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木九、25歳(自分語り小説)①

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今日は皆既月食と天王星食が442年ぶりの天体ショーであるとニュースで見て、年甲斐もなくはしゃいで写真を撮っているのが25歳の僕だ。

寒空の中星を眺めてると結婚してもうすぐ4ヶ月経ったことにふと驚く。
自分自身到底人に褒められる容姿や性格ではないと思うがこうして一緒に共同生活をしてくれる奥さんには感謝しかない。

ベランダに置いてあるキャンプ用の椅子を挟んで隣に立っている奥さんは身体の冷えを感じて早々に42℃に設定した湯船に向かってしまった。
僕自身はというと冬限定のコーヒー豆を使ったホットコーヒーを片手に椅子に腰かけ、月食をスマホで撮影しようと試みていたが、うまくできないので諦めてコーヒーを味合うことに集中していた。

最近周囲からすっかり大人になったとか落ち着きがあるねだったり、僕自身は褒められていると捉えているが言われることが増えてきた。自分自身で要因を考察すると第一に年齢を重ねて純粋に老けてしまったり、趣味である筋トレで体つきも以前と比べると特別ゴツくなった等容姿の変化が多いのだろうと考えている。

そして加えて四半世紀の間に関わった人や出来事、数々の失敗から学んだ経験が培われてきたと感じている。よくも悪くも楽観主義者で自分本位などうしようもない僕を変えるきっかけを与えてくれたのは、6人の女性と奥さんとの出会いによってだろうと考えている。

ベランダの椅子に座った僕は静かに目を閉じて、少し離れた国道から聞こえてくる車の行き来する音をバックに過去を振り返ってみることにした。

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