき、調子が上がらないときがあります。これは個人の話なので、まあ何とかできる気が当時はしていました。
しかし、チームが勝てない、これは僕の中で非常に苦しかったです。

大学3年時、僕はある試合にキャプテンとしてスタメン出場していました。相手は格上で何とか喰ってやろうとチームで意気込んでいました。

アウェーでの戦いにプラス相手の大応援団、雰囲気にのまれました。その状態でいつものプレーができるはずもなく、開始10分私のミスから失点。その後もうまくいかず、前半私のミスから再び失点。前半2失点に絡み、ハーフタイムで交代。

先輩であり、キャプテンでチームをまとめる人間が失点に絡む、ハーフタイムで交代。そしてチームも1-3で負ける。僕のせいでこの試合負けました。ほんとにこのときはサッカーを辞めようかと思いました。ロッカールームに戻っても着替える気も起きず、そのままうなだれてました。

スーパーポジティブ人間の僕が一言もしゃべれず、後輩は気を使って先に帰り、同期とも一緒に帰る気も起きず先に帰ってもらいました。(ま、僕が後輩の立場だったらこの先輩今日はクソみたいなプレーしやがってって思いますけどね。(笑))

自分のせいでチームが負け、ハーフタイムで交代し、これ以上ない最低な気分でした。
帰り道何を考えていたか覚えていません。家に帰ってもすぐ寝れず、ずっと試合の映像を見ていました。
(完全に僕のプレーが悪かった(笑))

僕のせいでチームを最低な気分にしたってことが最低な気分でした。

続いて「一番最高な気分」とは。
あれは、大学4年時のリーグ戦最終節、勝てば残留、それ以外なら降格という痺れる状況でした。
僕は応援席の一番前で応援していました。

降りしきる雨の中、前半に退場者を出し、数的不利となる。
まあ、普通にヤバい(笑)

そして後半40分、その瞬間が来ました。奇跡的なシュートが入り1-0!!
雨空に虹をかけるようなスーパーなシュートでした。

この時点で僕は泣いていました。(普段映画とか見ても泣きません)
残り5分間、僕の中で大学4年時の一年間を振り返る瞬間でした。シーズン開幕から勝てず、降格候補と呼ばれ、チームOBからは「最悪な世代」と言われ、たくさんの苦労してきました。
しかし、その苦労のそばにはいつも25人の同期、支えてくれる後輩がいました。

そして試合終了の笛が鳴ると、笑顔と涙が入り混じった歓喜の輪がそこにはありました。

あれほど嬉しかった瞬間はありません。人生で一番最高な気分の瞬間でした。

これを文字化することは不可能だと思う。でも伝えたいことは最低な気分を味わったからこそ最高な気分に出会えたんだと思う。
きっとこの先この瞬間を超えるものには出会えないと思う。

だってもう仲間はその場にはいないから。
僕1人だけじゃなくて、仲間がそこにいたから味わえた気分だと思う。
ありがとう。

ちなみに、後日行われた4年の引退試合は、僕のせいで失点し0-1で負けました。
(でも味方がPK外したから僕だけのせいじゃない!(笑))

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